月別アーカイブ: 5月 2016

修復

5月31日 火曜日 晴れ 山の家を建てたとき、木材を提供してくれた、地元で林業を営む通称ゴン、彼と4トントラックに乗って山へ。ふたりで無茶苦茶になった家の中をあらかた片付ける。なにせ、家の中、靴をはかずに歩けない状態だったから。今回はここまで、やりすぎるとダメージ大きいからね。家をシートで覆うのは業者にお願いすることにした。オレも大人になったなぁ。がんばって屋根に登って怪我してる場合じゃない。オレ、音楽で人を幸福にするのが仕事だから。プロに任せた方がいい。 法事から始まって、何だかものすごい日々だったけど、たくさんの愛に救われて、勝手に実家の人々に助けられたよ。今日もお弁当持たせてくれてね。美味しいもの、たくさん作ってくれてね。赤ちゃんが知らないこと、たくさん教えてくれてね。その分、オレは誰かを幸福にしなきゃね。 空港です。帰ります! blog上ラジオ、今月は休みます。ごめん。負荷、かかりすぎたときは無理しないことを学習中。

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全壊or半壊? そして命の輝き

5月30日 月曜日 晴れ 意を決して、被災した家の修復にとりかかる。とはいえ、素人のオレは何もできないので、建築士、設計士、大工の棟梁にいかほどのダメージなのか、診てもらった上でプランを考えることにする。 凝った建具は充分すぎるほどぶっ飛んでいて、ブルーシートで家全体を覆わなければ、この梅雨で家としての生命は終わるだろうし、それよりも問題なのは家が傾いてること。膨大な金額がかかるであろうことは容易に想像がつく。何故か、オレには微妙な平衡感覚が備わってる。この家は傾いてる。かなり致命的に。なので、診てもらう。プロの診断では20cm傾いてた。それは限りなく全壊に近い半壊なんだそうで。罹災証明をもらえば、修復にかなりのサポートもあるから、今すぐ役所に行きなさい、と。で、行ってはみたけれど、常時住んでいなければ1円のサポートも得られない、と。払ってる税金は同じなんだから、フェアじゃないよな、と思ったけれど、疲弊しきった役所の窓口の人物を責める気にはなれなかった。 オレは何のために限りなく全壊に近い半壊の家を修復しようとしているのか。昨日、お世話になっている「勝手に実家」の息子がこう云ったんだわ。「オレ、阿蘇の家に行ったことがない」。それが決め手。彼は未来ある素晴らしい陶工。オレたちのジェネレーションはあの家で、充分にいい時間を過ごしたけれど、彼らには何の恩恵もなかった。きっと彼らが愉しそうに過ごしてる姿を見た瞬間に、報われるんだね。そりゃ、実費で修復するのは充分に痛いけど、壊すよりはこっちの道の方だっていつもの直感がそう云ったよ。 なーんてことを考えながら、勝手に実家に帰還したら、家の娘が生まれたばかりの赤ちゃんとサプライズで帰還してた。腰が抜けたよ。オレ、恥ずかしながら、赤ちゃんと向き合ったことがないのよ。命の輝きに何というか、言葉が見つからなかった。ギフト、だね。うん。決断は間違ってないさ。 ついしん こ、今月はblog上地獄ラジオお休みします。めんご。    

