11月1日 金曜日 晴れ
みなさん、こんにちは。限定復活地獄アワー、山口洋がお届けするblog上の架空番組。今日は最終回です。ルー・リードの(敢えて書かせてください)現在までをお届けします。今回はこの放送、山形に向かう車の中でお届けしています。今回はスタッフが運転してくれているのです。移動地獄アワー、常に100キロオーバー。ちょっと酔って気持ち悪いぜ。みんみ、みん、みー。(意味不明)
さぁ、1曲目は今日の気分に合わせてボビー・ウーマックを。この曲はイントロが二段ロケットみたいになっていて、二段目に点火したとき、今日と云う一日が確実に新しく見えてくるのじゃ。みんなの週末が愛に満ちたものでありますように。じゃ「Daylight」、点火っ。
この音源。どうやらアナログ盤を録音したみたいですね。アナログのノイズは心地よいものです。デジタルのは耐えられないけど。
さて。ルーです。1986年にリリースされた「MISTRIAL」。
賛否両論のアルバムですが、佳曲もあります。最後に収録されている「TELL IT TO YOUR HEART」。聴いていると、ほんとうに冬のNYの摩天楼と恋人たちが見えてきます。こういうリリカルな世界もまた彼の魅力のひとつです。僕の好きなマンハッタンは確かにこんな感じ。
行ったことがある人も、そうでない人も、あなたのマンハッタン見えたっしょ?押し売り禁止。それぞれのマンハッタンが見えたところで、1989年リリースの「NEW YORK」。
彼が生涯演奏し続けた名曲「DIRTY BLVD」を比較的近年の演奏で聴いてください。
「NEW YORK」には1989年のNY、そしてアメリカが確実にロックンロール・ファンタジーとして記録されています。時事ネタ以外は圧倒的な普遍性を保っています。「アウトサイダーを目指す若人のためのちょっと危険な地球の歩き方」としても有効です。いや、ほんとうに。
さて、続いては1996年リリースの「SET THE TWILIGHT REELING」。
「夕暮れに釣り竿を収める/(ちょー意訳) by オレ」という詩的なタイトルにまずはぐっときたのです。それってLIFEに対する彼なりのメタファーなんだろうな、と。そして「NYC MAN」。「お前は果たしてTOKYO CITY MANなのか」と云うメッセージをギンギラギンに受け取り、すぐに僕は「TOKYO CITY MAN」というアンサーソングを勝手に書き、同名のアルバムを創りました。某ソニーをクビになり、事務所は自分で辞めました。そのとき、僕はレコード会社とも音楽事務所とも契約をしておらず、いわば「ただの人」だったのです。そんな時にルーがもたらしてくれた表現へのモチベーションは多大でした。大事なのは契約ではなく、自分が何をやりたいのか、それだけなのです。それが強固で、なおかつ常軌を逸するくらい何かが傑出していれば、必ず道は拓けます。僕は独り、マルチトラックのテープを抱えてロンドンに渡り、ミックスを終え、横尾忠則さんがジャケットを描いてくれアルバムが完成したとき。ひとつの表現はここまで他人を突き動かすのだ、と驚きました。何というか、ほんとうに感謝しかありません。
蛇足ですが、このアルバムに収録されている「TRADE IN」と云う曲。訳すると「オレを下取りしてくれ」。なんてリリカル。今も昔もこれからも下取りしてくれ、オレのLIFE。
じゃ、「NYC MAN」を近年の演奏で。
さぁ、アルバムから紹介するのはこれが最後になります。2000年発表の「ECSTASY」から「MODERN DANCE」です。この曲は紆余曲折の末、ルーが辿り着いた最高到達点のひとつだと思います。理由?聴いてみてください。誰がこんな曲、書けますか?
