月別アーカイブ: 1月 2016

day #019 Over the Distance

1月30日 土曜日 雪 繋がってると云われてから、人との距離は遠くなった。繋がりって何?あんまり詳しくは伝えたくないけど、走るときや、この山に入らせてもらう前に、毎日いろんな人に想いを伝える。僕のルーティーン。20数名(動物もいるけど)登場するけど、8割が故人。でも、繋がってると思うんだよなぁ。いや、繋がってるんだよ。生きていようと、死んでいようと。 だからさ、そのスマートフォン、たまには手放したらどうなの?日本に限ったことじゃなくて、ここじゃ何とバスの中にwifiが飛んでる。もちろん無料。最初、ラッキーと思ったけど、そもそもそんなものなくても生きてたじゃん。こんなに素晴らしい山に、僕はiPhoneとiPadとMac Book Proを持ってきた。イカれてるよ、どう考えても。今年からiPhoneもこの山で使えるけど、はっきり云って使えない方が良かった。ときどき、やむなくメールをチェックする自分が嫌い。だって、山なんだよ! 数年前、グーグルのスノーモービルが山を登っていくのを観たんだ。ストリート・ビューじゃなくて、マウンテン・ビューかよ! 何だかね、グーグルに牛耳られてる気がするんだよ。ときどき、気持ち悪い。今、blogラジオを作ってんだけど、youtubeって、国によって観れないものがあるの知ってた?オレ、ここでそれを教えてもらうまで、知らなかった。確かに番組を作ってると、観れないものがあるんだ。誰かが何かをコントロールしてる。それが気持ち悪い。だから、僕はみんなに伝えたい。youtubeは決してベストじゃないってこと。あれは音楽を殺してる側面もある。だから、もし好きになったら、そのミュージシャンをサポートして欲しい。ライヴに行くとか、アルバムを買うとか。ついでに云っておくけど、youtubeにある自分たちの映像なんて、ほんとうに勘弁して欲しいと思うものばかり。でも、どうにも出来ないし、そこにエネルギーを使いたくないから、利用しようとは思うけどね。ふぅ。 デジタル遺産って言葉、知ってる?亡くなった人のコンピュータや電話の中に残されたデータの事なんだってさ。確かにオレのそれらの中には良く知られた人の連絡先なんかが入ってるからね。油断も隙もないよね。死ぬ前に爆破しなきゃなぁ。 で、一方。こうやって異国からいろんなことを伝えられるのはテクノロジーのおかげでもある。一時期のマッキントッシュがなければ、HWは死滅してたと思う。多大に恩恵はあった。でもアップルがメインストリーム、世界一の企業になった今、何だか、とてつもない違和感も感じる。ウォールデンの「森の生活」じゃないけど、人間は大切なことを忘れてる。我々が繋がりに夢中になってる間に、着々と戦争は近づいてる。ある人が云ってたけど、そうしなきゃ、世界は破綻するって。そうだろうね。世界を牛耳ってる一握りの人間たちが考えてること、ちゃんと見ておかないとね。テクノロジーを使って。最後の一匹になっても、それには抵抗するよ。 僕が骨折した山で、今日大会がある。素晴らしい日本人選手も出場する。でも、行かない。メイン・スポンサーがNAVY(海軍)だから。前に行ったとき、ものすごく違和感を感じた。若い子たちを勧誘するブースなんかもあったりしてね。選手に何の罪もないけど、僕は嫌だ。おかしいものはおかしいし、気持ちが悪いものは気持ち悪い。世界の何処に居てもね。    

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day #018 世界の寅さん

1月29日 晴れ 忙しいという言葉は好きじゃないです。充実してる、の方が好き。早朝から深夜まで。ぼーっとする時間はありません。身体を使い、メンテナンスし、頭を使い、空想し、現実を遠くから観察し、カオスの中からモノを創っています。異邦人感がとても楽で、心地よいです。寂しいと思ったことは一度もないす。昔、あんなに寂しがり屋だったのに。笑。その感情、忘れたす。いや、まじで。 言葉が決して自由ではないのが、いいのかも。ネコたちとは言葉が不要だから、妙に通じ合える。不思議です。回送のバスが僕を見つけて「ヘイ!乗っていけ、お前のエキスプレスだ」って。異邦人の役得。笑。日本に帰ったら、家を探して引っ越さなきゃいけないんだけど、ほんとうに考えるなぁ。何処に行ったって、オレの自由じゃん、とか。そもそも日本じゃなくていいじゃん、とか。流れる、かぁ。「流れる」ってのは「流される」のとは違うんす。自分の意志です。世界の寅さん、悪くないかも。    

