月別アーカイブ: 3月 2016

VINCENT GUITAR

3月31日 木曜日 晴れ ミレニアムという言葉がさかんに使われていた頃だったと思う。 記憶が正しければ、浜松のお寺でのライヴに彼は現れた。聞けば、ヤイリ・ギターの職人で、僕のブズーキを作らせてくれ、と。当時、日本でその楽器を使っている者はほぼ居なかったし、僕のブズーキも師匠ドーナル・ラニーの紹介で、アイルランドで購入し、持ち帰ったものだった。彼は痩身で無口なのに、意志だけはやたら強かった。九州人にありがちな無駄に頑固なキャラクターにも好感を持った。僕は酔っ払って、たしか彼に演奏を強要したけど、楽器はあまり上手くなかった。どうでもいいか。笑。 彼は長崎で生まれ育ち、音楽に興味を持ってから、僕がやっていたラジオ番組(超深夜だったのだが)を電波が届くところまで出かけて行って聴いていたらしい。昔からやたら意志だけは強い。笑。 話はブズーキに戻る。日本に持ち帰った僕のブズーキを参考にして、日本で初めてのブズーキがヤイリ・ギターで作られた。何度も改良を重ね、メイド・バイ・ヤイリのブズーキは今やドーナル・ラニーとアンディー・アーヴァインという2人の巨匠が使っている。よく考えたらすごい話でしょ?彼の情熱、それを許した先代の社長矢入さん、そして職人たちのスピリット。情熱は円環を描くんだよ。いつか、伝わるんだ。愛と感謝を忘れなければね。てか、それが分からない奴のギターは嫌いだ。聴けば分かるよ。 僕がライヴで使っているギターは2002年に彼が相談に乗ってくれて創られたものだ。今まで何度も書いてきたけれど、ヤイリは永久保証だからね。これだけ過酷に使ってきたけれど(世界で一番過酷な使われ方をしたヤイリ・ギターかも)、ネックが反ったことなんて、一度もない。何よりも、何度も工場に行かせてもらって、あの職人さんたちの仕事を弾かせてもらってるって想いがある。誰よりも独創的な音を、世界レベルで出したいと思ってる。昔も今も、これからも。 その男、小川浩司。独立しました。ブランドの名前はVINCENT。第1号のカスタム・ギターが僕のために創られました。たぶん、生涯最後のメイン・ギターになる気がします。イノセントで真っ白なギター。生娘。こんな極悪な男に抱かれて可愛そう。笑。名前をつけたけど、それは秘密。 独立したと云っても、ヤイリとのリレーションはしっかり残っています。そして、ロゴと明日開通するウェブ・サイトが少しダサい(ごめん)。デザイナー紹介しようか、と言いかけて、言葉を飲みこみました。だって、この方が小川くんらしいからね。 小川くん、独立おめでとう!これからも極悪なオレのギターをよろしくたのんます。君が居てくれて、オレが居るんだよ。恋人か!いつも、ありがとう。 ウェブサイトは4月1日、オープンです。じゃ、オレの新しいギター。VINCENT。キャプションなしで見てね。4/4のライヴから使うぜ。聞きにきてね。      

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Crazy days

3月30日 水曜日 曇り クレイジーな日々 still goes on。引っ越しと音楽は北極と南極みたいなもんだよ。でも、どうせなら精神的に引き裂かれそうなこの状況を、タフになる機会だと捉えてみることにした。そう考えると、俄然燃えてきたね。 しかし、手帳には早朝から「歯医者」と書いてある。余裕がなくなると、その手の用事からすっぽかす癖があるオレは、過去に2回ほどやらかして、担当の美しいKさんにお菓子の詰め合わせを贈って、びみょーに下心と誤解されたことがある。 話を戻す。診療台に乗ってすぐ、 「今日は抜歯ですねー」。 「えーーーーーーーーーーっ !!!!!!!」。「こ、こ、この前抜いたじゃないですかーーー(絶叫ぎみ)」。 はい。お気づきだと思います。抜糸の聞き間違いです(発音同じ)。びびりました。一瞬、歯医者どのに延髄斬りをお見舞いして、逃亡することを考えました。 さて、帰りしな。今日も役所へ。煩雑な諸手続きの続き。わたくし。発見したのですね、引っ越してきた人は大きめの役所に行きがち。それゆえこの時期、激烈に混んでるのです。小さな出張所の方が圧倒的に速い。それぞれの出張所でできることを調べ上げ、ルートを考え三カ所廻って、完了!。ヴェスパのナンバーもゲットしたよ!あがるー!にしても、役所勤務のあなた方。大半の人々の誠意ある仕事っぷりに頭下がります。ありがとう! それから荷造りに復帰。スーパー迅速に、でも手だけは二度と怪我しないように細心の注意を払って。段ボールを触ってるだけで、ギターを弾く感触を失うからね。手袋は3種類使います。特に素晴らしいのはチャボさんのギター・テック、我らがマサミさんがプレゼントしてくれた革の手袋。柔らかくて、感触と守られ感がベリーナイス。これがなきゃ、もうギターも運びたくない。どこで買えるのか、聞いてみよう。 今日は何とか走る時間はキープできそう。そして、無茶苦茶にお腹すいた。最近喰ってるものは殆ど餌。スーパーに行ったら、GRAPEVINEが流れていて、感激。疲れきってたんだけど、田中くんの声にとっても癒された。音楽ってすごいなぁ。会ったら、お礼云わなきゃ。ありがとう !!!!! 現実と空想を繋いでくれる素晴らしい音楽だったよ。 さ、これから走って、新しい家に今日の荷物を運んで、夜は作曲です。全力中年、ぜんぜんロックぽくないけど、これが私のロックンロールでございます。    