そして、今年の6月3日、パリでのアントニーとの共演。おそらく、これが生涯最期のパフォーマンスです。声も弱々しく、立っているのも精一杯。でも、まるで「最後の晩餐」みたいな、宗教画のような美しさがあります。涙もろいんで、すいません。涙止まりません。LIFEっていったい何なんだろう?神が与えもうた試練なのか、それとも終わりなき旅における現世部分に過ぎないのか。嗚呼。
ともだちが教えてくれました。アニー・リボヴィッツがコニー・アイランドで撮ったルー・リードと最後の妻、ローリー・アンダーソンの写真。
4回に渡ってお届けしてきた「極私的」なblog上の架空番組、地獄アワー。愉しんで頂けましたか?ルーを追悼したくて始めたのですが、彼はやっぱり「LIFEとは何なのか?」というでっかいテーマをここでも投げかけてくれました。僕は残りのLIFEを使って、そのテーマに向き合っていきます。
愉しんでくれて、ありがとう。
最後に、ルーのオフィシャルサイトのトップに掲載された、彼の生前最後の写真を勝手に拝借して、掲載させて頂きます。本当はこんなことをしちゃいけないんです。でも、彼の表情が語るものがあまりに素晴らしかったので。僕が何かを語るより、この写真の中にすべてがあると思うから、許してください。
ルー、ほんとうにありがとう。極東より愛と尊敬と感謝を込めて。
I LOVE YOU.
LOU REED
March 2, 1942 – October 27, 2013
Just a couple of weeks ago Lou did a photo session intended to become a print ad for his friend Henri Seydoux’s French audio headphones company Parrot. The renowned photographer Jean Baptiste Mondino took the shots, and this was the very last shot he took. Always a tower of strength. – Tom Sarig
オリジナルは以下のオフィシャルサイトにあります。是非、訪れてみてください。
http://www.loureed.com/inmemoriam/
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追伸
山形に向かっているのは山形の中学生からのメッセージに応えるためです。明日、全校生徒の前で語らい、本気で演奏します。さっき、リハーサルで学校に行ってきましたが、ギンギラギンに奴らの想いは受けとりました。ありがとう。
バックビートフェチの僕にとってルーリードの音楽はイカしたバックビートを聞かしてくれる曲が多くある。僕がルーリードの音楽が好きなひとつの要素です。いい写真ですね。長い旅を続けてきたアンティークのよう。飛行少年のあるべき姿を見せつけてください。昨今時代を生きていると不良であれとおもうのです。
Dirty Boulevardが今のわたしに心地よく響いてきます。かっこいいなあ。「TOKYO CITY MAN」が出たとき、大好きな横尾さんの赤のシリーズが表紙絵で思わず小さく空中に飛んだ思い出。懐かしい。完成までの背景を知り、このアルバムがもっと好きになりました。Louの目が澄んでいるのは全てのものの奥にある、たとえば本質や哀しみ、無常までも観るためだったように感じます。光も影も全部つかみたい子ども のように。本当にきれいな目。山形の中学生の皆さんに、山口さんのこれまで観てきたものが伝わるといいですね。音楽には言葉を超えて心にダイレクトに伝わる力がある、あらためてそんなことを感じられた番組でした。ありがとう!
「限定復活 地獄アワー」4日間ありがとう御座いました。沢山のレコードを引っ張り出して写真を撮ったり大変でしたね。でもルーの世界に浸ってタイムマシーンで旅している洋さんから、たくさんのお裾分け嬉しいです。いつか本物のラジオまた始めて下さい。
音楽を聴きながらコニー・アイランドの写真に胸が熱くなりました。素敵な写真ですね。
音楽も写真も言葉にも出会いがあって人生を変えてしまうことがあるんですね。山形の報告待ってます。
6月ってつい最近まで活動してたんですね。
詩の朗読のような歌い方・・・も良い感じだと思いました。
この4日間とても楽しかったです。
半年に一度くらいこの企画やってください!
有難うございました。
番組、ありがとうございました。受け継がれてゆくものを感じて、always a tower of strength とポートレイトでもらい泣きです。このタイミングで「”MY LIFE IS MY MESSAGE”/山口洋」と山形の中学生・皆さんは巡り合うんですね。
ギンギラギン!
11月2日は、楽しかったです。
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