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day #017 BOWLに行く

1月28日 木曜日 晴れ 昨日のアイルランドのラジオ。地元の人たちからたくさんリアクションがあったそうです。嬉しいなぁ。ライヴやればって。もちろん前向きに考えますとも。ここから飛べます。是非。 ——————- さて。BOWLです。バンドのメンバーを始めとして、いろんな人から「何を目指してるのか分からん」と云われます。何も目指してないです。ただ、好きなんです。一年に数度、そこに立ち入らせてもらう。普段身体を動かしているのは、もちろんいい演奏をするためですが、BOWLって場所に失礼のないように、できることはやっておきたいっちゅー気持ちもあります。僕は南の育ちなので、スキーを始めたのが45歳。スノーボードに至っては50歳。今年で3シーズン目。だから、前もって山のコンディションを調べます。天候、風、気温、すべての条件が揃ったときにしか行きません。そして誰にも告げず、一人で出かけます。そんなに無謀でもバカでもありませんのでご心配なく。 中年の修学旅行。違うなぁ、自分への褒美。違うなぁ、試練。ぜんぜん違うなぁ、チャレンジ。違うなぁ、解放。違うなぁ。言葉にならないのです。ひとことで書くなら、生きてる歓びを教えてくれる場所なのかなぁ、これまで、何度来たのか、もう覚えてないけれど、初めて、すべての行程が(苦しさも含めて)強烈に愉しかったです。じわじわと胸にこみ上げてくる歓び。真剣だけど、こころはずっと笑ってた気がします。初めてスキーで来たとき、恐怖しかなかったもんなぁ。笑。まったくどうにもならなかったもんなぁ。とにもかくにも。感謝です。叫んでいいすか。ワオーーーーーーーッ!  

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day #016 アイルランドのラジオと沖縄、石垣公演

1月27日 水曜日 晴れ 一日休んでいる間に考えたのです。骨折して以来、前にも増して、すべての局面で気を抜かなくなったことが、逆に力みに繋がっているのではないか、と。この疲れ方は尋常じゃないし。エクストリームで決して気を抜くのではなく、力を抜くところは抜いた方がしなやかに、自然と共生できるのではないか、と? さて、今日は嬉しいお知らせたくさん。 アイルランドから連絡が。RTE (アイルランドのNHK、あるいはBBC的な)の人気DJ、John CreedonさんがHWの「The homes of Donegal」をかけてくれると。山から帰ってきて、LIVEで聴きました。嬉しかったなぁ。この曲が収録された「日々なる直感」というアルバム、アイルランドに渡った数はわずかなのですが、ときどき流れるたびに、ドニゴールの友人たちから「ヒロシ、聴いたぞーーーー !!!!!!」と連絡があります。嬉しい。 どうして番組で流れたのか、はアーカイブを聴いてくださいまし。たぶん、27日のエントリーから聴けると思います。番組の最後にね、あの長い曲をフルでかけてくれたす。音楽をリスペクトしてくれるのはほんとうに嬉しい。サイトからメッセージも送れるよ。彼は日本が好きなんだってさ。 はてさて。2016年の僕のソロツアーは沖縄、石垣からです。残りの人生、惰性じゃなくて、一本一本、今まで以上に気持ちを込めて、意味のあることをやりたいです。石垣島に行くのは、日本で一番遠いはずの石垣の海人(うみんちゅ)たちがずっと忘れることなく、東北、福島を思ってくれているからです。6年ってね、なかなかできることじゃないっすよ。続けることがどれだけ難しいのか、僕は知ってるつもりです。だから、そりゃ、行くっしょ。みんなの気持ちを受けとって、全国に循環できたらと思います。それが寅さんの役目ですから。 那覇公演にはイサムくんが来てくれるそうです。一昨年、チャボさんのゲストで久しぶりに彼のパフォーマンスを観たのですが、のけぞるくらい素晴らしかったっす。愉しみだー。ソロ・ツアーのタイトルは、えーっ、秘密。来れば分かります。 山口洋 (HEATWAVE) on the road again “Blind Pilot” 3月4日(金) 那覇・Sound M’s スペシャルゲスト=下地イサム 開場/開演=19時/19時30分 チケット料金=前売:3,000円/当日:3,500円 (別途1ドリンク代) チケット販売=1月27日(水)より、電話予約にて発売 問=桜坂劇場 (TEL_098-860-9555) 3月8日 (火) 石垣島・すけあくろ 開場/開演=19時30分/20時30分 チケット料金=前売:2,500円/当日:3,000円 (別途1ドリンク代) チケット販売=1月27日(水)より、電話予約にて受付 問=すけあくろ 今村 (TEL_090-3796-8326) —————— … 続きを読む

