月別アーカイブ: 11月 2013

リハーサル

11月7日 木曜日 雨 11/11に行われるHW SESSIONS #5のための一日限りのリハーサルを某スタジオにて。 前回から少し時間があいたので、もう一度短めに説明をしておきます。「HW SESSIONS」。基本的に実験の場です。ほぼ新曲しか演奏しません。そして、演奏はマルチトラックで録音されています。その日の演奏がベーシックなものになってアルバムに昇華することもあり得ます。その特殊性ゆえ、大声で「是非、来てね」とは云いませんでしたが、是非きてください。きっと、今までになかった音楽の愉しみ方があると思います。つって、バンドは今日しかあり得ない演奏をしていました。リハーサル終了後、魚さんと「今日、録っておけばよかった」と話したのですが。時既に遅し。生きている音楽とは、バンドとはそのようなものです。 11/11はそのような空間になると思います。

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続・ラジオ

11月6日 水曜日 晴れ たくさんのコメントをありがとう。なーんだ、みんなラジオ、好きなんじゃん。普段、余計なストレスをかけたくなくて、コメントにコメントはしないのですが、架空番組のテーマを決めるときは少しだけ反応してみようかな。 —–「想像ラジオ」—– 先日、矢井田さんに誘われて出演したラジオ番組(本がテーマの番組でもあったのですよ)でも話したけれど、今、いとうせいこうさんの「想像ラジオ」を読んでいます。僕は文章を読むのがむちゃくちゃ速いのです。でも、この本は(そんなに厚い本じゃないのに)北海道ツアーに出る頃から、ゆっくりゆっくりと読んでいます。未だに真ん中を過ぎたあたり。 偉そうなことを書きたくないけど、震災以降の作家の表現にはがっかりさせられることが多かったのです。(あくまでも僕にとっては)フィジカルなところから発せられるメンタルの表現ではなかった。机上の発想が多かったと云うか。 そんな意味で、いとうさんの表現は(僕にとって)心が震えるものでした。あまりにもネガティヴなことを、ニンゲンの脳を通して転化する方法。そこにほんものの希望を見るのです。これこそが表現者がやるべきことだ、と励まされています。 —–「ジャズ、クラシック特集」—– いいねぇ。実は家ではジャズばっかり聴いてます。でもそんなに詳しくないのです。だからこそ、いいのかもね。同じように、クラシックは音楽好きだった父親の影響で小さな頃から聴いていました。ぜんぜん詳しくないですけど。マーラーの「大地の歌」、ガーシュイン、バッハの「無伴奏チェロ組曲」とか。   —–「パブロック特集」—– パブロックのギタリストたちは僕のギターに「ガッツ」を与えてくれました。ミック・グリーン、ウイルコ・ジョンソン、ジッピー・メイヨー、エトセトラ、エトセトラ。 ここに1990年あたりの僕らの演奏があるのですが、あの頃は一年300日くらい一緒に練習しているので、鉄壁なのですね。何をやっても。年齢にして25歳くらいなんでしょうが、圧倒的に熱があるっちゅーか。暑苦しい(ううっ)のは昔からっちゅーか。まぁ、何にせよ、1983年から1990年にかけては、ほんとうに毎日演奏してたのです。演奏してたのはパブロックだけじゃないですけどね。でも、それが僕らを鍛えてくれた – 音にガッツを付け加えてくれたのだけは間違いないですね。 じゃ、聴いてちょ。 Night_time —–「IRISH」—– 「ケルトと癒し」みたいな世界はどーにも馴染めず、何だかフツフツとしていた時期がありまして、実は1998年に、ケルト・ブームのどさくさにまぎれて、音楽評論家のポール・フィッシャー(現在はロンドン在住)とむちゃくちゃな数のCDを聴いて、尖ってやさくれた連中だけを集め「CELTIC COUNTDOWN」と題したコンピレーション盤をビクターから出しています。今、考えると、ビクターもよくもまぁ、こんなぜんぜん癒せないアルバムを出させてくれたなぁ、と。そんな特集、いいかもね。今、思い出したけどタイトルを「CELTIC ASS HOLES」でどうですかねー、と云ったら、ビクターのディレクター氏が「そ、それだけは勘弁してください」って云ってたの、思い出した。笑。そりゃ、そうだ。 —–「Van the Man」—– ヴァンですか。来ましたか。たぶんルーのときよりクドくなりそうなので、今じゃなくてもいいんじゃないでしょうか? ヴァンとのこと。公式の場所でわたくすはこのように記しております。 彼に「IN THE DAYS BEFORE ROCK’N ROLL」と云う曲があるのですね。ロックンロールが生まれる前に、彼はベルファストでテレフンケンのラジオに耳を澄まして、ルクセンブルグとかブタペストのラジオを聴いておった、と。素晴らしい曲です。今日は「ラジオ」ってことでこの曲を紹介しようかな。 僕はこの曲を録音し、ミキシングしたミック・グロソップと仕事をしました。彼にこの曲のことを尋ねたなら「あの曲はね、全部ヴァンが歌ってるとみんな勘違いしてるけど、詩をリーディングしてるのはPaul Durcanだよ。ヴァンは奇蹟を起こせないときはスタジオに来ないんだ。そして来たときには一切何も説明しない。いきなり歌い始めるんだよ。メンバーも僕もたまったもんじゃない。極度の緊張を強いられる。でも、ほんとうに凄いんだ、彼は」。いろんな修羅場をくぐってきたミックさんでさえ、ビビる現場。紹介してやると云われ、僕が会わなかったのはヴァンだけです。だって、会わなくていい。僕はヴァンのファンのままでいいのです。 蛇足ですが、ミックさんに更に聞いてみたのです。「今までいろんな奇蹟をスタジオで見てきたと思うけど、一番すごい奇蹟は誰だったの?」。間髪入れず「ジミ・ヘンだよ」。そうなんだろうなぁ。 じゃ、「IN THE DAYS BEFORE ROCK’N … 続きを読む