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ポレポレ方式復興応援ライヴ全国大会 in SOMA CITY

3月29日 火曜日 晴れ はてさて。5月14日に「ポレポレ方式復興応援ライヴ全国大会 in SOMA CITY」が催されます。福島の人たちが「自主的」に企画したってところが素晴らしいのです。僕は音楽寅さんとして、全国の想いを繋いだだけです。なので、今日は多くを語らず、MY LIFE IS MY MESSAGEチーム、福島のスタッフが作ったフライヤーをご覧ください。こちらのサイトにも詳細が載っています。入場無料です。是非、全国の志ある人たちと交流してください。オレすか?もちろん500円払って歌いますよ。笑。        

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吐きそうで泣きそうな日々

3月28日 月曜日 晴れ   吐きそうで泣きそうな日々 goes on。働けど、走り回れど、引っ越しにまつわることは延々終わらず、発狂寸前。役所は引っ越しシーズンで、50人以上のウェイティング。3時間待ち。涙目で今日の手続きは諦める。クリエイティヴなことが何もできない。痺れる。  徹頭徹尾モノを捨てる。過去のものは全部捨てる。未来しか考えないことにする。記憶にないものは、ないことにする。シンプルに生まれ変わる。それが今のオレのモチベーション。

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意を決して

3月27日 日曜日 晴れ   わずかな覚悟は必要だった。意を決して、今日から引っ越しを開始。2つの家をダブってひと月以上借りてある。つまり、そうしないと貫徹できないくらいの苦行だと踏んだ。実際、その通りだと思う。おえっ。早くも吐きそう。  引っ越しは自身のプライオリティーが良く分かる。最初に運ぶものはいつも楽器。こればかりは業者に任せられないので、働きアリのように何度も何度も何度も何度も何度も往復して運ぶ。それから録音系の機材を何度も何度も何度も何度も何度も往復して一人で運ぶ。そうやって空いたスペースに不要なものと必要なものを瞬時に判断して分類し、荷造り。はっきり云って「断捨離」なんかじゃなく、「産廃」に等しいのですよ、オレの場合。時間があれば、使えるものは山ほどあるから、誰かにもらってもらいたい。でも、そんなことをしている暇がない。  サンデーお父さんドライバーとのテンションの違いはいかんともし難く、往復しつつ、日没までにやれることをやる。今、クリエイティビティーに満ち満ちているから、ほんとうに悔しい。何度も書くけど、僕は同時に2つのことができないから。引っ越ししながら、音楽のことは考えられない。  急ぎすぎて、さっそく、スティールの巻き尺を指を切る。流血、そして割と傷は深い。ふかーいため息。はぁ。もう嫌っ。秘書が欲しい。  愚痴ってすまん。でも何とか、これを何かのいい機会にしようとフントー中。

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脱力系師匠現わる

3月26日 土曜日 晴れ 昨日、サーフィンのことを書いたら、今日、脱力系サーフィン界の巨匠が突然現れ、迷える羊を導いてくれることになった。自分の住んでいる街ではおそらくやらず、飛行機で遠く離れたとある場所までわざわざ出かけていってやることになるらしい。オレは何でも過度に頑張りすぎるので、師匠は頑張らないサーフィンってのを教える、と。オレのスノーボードのようにガツガツいかないサーフィンのやり方があるらしい。 てな訳で、齢52にして人生の波にも乗っていないオレがサーファーになることが決定。師匠、よろしくお願いします。中元、お歳暮は欠かさず送らせて頂きます。

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降りつもる雪と春の恵み

3月25日 金曜日 曇り 山では雪が降り続いているらしい。そんなことを云われても、もう身体が感触を忘れちゃったよ。山、雪、ねぇ。ふぅ。あそこに居るときはほんとうにこころの平穏を感じる。でもアニキに云わせると、雪山よりサーフィンの方が、もっとネイチャーの偉大さを感じるってさ。ふぅ。昨夜も周囲に思いっきり誘われたっけ。僕がサーフィンをやらないは、やればのめり込むのが最初から分かってるからで、目の前に海があるから、なんだよね。これ以上忙しくなってどうする、みたいな。でも、やってしまいそうな自分も居て、めずらしくグラグラに揺れてます。 渥美半島から今年も旬のあさりが送られてきた。もう、何というか、春と海の恵みなんだよね。ありがとう。言葉を失くすよ。あと何回、これ頂けるんだか。 まっすぐに生き続けるしかないと分かってはいても、春は妙にもの哀しい。できることなら桜はあまり見ずにやり過ごしたい。 音楽の力はすごいね。口の中にぽっかり空いた傷口にShawn Colvinの歌が染みマックス。Crazy ? ほんとだよ。抜歯の後、細胞が再生していくのが分かるんすよ。生きてるってことはすごいよ、いろんな意味で。      

