New Sensations

7月19日 火曜日 雨

うん。

やっぱりこのblogにまつわるやりとりって、有機的に感じるなぁ。読者もそれぞれに大人なんだろうし、なにか規制をしなくても自浄してくれつつ、ピンチのときには励ましてくれる。

続けてきてよかったなぁ、と思います。ありがとう。

リクエストの中にY.HAGAさんからルー・リードの「New Sensations」ってのがあってね。リクエストって、僕の書いた曲の話だったんだけど、この曲には特別な思い入れがあって、無視できんなぁ、と。笑。

そんなことに気づかせてくれるのも、有機的なコミュニケーション。

このアルバムが創られる背景に関してはHAGAさんの記述(昨日のdiaryのコメント欄にあります)を参照してくださいまし。僕からは僕にとってのこのアルバムを話をしますね。

 

このアルバムが出たとき(1984年)、僕は大学2年で20歳だったか、と。もう38年も前なのか。遠い目。黄色いフォルクスワーゲン・ビートルの中でバイトに行く途中に毎日(約1年にわたって)このアルバムを聞いてました。

 

こんな感じのダルくてグレてる青年だった。

HWはライヴの前の日にヴォーカルがやめて、僕が歌うことになったんだけど、どうしていいのかぜんぜんわからない。だから、ディランやルーを徹底的に真似することから始めたのです。

そんなとき、このアルバムが出て、なんつーか、その。HAGAさんも描かれてる通り、ルーが迷いを捨てて、シンプルにエレクトリックギターを使ってロックンロールに回帰した、痛快さに打たれたというか。自分がやりたかったことを見事に体現してくれたというか。

HWは自分たち専用の小さなスタジオを借りていたので、365日、好きなときに演奏することができた。あのころ、来る日も来る日も練習してたことが他のバンドとの決定的な「一体感」の違いを生み出したんだと思うんすよ。

自分の曲を創る上でも、このアルバムには多大な影響を受けました。影響ってのはつまりこのアルバムの曲をスタジオで演奏して、血肉にするってことっすね。演奏してるうちに、作者のヴィジョンが乗り移るのですよ。笑。なるー!こんなことが言いたかったのか!みたいな。こんな普遍的なこと、表現できるのか。ロックンロールすげぇ!みたいな。

なので、実は演奏できるんです。自慢にならないけど、こういうの演奏したら日本で右に出る者なし。そりゃスタジオで毎日やってたんだから。でも、日本語の歌詞を載せて伝えよう、とまでは当時思わなかったんすね。だって、自分の曲で表現する方が先だから。

でもHAGAさんが言う通り、ルーが鬼籍に入って、こんな時代で、オレが日本語に意訳して、今歌うことには激しく意味があると思ったのですよ。

こういうインスピレーションを与えてくれることに、むっちゃ感謝してます。

 

YouTube Preview Image

 

 

というわけで、かなり意訳ですが、訳してみました。ええ、もちろん8/2当日カヴァーさせていただきますよ!

 

NEW SENSATIONS / 歌える意訳 by 山口洋

二年前の今日 クリスマスイヴ
塀の向こうにいたけれど
酒やドラッグにハマるほど愚かでもない

誰かに道を決められたくない
諦めないし 離婚もしない
オレはクルマに繋がれた犬じゃないのさ

ニュー・センセーションズ
新しい感覚について話してる

 

不変で普遍の瞑想の原理
ネガティヴな発想の根本の原理
いつも落ち込んでるやつとは縁を切る

何が悪いか指摘すること
一晩中 言って意味があるのかい?
人生はチューイングガムみたいにはうまく膨らまない

ニュー・センセーションズ
新しい感覚について話してる

 

俺はカワサキ・GPZで出かけてゆく
エンジンが足の間で瞬いてる

外気は15度 ひんやりとした風を浴びながら
ペンシルベニア デラウェアへ
ときどき地図を確かめながら
バーガーとコークを道沿いのダイナーで

そこには地元のやつと猟師がいて

結婚したやつがいて 死んだやつがいて

俺はヒルビリー・ソングをジュークボックスで流してみる
やつらはフットボールについて口論していた
俺はGPZにまたがって 山脈へ向かう
なんだったらこのマシンにキスすることも厭わない

ニュー・センセーションズ
新しい感覚について話してる

ニュー・センセーションズ

 

 

8/2のソロライヴへのリクエスト。このblogのコメント欄にどうぞ。ライヴに参加できない方も遠慮なく。
1. 名前(ニックネーム可)、年齢(サバ読み可)、性別、お住まいの地域
2. リクエスト曲(1曲でお願いします)
3. 聞きたい理由(ここでぐっとくると採用率あがります)