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孤独の向こう側

11月5日 火曜日 晴れ   午前10時まで惰眠をむさぼり、お粥を作って、掃除、洗濯と主婦の如く家事をこなして、3つの市をまたいで21キロ走って帰ってきたら、すっかりエネルギーはチャージされていた。元気で現金な奴だと、自分で呆れる。  でも孤独の向こう側に行ってしまったのかぁ、と思わないでもない。風雪を越えたら、寂しいという感情がほとんどなくなってしまった。いいことなのか、どうなのか、不明だけどね。  ルーの不在は未だにこたえてるけれど、彼の音楽を架空のblog番組で伝えたことで、救われたことも事実。でも、暑苦しいと云われると少し凹む。彼の死という事実を何かポジティヴなエネルギーに転化しないと、もたなかったのですよ。ほんとうに。おなじように、中学生のピュアなエネルギーに対して知らないふりなんてできないのですよ。性分として。僕は一生懸命ってあたりまえのことで、別に口に出すことでもないと思うし、格好悪いとも何とも思わない。中学生にも伝えたけれど、未来を創る唯一の方法は「今」を一生懸命生きることでしかないんだもん。  昨日、矢井田さんとオシャレなカフェで汗をかきながら演奏していて、お店に合ってるかどうかは僕には分からないけど、何だか労働してるぜって感じで好きだったんだな。  孤独の向こう側かぁ。  少なからず、blog番組を楽しんでくれてた人も居たから、ペースは考えて決めるとして (月イチくらいでいいですか?)、これからも続けることにします。さしあたって、テーマはみなさんからリクエストを募ります。気軽にどうぞ。「走るときに聴きたい音楽」でも「凹んでるので元気が出る音楽」でも、具体的なアーティストの特集でも。今週いっぱい、このblogのコメント欄で受けつけてまーす。  あー、そうだ。昔ラジオをやってたときのこと。放送局に行って、まずはハガキの棚を観るんですよ。もうそんな行為もほとんど死滅してると思うけど。ほんとうにね、マイクの向こうで誰かが聴いてくれてるんだってのが、励みだったのです。最近も居たなぁ、富山に。「聴いてたんですよ、昔」って鋭い目をしてる奴がわざわざ会いに来てくれて、嬉しかったなぁ。  てな訳で、テーマが決まったら、メールも募集しようかな、と思ってます。双方向じゃなきゃ、愉しくないもんね。