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熊本県熊本市にて

5月28日 土曜日 雨 頭で考えるなら、福島や神戸、いや全国からの愛を熊本で還流させる、このミッションはひときわ難儀なものだった。加えて自分の被災ってことを考えるなら、余計話はややこしくなる。オレごときがそんな大した人間である訳もなく。だから、数日激しい酒量と共に考えた末、シンプルにいくことにした。単純に、音楽の中にすべてを込める。歓びも哀しみも空しさもアホなエネルギーも。ただ、それだけ。 申し訳ないけれど、抽選で選ばれた熊本の人々。あの神戸のスタジアムで歌ったときの感覚が蘇ってきた。あのとき、どえりゃー緊張したけど、自然に熊本の風景や友人たちの顔が脳裏に浮かんできたら、エネルギーがすっと抜けていった感覚。あとは何も考えず、無駄に背負っていただけかもしれない想いを還流させるだけだった。だって、目の前にその人たちが居るんだからね。 お店も被災からのスタートだった。スピーカーは落ち、ほぼすべての行事はキャンセル。足を運んでくれた人たちはたくさんのフードや飲み物を注文してくれた。2012年に福島にエネルギーを送ってくれた中学生は役場に就職し、初仕事が震災というとんでもない仕事デビューだった。でも、彼らの後輩に確かにスピリットは受け継がれていた。会場にあれだけの中学生が居ることも、あまりない。来てくれて、ありがとね。きれいな目で見つめられると、こっちはどうしていいもんだか。笑。 とにもかくにも。ミッションはバンド4分の3とともに遂行しました。たくさんの声援をありがとう。ステージでも話したけど、われわれ一回こっきりで止めるような輩ではありません。次は8/21にMY LIFE IS MY MESSAGEの屋台骨を支えてくれるあの方と戻ってきます。それまで、みんな元気でね。オレも自分の家の片付けを始めてみるよ。 こころから、ありがとう! 全撮影、三浦麻旅子さん。キャプションなしでどうぞ!

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ドラマみたいな日々

5月27日 金曜日 曇り   誰かが僕の毎日を「ドラマみたいな日々だね」と云った。ここに書かないことも、書けないことも含め、確かに激烈すぎて、笑うしかないというか。こころの何処かで「この人またとんでもない経験してるわ」と苦笑してる自分が居たりもしてね。経験が人を創る。嗚呼。  結局のところ、目の前のことに全力で取り組む以外、できることなんてない。でも、ほんとうは海を見ながらビール飲んで寝ていたいさ。さぁ、明日はミュージシャンに戻るぞ。全国の気持ちを熊本に届ける大事なミッション。気負わずにやるよ。そんな意味では自分の被災ってのはすこし気負いを軽くしてくれた気がするよ。

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I AM 被災者

5月26日 木曜日 晴れ 法事の翌日。九州山中にある通称「勝手に実家」に滞在してた。その家にあるジャガーを借りるか、夢の軽トラックを借りるか。でも家の主もオレもジャガーだな、と思った。結果的にその判断は間違っていなかった。 ハートランド阿蘇に帰る。熊本ばかりがクローズアップされているけれど、大分も相当ヒドい。ここからハートランドに帰るいつもの道は、数年は通行できないと云われている。いろんな経験をしてきたし、そう簡単にショックを受けたりもしない。けれど、住んではいないとはいえ、写真をあらかじめ見ていたとはいえ、愛着のあるものがすっかり傷ついているのを見るのは辛かった。 片付ける気がしなかった。そういう気持ちが折れるくらいにはヒドかった。オレひとりでどうにかなるレベルじゃない。家のおかみさんが弁当を持たせてくれた。春の風に吹かれながら、それを頂いた。染みたよ。 役所に行った。ほんとうにね、何というか、役所の人々も傷ついていた。激務だったんだと思うよ。僕のことはゆっくりでいいので、お願いします。身体に気をつけてくださいね。そう伝えた。身を粉にして人々のために働いていたよ。尊い眺めだった。 繰り返すけど、ジャガーで行ったのは正解だった。片付けに手を付けたなら、どういう気持ちで5/28のステージに立っていいのか、分からなくなりそうだった。一旦帰って、トラックで仲間と出直そう。勝手に実家に帰って、家の者たちと街で浴びるように飲んで、気持ちを洗い流した。「えー、ちょっと変わった立場だけど、オレも被災者です。ゴキゲンな音楽ぶちかますぜー」って立場で行くことにしたよ。そして、あの家、どういう道のりになるか不明だけど、修復の方法を探ってみることにする。あのまま捨てたらあんまりだと思う。 てな訳で、僕は大丈夫なので、ご心配なく。傷ついた家をお見せするような悪趣味なことはしません。ピアノや冷蔵庫が吹っ飛んでいたからして、どれほどの衝撃だったんだよって、感じす。家の中はこんな感じだったので、あとは想像にお任せします。じゃ、熊本のみんな待ってろよ!オレは一瞬福岡に戻る。