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リクエスト

3月24日 木曜日 曇り   僕のソロツアーへの曲のリクエストの件す。マストって訳じゃまったくないんだけれど、その曲が聴きたい理由っつーか、エピソードっつーか、背景というか。そのあたりを書き添えてくれた方が、歌う方にもモチベーションが生まれると思いマックス。

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ありがとう!

3月23日 水曜日 曇り   たくさんの反応をありがとう。ミュージシャンやってて良かったです。受け取ってくれた人、それぞれの20年、嬉しかったし、励みになりました。次の航海のためのエネルギーをもらった感じです。もうすぐ出航します。風を受けて。  歯を抜かれました。抜かれるとき、ミシミシと頭蓋に響いた音が何ともいえず耳に残っています。ルー・リードのメタル・マシーン・ミュージックみたいな音。診察台から降りたとき、背中はぐっしょり汗で濡れておりました。痛くはなかったけど、ちょー怖かったです。「歯、持って帰りますか?」、持って帰らないけど、酷使された奇妙な物体Xに変な愛おしさを覚えました。お前、ありがと、ほんとにおつかれ、みたいな。もう生えてこないしね。  運動も飲酒も今日はできません。ま、ちょっとは飲むと思うけど。そんな訳で、みんなへの感謝とともに、妙なテンションのまま、曲を書いています。さいごに、ひとことだけ。  ありがとう! ————————- 「オリオンへの道」はいつでも聴いてもらえるようにsoundcloudに置いておきます。

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オリオンへの道、その20年

3月22日 火曜日 晴れ 勢いでベスパを買って、アゲアゲのヒロシです。ほんとうに、動くのか、届くのか、ドキドキ。 閑話休題。 引っ越し前の仕事場で、できるだけ作業しておこう(新しい場所で音に慣れるのには時間がかかる)とミキシングしたものを更にブラッシュアップしています。何の音源って、昨年の12/26のHWのライヴです。なかなかバンドを体感することができない全国の人々に届けたいんすよ。このバンドの素晴らしさを。 ライヴなんでヘクってるところなんて多々ある訳ですが、バンドとして起承転結の「結」、良い意味で最後のチャプターに入ったのが音を聴いていて分かります。僕はずっとこのバンドを客観的にミキシングしてきたので。誰かが亡くなったら、美しく散る予定です。もう誰が欠けても無理です。この音は出ない。 このライヴ、フェーダー(音量の調節をするもの)を動かす必要がないのです。つまり全員が全員の音を感じながら、ダイナミクスを自在にコントロールしてるのです。信頼とリスペクト。その領域に達しています。そして、いつもクドい。プログレみたいに長い。シンプルな構成なのに。今回はそういうことを「そのまま」にしておこうと思うのです。作品として昇華させるのではなく、全国の人々に生のバンドを体感してもらえるように。 その中に、割としっかり構成が決まっている「オリオンへの道」があります。1995年のアルバム「1995」に入っています。ファンに愛されているのを知っていますが、バンドで演奏したのは「1995」ツアー以来、実に20年振りです。 この曲は佐野元春さんのプロデュースで録音されました。愛と情熱のこもった素晴らしいトラックだと、今でも思います。が、しかし、バンドはHWの名を語っていながら、実状はズタズタ。渡辺圭一は脱退、アルバムをリリースした後、レコード会社からは戦力外通告。その後、僕は音楽事務所も辞め、何もないただの人になってみたのです。こみ上げてくるものがなければ、この国を出て、違う人生を歩もう、と。 でも、即座にこみ上げてくるものがあって、いくつかの曲を書き上げ(その中にはTOKYO CITY HIERARCHYとかBOHEMIAN BLUEとかハピネスなんかがありました)、あっと云う間に新しいレコード会社と契約し、ミュージシャンに復帰したのです。 「オリオンへの道」をバンドで演奏する(しかも、それを渡辺圭一と)のには20年の時間が必要でした。でも、あの瞬間、中空に浮かんでいた風景を僕は一生忘れないと思うのです。ひとことで云えば、続けてきたことへのギフト、かな。笑。 せっかくだから、今日はそれをみんなとシェアしたいんす。今日、仕事場で聴いていて、独り占めしたらいかん、と。もうひとりの僕が云いました。是非、聴いてください。みんなもしんどいことたくさんあると思うけど、続けるといいこともあるよ。エンジョイ!   HEATWAVE / オリオンへの道 / LIVE AT DUO MUSIC EXCHANGE / 26th DEC 2015    

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