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慌ただしいdays

11月4日 月曜日 雨 11/2の鮭川中学校の記述にコメントをありがとう。引き続きどうぞ。鮭中のみんなも観ていると思うし。今回の旅には映像チームが帯同していました。あの空気、想いを映像にまとめるのは難しいと云うより無理だと思うけれど、伝えるために努力してくれています。完成したら、またアナウンスします。 ———————————————– 慌ただしい日々。 前日。早朝に後ろ髪を引かれながら、山形県新庄市を出発。旅人は見送られるのが一番辛いから、これがいいかな。F某の運転で都内に戻ったのが夕方。中学生と村の人々から託された募金をその足でプロジェクトに届け、山形県鮭川村の中学生がいかに素晴らしかったかっちゅー話を伝播。こういうことは一秒でも早く。それがモットー。 MY LIFE IS MY MESSAGEの収支はこちらを参照してください。 (一部に表記漏れがありました。明日11/5朝には正確な情報を反映させられるそうです。申し訳ありません。) ———————————————— 初めてのスタジオで矢井田さんと明日のラジオの生演奏のためのリハーサル。近年の彼女の変化には驚くばかり。ミュージシャンとして、一人の人間として、尊敬しています。二人はアンプにケーブルを差すこともなく、完全なるアンプラグドで、あっと云う間にリハーサル終了。交わされた会話は「とつげき矢井田さんちの晩ご飯」。プライベートなことなので、詳細はお教えできませんが、矢井田さんちはクリームシチュー率が高いです。 プロジェクト参謀本部に踵を返し、北と南を繋ぐ、とある計画について、北海道からモノホンの刺客を招いてのミーティング。腹が減っては戦は出来ぬと、某居酒屋に場所を移し、僕はひたすらノン・アルコールビールを飲みながら打ち合わせを続行。途中からテレビの日本シリーズが気になって仕方なくなり、田中投手が9回にマウンドに上がる頃には、隣の若者たちとすっかり意気投合。店内は自然発生的に楽天を応援する人たちが一体感を形成していたが、読売諸君。君たちはここホーム東京でも、あまり良い印象をもたれてはいないようだよ。僕は楽天の監督とオーナーが,,,,,,,,,,。でも、東北のチームが優勝したのはむっちゃ嬉しい。何にせよ選手たちは本当に素晴らしかった。 おっと、もう夜の10時だ。急いで帰らなきゃ。雑務は山のように、睡魔は風のように。 短い睡眠。僕の夢は思いっきり「おふとんの国」に居ること。 今朝。車で原宿へ。生放送に遅刻する訳にはいかないので、早めに家を出たら、1時間半も前に着いてしまう。表参道エリアで僕が用があるのはBURTONだけ。新しい製品をチェックして、山に想いを馳せる。雪山でチャラチャラした格好をすることを心から「HATE」している元プロスキーヤーのともだちに、BURTONであり得ないくらいチャラチャラしたウェアを買って送りつけるというウィットの効いた攻撃を思いついたのだが、そのアイデアの素晴らしさに盛り上がりすぎて、ウェアを選んでいるうちにタイムアウト。 今日のJ-WAVEの生放送は原宿のカフェから行われる。カ、カフェですよ、矢井田さん。居酒屋ではなく。リハーサルから既に大汗をかいてたので、ユニット名を「汗かき兄妹」にしてみたが、微妙に却下。続いて、矢井田さんの天使の輪があまりに見事だったので、己のそれの足りなさ具合も加味して「キューティクルズ」にしてみたが、じぇじぇ、J-WAVE的にま、まずかっただろうか。別所哲也さんはさらっと触れてはくれたが。脇汗。 矢井田さんと演奏しているのはほんとうに愉しい。中空に、今日の場合は、電波を通じてほんものの空に、絵を描いているような気持ちになる。伝わると、いいなぁ。出演オファーがマネージャーを通じてもたらされたとき、「おー、もちろん、矢井田さんのためなら何でもやりますとも」と偉そうに応えたが、実際現場に足を運んでみると、MY LIFE IS MY MESSAGEのことをたくさんの人に知ってもらおうという、矢井田さんチームの思いやりであることがよーく分かって、涙がちょちょぎれた。ありがとう。 思いたって、ともだちのテイラーを訪ねる。自分への褒美にスーツをオーダー。生地、縫製、その他もろもろ。今回はプロフェッショナルである彼にぜーんぶ任せることにした。彼が出しているヴァイブレーションがとっても良かったので、乗っかってみようと思ったのである。そして多分、僕の直感は間違っていない。以前採寸されたときの身体より少し太っていると思うので、出来上がるまでには身体を絞っておくと約束。プロに「オシャレは我慢だよね?」と聞いてみたなら、彼はにっこり微笑んでいた。脇汗。 家に帰ってきたなら、敬愛するスキーの先生(僕が先生と呼ぶのは地球上でこのお方だけである)からぶとうが届いていて、その心遣いに涙がちょちょぎれる。だってよー、フツー、それって生徒が先生に贈るものでしょ?せんせいーーー、観てますかーーー、ゆっくり休んでくださいねー。 さぁ、僕はようやくおふとんの国に帰還できそうだ。

