虚空

6月3日 月曜日 晴れ

この季節は思い出したくなくても、心に刺さったままの物体が勝手に自己主張を始めたりもする。そういうときは思いきり負荷をかけて20キロくらい走ってくる。その物体は抜けないのだからしゃーないけど、少なくともそいつに操られるのだけはごめんだ。

先日、偉大なソングライターの先達と、歌を書く理由について話していた。「ヒロシは運動してて、まったく根にもたない性格だから、歌書く理由がないんじゃない?」と聞かれたので、「そんなことないんすよ。確かにいやーなことがあっても、一晩寝たら翌日、それが何だったのか思い出せないですけどね。とてつもない物体が刺さったままなんすよ。たぶん、一生抜けないんで、つきあっていくしかないんですけどね。ひとつは抜けたんですけど、その傷ってのがまた一生治らないんですね。つまり、そいつとも一生つき合っていくんだと思ってます」。

ま、そんなことがたくさんあって、僕は歌を書くという立場を与えられたって訳である。云うまでもなく、経験をそのまま書くのではないし、僕には脳味噌があるから、悲しい経験をファンタジーにもその逆にも描くことはできる。そして、悲壮感は何もないし、とってもやりがいを感じてるし、このような人間は一人で生きていくしかないのだけれど、これらのことをもう一回経験しろって云われたなら、「ぜったいに」NO。それだけはもう充分です。

虚空って言葉があってね。昔から「どう死にたいか」ってことを見据えることによって、「どう生きるか」ってことがリアルに見えてくると思ってたけど、最近は自分が「無」になることに、心の希望を持てるかどうかってことだと思ってます。ポジティヴな意味でね。受容するのではなく、虚空に積極的に飛び込んでいく。ほんとうに風のような存在で居たいのです。いや、まじで。

帰ってきたら、まずはギターを整備する。

帰ってきたら、まずはギターを整備する。

オレにスキーを教えてくれた先生が信州からアスパラを送ってくれた。

オレにスキーを教えてくれた先生が信州からアスパラを送ってくれた。うまそーー。

ん?師匠にお中元を送らなきゃいけないのは弟子の方じゃねーか?

ん?師匠にお中元を送らなきゃいけないのは弟子の方じゃねーか?

祝島のひじきも。わーい。

祝島のひじきも。わーい。

だいぶ、オレのモノになってきたぜー。

だいぶ、オレのモノになってきたぜー。

カテゴリー: 未分類   パーマリンク

虚空 への10件のコメント

  1. Froggy II より:

    「無」は何も無い=空(ゼロ)って解釈されがちですが、同時に無=無限の可能性です。(ある学者が言ってた)傷が一生治らないかどうかは、自分で決めない限り決定はしないよ。すべては自分が定義して、はじめて確立するものだから。もしね、「一人で生きていくしかない」と本当に思っている人、決めてる人ならば、それを言葉にはしないんじゃないかなーなんて思います。生意気いってごめんなさい。ちょっと前の自分を振り返って、そんな風に感じます。
    元気な魂ほどいろんなことを経験したがる。キレイなことも、汚いことも。ときどき感情が置いてけぼりにされて、とても辛くなるときがあるけれど、私いつかあの世に行ったときの土産として魂に沢山の経験をさせときたい。堂々と報告できるようにね!それ、人間の仕事だと思ってるから(笑)。とくに悲しいわけじゃないのだろうけれど、山口さん がんばれー。

  2. うっちゃん より:

    私は、6年前ぐらいが最悪だった。大病、別離、転職…
    不条理に振り回され、誤解され揶揄されボロボロだった。
    酷い季節を乗り越えて来たのは、そこで終れなかったからじゃなかったのかい。
    そうやって、感情を殺して来たのは何故だい。
    どうすることも出来ない相手を殺さないためじゃなかったのかい。
    本当にいいものは、たとえ欠片になってもいいはずだ。
    同情からは何も生まれない。

  3. 愛ぴょん より:

    お師匠さんからいただいた、アスパラを食べて、元気になってください。
    祝島のひじきの袋にも、うふ、ハートがついていますよ♡

    ガシガシ走って、丈夫な体を持ち、どうか心も丈夫でありますように☆

  4. 愛ぴょん より:

    うっちゃん

    欠片になっても残っている、本当にいいものを大切にして、いまの自分に「ありがとう」ですね。

    • うっちゃん より:

      愛ぴょん、毎度ありがとうね。
      ついついコメントが、ドキュメントっぽく文学っぽくなるのは我ながらダメですよね…
      だって、内省的なブログ読むとほっとけないのよ…
      あまり、小難しい表現は控えますので…笑。

  5. 野崎洋子 より:

    洋ー おいらも走っているよ。今日はなんと7kmも走っただに。でも、そう心の傷はまんまだったりする… が、とりあえず今日もいい一日だった、と思ったりもする。

    おいらも頑張る。まだリハビリ中(しつこい)

  6. りん より:

    初めてコメントさせて頂きます。
    私は”人間はどんな状況にあっても死ぬ瞬間まで成長する”と教えられました。
    そして「四苦八苦」という言葉が大好きです。意味を改めて辞書で引くと面白いです。人間には色々な苦しみがあって、生きてるだけで苦しみなんですね。だから楽しく過ごそうと努力したり、ご褒美みたいに時々楽しい事がやってくる。

    魂という物が存在するのか私には分からないけれど、死んで体が灰になって物質的には完全な無にななっても…悲しい感じは全然しません。
    むしろ死は苦しみからの解放だと思っています。

    ただこの世に自分を覚えていてくれる人が1人でもいたら、その人の中に存在は続くのかもしれません。そして悲しみもその人のもの。

    虚空…に飛び込んで風になって下さい!
    草木を揺らして、波を立てて、雲が流れて、頬に髪が靡くように。
    山口さんにはそんな音楽で楽しみをみんなに分けてあげられるんです。

  7. ボブ・マリ より:

    アスパラ,おいしそうですね。
    アスパラごはんにしてもおいしいですよ。
    塩少々と酒をくわえて米をたき,火を止めたらアスパラをいれて再びふたをして蒸らします。

  8. 愛ぴょん より:

    うっちゃん、そのままでいいんすよ。
    私はアホアホな表現しかできないので、羨ましいんだワン。
    うっちゃんのほっとけない所、いいなぁと思うのよ☆

  9. kumiko より:

    洋さんの文章はいつも私の魂に響きます。
    心に刺さった物体と上手に向き合い自分の糧になれば良いですね。私は客席から洋さんに愛とパワーを送り続くます♪

コメントをどうぞ

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

*

次のHTML タグと属性が使えます: <a href="" title=""> <abbr title=""> <acronym title=""> <b> <blockquote cite=""> <cite> <code> <del datetime=""> <em> <i> <q cite=""> <strike> <strong>