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休日と太陽の塔

1月26日 火曜日 晴れ よく晴れた日。遂に休日。もう身体が動きません。村に唯一ある店まで歩いて買い物に行きます。もう一度、身体とこころを整えて、いい時間を過ごしたいと思っています。 いくつかの曲を書きながら、ミキシングも半分くらい(ここでできる作業は)終えました。何故か浮かんでくるのは太陽の塔ばかり。湧いてくるものには、逆らっても意味がない。昔から好きだったけれど、どんどん好きになる。高度成長の栄華と衰退を見守り、たったひとりで孤独に立っているあの塔にどれだけ励まされたことか。たぶん、削ると思うけれど、今書いている曲にはすべて「太陽の塔」が記されています。  

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day #014 ジャンキー

1月25日 月曜日 晴れ 今日は初めて休むつもりだったのです。もう身体がガタガタ。でも、幸か不幸か、昨日の夜、雪が降ったのです。アーメン。そりゃ、天国がすぐそこにあるのに、家でじっとしていられる訳がなく。わたしももう、立派なジャンキーです。さすがに厳しい場所に行く体力はないので、自然が与えてくれた、ドリームランドに轍を刻みました。 生息しているところが既に標高3000メートル近いので、沸点が低くて、何を作っても致命的に美味しくないのです。与えられた電磁調理器1台で、すべての料理をこなします。主婦力上がります。厨房器具がすべて揃っている自分の家より、はるかに難儀だけれど、どうにか工夫して美味しいものを作ろうとするもんです。近所の店に行っても、美味しい食材は殆ど手に入りません。そんな環境の中で暮らすと、当たり前のように食べていた、卵焼き、味噌汁、納豆、エトセトラ。ありがたみが身に染みます。く、く、喰いたい。 世界中どこに行っても生きていけると思ってるんですが、食べ物は厳しいっす。ほんとうに、どうしようもなく日本人。てか、食い物はほんとうに素晴らしい文化だよなぁ。(遠い目)        

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day #012~013 筋肉で記憶する

1月23~24日 雪 人から何かを習うのが苦手です。学校では「何も学ばないことを学び」ました。基本的にすべて我流です。あるいは目で見て、盗んでモノにしたか。 見るに見かねたマスターが僕の滑りを見て、こう云いました。「この状態でエクストリームに行くのは危険だ」。いつものように、ほぼガッツだけで乗り越えてたんでしょうね。マスターは必要なスキルを図解してくれ、こう云いました。「頭じゃなく、筋肉に記憶させろ」。 音楽で云うところの、「身体に入れる」感じです。(僕は譜面じゃ演奏できないので、音楽を身体に入れます。そうすると、どんな風にも対応できるのです)。ゼロからやり直すつもりで取り組みました。二日間、七転八倒。例によって、バカみたいに努力。オレ、努力好きです。だって裏切らないもん。で、ある瞬間に「入った」感触がありました。嬉しかったです。脳から筋肉にプリントされたのです。そうすると、どうなるか?今までのことが根底からくつがえります。マスターがこう云いました。「いつか、宇宙に行けるよ」。確かにそんな予感がします。すごい!嬉しい! 運命は自分自身なのです。待ってちゃ手に入りません。で、大切なものはときどき手放した方がいい。「筋肉が手に入れる運命」。この感じがとっても新しいのです。考えてない、のとも違って、考えた結果を筋肉にプリントして、結果、考えてないってところが。そして、この感触はまた音楽にフィードされます。重力と地形と天候と山に遊んでもらってるこの感じ。素晴らしい。      

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day #011 I shall be released