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New Sensations への6件のコメント

  1. ReaMo より:

      
     いやあ、ここでまた、名曲、名盤、知り得ることができました。感謝です。

     1 ReaMo 54歳 男性 熊本市
     2 「ナタリー」

     この曲の主人公のナタリーが、本当に世界中を自由に往き来できるような、アヴェニューを作ろう。また、そのアヴェニューを次世代に残していこう。との思いで、「ナタリー」をリクエストします。
     世界はいま、戦争や戦争準備体制のなかにあります。日本も憲法改正や防衛費の増額なんかで戦争準備を始めています。
     しかし、武器には武器なのか? 先の事件のように暴力で訴えることが許されるのか?
     答えはNOです。
     言葉で論じ合い、言葉で妥協点を見出せばいい。戦場ではなく、そういう話し合いの場を設ければいい。

     「ナタリー」が、もし演奏されるなら、ギター1本でどのように変わるのか、
     わたしは、大変申し訳ありません、ライブには行けないのですが、非常にたのしみです。

  2. Y.HAGA より:

    うう、なんかもう泣きそう(涙)。まさかまさか洋さんにここまで強く反応していただけるとは…。こちらこそむっちゃ感謝です。当日、生で聴いたら、もうオレ号泣してしまうかも…。

  3. fujiiku より:

    凄い!NEW SENSATIONS ! HAGAさん/洋さんありがとうございます。皆さまのリクエスト読むたびに期待が膨らみワクワクします! 私と同年齢のご同輩も多いみたいですね!何か嬉しいです。

  4. 風にハモ太郎 より:

    素晴らしいリレーションです!HAGAさんもステージに立って欲しい(笑)洋さん、私のリクエストはAverage Guyですが、ルー繋りでよろしくお願い申し上げました。ジャパンエイドのルー・リードしか観たことがないですが、あれは興奮した思い出が。

  5. タカ より:

    1. タカ 48才 男 渋谷区
    2. オリオンへの道
    3.

    天然というかオッチョコチョイというか…焼酎なんかで割るハイサワーをそのまま飲んで「このお酒、ぜんぜん酔わないわねー」とか、「ほら、好きだと言ってたボブ・リラン(ボブ・ディラン)出てるわよ」と言い間違えしたり…と。声だけは大きな下町のオバちゃんである母がオリオンの輝く日に亡くなって随分経ちます。

    生きてる時はおせっかいだと感じてたことが、大きな励ましだったことに今さら気付く。葬儀屋が「人の記憶は声から曖昧になるから動画や録音したものがあれば大切にして下さい」って。
    ねぇ葬儀屋さん、こうなる前に教えてといてよ…

    でも母の「あなたなら、きっと大丈夫」と言ってくれた声は、おそらくそのまま変わらず脳内再生されていると思う。当時は「きっと」なんて根拠のない「大丈夫」を言われても…と素直に聞き入れなかったけれど、今となっては大きな励みになっています。

    母の励ましが母の口から語られなくなってから、山口さんの歌やブログの言葉に随分と励まされてきました。「知らないことがある限り、可能性は無限大だ」これは手帳に書き写したし「人の落下を止めるのは愛だけ」これは何度も繰り返し心の中で唱えた。他にも数え切れない程あります。言葉の励ましは助けてくれるものですね。最近弱っていたのですが思い返してみてちょっと元気になりました。

    やっぱり「オリオンへの道」が聴きたいです。
    歌い出しが「LOVE」。山口さんのブログやインスタライブや通販のおまけ!などから受ける励ましという深い愛情が優しき音となった時、我々オーディエンスもライブハウスもそして山口さんもが何もかもきっと大丈夫になるんじゃないかと思ったりするのです。

    よろしくお願いします。

  6. KUMIKO より:

    NEW SENSATIONS嬉しいー!
    めちゃ楽しみにしています。

    1. KUMIKO 50代 女性 埼玉県
    2. 夏
    3. 夏の風物詩の一つに蝉の鳴き声があります。
    今年は観測史上初めて6月中に梅雨が明け。
    そして戻り梅雨。夏の風物詩の存在は薄いように感じます。
    この国の8月は特別な月でもありますね。
    沖縄、長崎、広島、終戦記念日、お盆。
    平和の大切さや命の尊さを
    核兵器禁止条約 不参加のこの国に、
    憲法改正の流れに、この夏にいったい何を感じるのでしょう。
    山口さんの美しいギターの音色で夏が聴きたいです。
    よろしくお願い致します。

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