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Blood brothers

5月25日 水曜日 晴れ   絶滅危惧種、山口家唯一の生き残りであるわたくし、故郷である福岡に帰り、法要を執りしきります。こう書けば、格好いいのだけれど、母の13回忌はファンの方が教えてくれなかったら、完全に失念の彼方にあったことだし、父の33回忌と祖母の17回忌は今日、同席してくれた叔母が「ヒロシちゃん、2014年にそうだったのよ」と教えてくれたことなのです。どうなのよ、オレ。でもまぁ、周囲に支えられて、何とかやれて良かったっす。  84歳の叔母(父の姉)とたくさん話せたのはプレシャスな時間でした。何だかね、顔も似てるし、確実に同じ血が流れてるのを感じます。いいもんですね。叔母は叔父と結婚して50年超、ただの一度も喧嘩したことがないそうです。す、すごいなぁ。家庭というものは修羅場だと思って育ったオレからすると信じ難い。こちとら家族で食卓を囲んだ記憶すらないのに。でもまぁ、それが僕をこういう生業に突き動かした訳で、こうやって叔母と話すことで空白の時間が埋まっていくのは、過去というモノクロームのキャンバスに色を塗っているような感覚でした。悪くなかった。

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ビキ子とベス美

5月24日 火曜日 晴れ 大嫌いなGoogleが「あんたのプラウザはもう古いから、これじゃyoutube見れなくなるよ」とか、「Googleマップも見れなくなるよ」なーんて脅迫をするたびに、ぜったいOSのヴァージョンアップなんかしてたまるか、と意地になるわたくすです。ほんとに嫌いだよ。こういうの。デジタルの時代になるといろんなことがあります。大幅なヴァージョンアップを機会にハードの互換性をなくして新しいものを買わなくてはいけなく「する」とかね。その手の会社にはいっさい愛を持って接することを止めるわたくすです。むろん進化とともに仕方がない部分もあるけど、どこを見て、志してやろうとしているのか、ユーザーとして見極めます。あいつらに飼われるのは嫌なのでね。 そんなわたくすを癒してくれるのは乗り物です。乗り物、癒されます、かなり。自分で操舵するのが好きです。 クルマはツアーで酷使するので、癒されるって感じでもないけど、たとえば空港に停めたクルマに乗った瞬間、はぁ、オレの空間だと思います。人生にもっと時間があれば、古い356とか、自分でコツコツ修理したいです。休みの日に乗りたいです。無理だね。笑。911にギターが3本乗るなら、それでツアーしたいす。無理だね。載らない。 明日からの九州行きに備えて、近所を走り回るのに、ビキ子とベス美が活躍します。活躍しながら、癒されます。ベス美は60キロくらい出るけど、バラバラになりそうで怖いので、40キロしか出しません。幹線道路はクルマに抜かれるのが怖いので、走りません。それが愉しいっす。何でもマッハでやらなきゃ間に合わない人生で、ベス美に乗ってるときだけゆっくりなのです。癒されます。ビキ子はドロップハンドルなのに、ギアがありません。そのアホさ加減に惚れて買ったはいいものの、ギアがないのはかなり不便。でも、その不便さを愉しんでます。酔って乗ったら血まみれになったので、もうそんなことはしません。とっても危険なビキ子ですが、かわいいです。ビキ子もベス美も過保護なので、ピカピカです。 先日、前のマネージャーがガレージにコブラとハーレーを保管してるのを見て、男として一人前になったなぁ、と妙に嬉しかったのです。ある種の男の子にとって乗り物は大事だからね。 な訳で、明日早朝から九州を走り回っております。5/28の熊本のライヴにたくさんの応募、ありがとう!もうすぐイベンターから連絡あると思います。全国から受けとった気持ち、音楽に乗せて、全力で熊本に届けます。エンジョイ! ↑ これでギアなしってところに痺れたんだけど、やっぱりあった方がいいよ。笑。  