1月22日 金曜日 晴れ 筋肉痛が全身を2周くらいした感じです。そろそろ休まないと、身体が壊れそうです。残念ながら、年齢には抗えません。年々劣化していくものをどうすることもできず、できることは、そのスピードを緩めることだけ。こうやって、人はいろんなことを受け入れていくんだろうなぁ。嗚呼。 遠くからダイナマイトの音が聞こえてきます。スキー・パトロールが人工的に雪崩を起こして、事故を未然に防いでいるのです。人々のために、こういう危険な仕事に従事している人を尊敬します。僕もかくありたい。 崖から眼下を見渡していたとき。 ふと湧いてきた感情があります。憎しみ、妬み、恨み、エトセトラ。すべての負の感情を乗り越えたくて、ここに立っているんだ、と。走ることはこれらの感情をアースしてくれます。偉大な雪山はアースと云うより、リリースしてくれます。この山に来させてもらうようになって、もう6年。それらから解放されていくのが分かります。どんな目に遭っても、誰かを憎むことはもうありません。経験に感謝こそすれ。そして、情熱は確かに燃えていきます。静かに、強く。相変わらず、僕は欠点だらけの人間だけど、生きている以上は、人間として筋を通したいと思うのです。誰かと比較することなく。自分なりの方法で。       ついしん モット・ザ・フープルのドラマー、Dale ‘Buffin’ Griffinさんが67歳で亡くなりました。2016年は何というか、さよならばっかりで言葉が見つかりません。 知っている人も多いと思うけど、1996年から2000年にかけて、モットの鍵盤奏者、モーガン・フィッシャーがHWを支えてくれました。彼の導きでモットの名曲「Ballad Of Mott The Hoople」を1996年にカヴァーしました。僕が訳したのだけれど、そこに「バフィンは夢を失い」という一行があります。バンドの浮き沈みを知っている者にとっては、たまらない曲です。このヴァージョンをイアン・ハンターが聴いてくれ、「ヒロシは音楽が何か分かっている、ありがとう」とメッセージをもらったときは、バンドマンとして認めてもらったような気がして、嬉しかったです。 モットが沈没しかかっているとき、デヴィット・ボウイが「All the Young Dudes」を書いて、モットを復活させました。その曲でもギターを弾かせてもらいました。たいせつなフレーズだから、ミック・ロンソンのフレーズ、そのままに。 「ロックンロールは人生に破れた者のゲームじゃない」。バフィンさんを追悼し、彼のLIFEを祝福して、「Ballad Of Mott The Hoople」をお届けします。バフィンさん、ありがとう。ロックン・ロール ! Ballad Of Mott The Hoople

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day #010 エクストリームへ

1月21日 木曜日 晴れ 昨夜、吹雪きました。そして、今朝、晴れたのです。 朝イチのバスにはパウダー・ジャンキーたちが目の色を変えて乗っています。むろん、わたくしもです。バカに国境はありません。みんな巨大な白いキャンパスにファースト・トラック(最初の轍)を刻みたいのです。 今日からエクストリームに突入です。マキシマムに難しいです。神の領域に行くためのバーに2度も振り落とされ(今年もかよ!)、崖に何度も吹っ飛ばされ、森のパウダーに埋没して、何度も自分を掘り起こし(地味な光景だけど、死ぬほど体力を消耗します)、いったいオレは何をやっているのだろうと、息も絶え絶えで逡巡しつつ、でも云いようのない幸福感が胸を包んでいるのはどうしてなのか?自分でも分かりまっしぇん。何だか、強力に幸福。自分が思い通りにならないことが。自然の前ではどんな邪心もひれ伏すしかないです。 写真、多めで。愉しんでください。ほんとうにね、ギリギリの精神状態で見る美しい光景って、涙も出ない。伝えたいことは、生きてるって素晴らしいってことです。                                            

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day #009 チャレンジ開始

1月20日 水曜日 晴れ さぁ。やれることはやった、かな。全身の筋肉痛と数々の打撲とともに。笑。 今日からチャレンジ開始。コンディションが今イチなので、まずは小さめの崖から。自分の能力を120%使い切って集中して滑ります。痺れます。帰ってきてからの虚脱感と、ネコたちのいつもの気ままな感じ。このギャップがすべて、素晴らしい。ご飯が美味しくて、頭もキレキレ。夜の10時には死ぬ程眠くなるので、それまでが音楽脳を使う勝負の時間。音楽やってなかったら、ただの原始人です。悪くない。悪くないってば。        

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