日別アーカイブ: 2013年6月3日

虚空

6月3日 月曜日 晴れ この季節は思い出したくなくても、心に刺さったままの物体が勝手に自己主張を始めたりもする。そういうときは思いきり負荷をかけて20キロくらい走ってくる。その物体は抜けないのだからしゃーないけど、少なくともそいつに操られるのだけはごめんだ。 先日、偉大なソングライターの先達と、歌を書く理由について話していた。「ヒロシは運動してて、まったく根にもたない性格だから、歌書く理由がないんじゃない?」と聞かれたので、「そんなことないんすよ。確かにいやーなことがあっても、一晩寝たら翌日、それが何だったのか思い出せないですけどね。とてつもない物体が刺さったままなんすよ。たぶん、一生抜けないんで、つきあっていくしかないんですけどね。ひとつは抜けたんですけど、その傷ってのがまた一生治らないんですね。つまり、そいつとも一生つき合っていくんだと思ってます」。 ま、そんなことがたくさんあって、僕は歌を書くという立場を与えられたって訳である。云うまでもなく、経験をそのまま書くのではないし、僕には脳味噌があるから、悲しい経験をファンタジーにもその逆にも描くことはできる。そして、悲壮感は何もないし、とってもやりがいを感じてるし、このような人間は一人で生きていくしかないのだけれど、これらのことをもう一回経験しろって云われたなら、「ぜったいに」NO。それだけはもう充分です。 虚空って言葉があってね。昔から「どう死にたいか」ってことを見据えることによって、「どう生きるか」ってことがリアルに見えてくると思ってたけど、最近は自分が「無」になることに、心の希望を持てるかどうかってことだと思ってます。ポジティヴな意味でね。受容するのではなく、虚空に積極的に飛び込んでいく。ほんとうに風のような存在で居たいのです。いや、まじで。

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