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イカレポンチな日々

5月23日 月曜日 晴れ 昨日は弾丸日帰りで大阪に滞在中の先達に会いに行ったのです。どう考えても、会うにはそのタイミングしかなく。滞在2時間弱。でも、やっぱり行って良かった。曇ったガラスが晴れていくように、こころが洗われたのです。先輩ごいすー。推進力を頂きました。確かに駒は進んだ。あとは若い者(若くないけど)にお任せを。 一瞬だけおふとんの国に帰還したら、これからは九州行きの準備。複数の法事と被災した家のこと、何よりも5/28の熊本のライヴがあるので、ネコの手を貸して頂きたい。全国のネコ諸君、手を貸してくれー。笑。スキーの先生からは、限界を超えると、すぐ倒れるわたくしを気遣って、iPhoneで管理できる体組織計をプレゼントして頂きました。感激。みなさんに気を使わせてすいません。 はい。そんな訳でぜんぜんクリエイティヴな気持ちではございません。そのモードに入れるために、超絶に雑務をこなしております。ネコ、ネコーーーー、たすけておくれよー。  

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茨城県水戸市にて

5月21日 土曜日 曇り このシリーズ、最後の1本。総移動距離2000キロ超、10日で6本のライヴ。何とか乗り切れそうだ。今日は水戸が誇る老舗ジャズバー、Bluemoodsにて。マスターの榎さんはかなりとんでもないドラマーなので、全編一緒に演奏することにした。音楽は不思議なもので、分かると途端につまらなくなったりもする。ファーストタッチに勝るものはない。ものすごい技量は必要なのだけれど、彼はそれができる。 榎さんとは数曲合わせて、あとは本番で自由にやることに決めた。ツアー最終日ってこともあって、主催者が保有するグレッチも弾き倒したし、水戸でしか見れないライヴになったと思うよ。若干、酸欠。ぜんぜんジャズバーじゃないし。笑。生きてるって感じがしたよ。スシ詰めのお客さん、主催者諸君、何よりも榎さん、こころからありがとう! 来てくれたオーディエンスから5/28の熊本のライヴのために、¥31,189を、Bluemoodsのお客さんから¥17,000を託されました。僕が責任持って、フリーライヴの運営のために使わせてもらいます。また、オーディエンスからはMY LIFE IS MY MESSAGEに¥19,141の寄付を頂きました。こちらはプロジェクトに送金しました。ほんとうにありがとう!ぶっ飛ばして、10日振りに家に帰って、今から大阪に行くっていう相変わらずのマッドな日々なんだけど、熊本からこんなメールが来てたよ。 ————– 今日は運動会。 今、中学校のグラウンドに満月の夕が響いています。 震災から1ヶ月。 みんな、頑張ってます。 ————- みんなの気持ち、届けてきます。

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福島県いわき市にて

5月20日 金曜日 曇り まずはお詫び。写真を撮り忘れた。ごめんね。 目覚めて、いわきの街を走った。春の花たちが風に揺られていて、いろんな想いが頭を巡った。あの頃は外に出ることさえはばかられていたからね。確かな再生の風。 オープニングで歌ってくれたCHANOさんとアベくん。二人とも福島に住んで音楽活動を続けてる。二人が描く風景をこの土地で体験することの意味。CHANOさんは僕がデビューした年に生まれた。そして持っているタッチが他の誰とも違う。オリジナルなんだ。だから、アベくんと演奏をアジャストした。彼にはそれができるだけの腕がある。すると結果的に新しい「満月の夕」が生まれた。僕は二人に教えてもらったんだよ。福島の響きをね。誰にも似ていないってことが僕は好きだ。ありがとう。    

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