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no limit。山形県鮭川村立鮭川中学校にて。

11月2日 土曜日 曇り 「NO LIMIT」。それは山形県の小さな村に住む140人の中学生たちが自ら決めたテーマです。その言葉に一点の曇りもなく、彼らはほんとうに行ったことのない福島の人たちを思いやっていました。歌を歌い、劇で演じ、作品で伝え、僕ら大人は中学生から沢山のものを受けとりました。今回ばかりはうまく言葉になりません。だから、このblog史上、最高の数の写真で伝えようと思います。彼らは「いつもそうまかえる新聞から福島のことを学んでいるから」とかえる新聞に募金を、「福島のために使って欲しい」とMY LIFE IS MY MESSAGEに募金を、南相馬の自立研修所「えんどう豆に」な、なんと6000羽の鶴を贈ってくれました。嗚呼、NO LIMIT。 最初にこのblogに生徒会長のT君からメッセージが書き込まれたとき、たくさんの読者から反応がありました。それを観て、僕も行くことを決めました。力を尽くしてくれた彼らに是非、メッセージを送ってあげてください。プロジェクトとしては映像で彼らの行動を伝えたいと思っています。 鮭中のみんな、ほんとうにありがとう。NO LIMIT!

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限定復活、地獄アワー最終回

11月1日 金曜日 晴れ みなさん、こんにちは。限定復活地獄アワー、山口洋がお届けするblog上の架空番組。今日は最終回です。ルー・リードの(敢えて書かせてください)現在までをお届けします。今回はこの放送、山形に向かう車の中でお届けしています。今回はスタッフが運転してくれているのです。移動地獄アワー、常に100キロオーバー。ちょっと酔って気持ち悪いぜ。みんみ、みん、みー。(意味不明) さぁ、1曲目は今日の気分に合わせてボビー・ウーマックを。この曲はイントロが二段ロケットみたいになっていて、二段目に点火したとき、今日と云う一日が確実に新しく見えてくるのじゃ。みんなの週末が愛に満ちたものでありますように。じゃ「Daylight」、点火っ。 この音源。どうやらアナログ盤を録音したみたいですね。アナログのノイズは心地よいものです。デジタルのは耐えられないけど。 さて。ルーです。1986年にリリースされた「MISTRIAL」。   賛否両論のアルバムですが、佳曲もあります。最後に収録されている「TELL IT TO YOUR HEART」。聴いていると、ほんとうに冬のNYの摩天楼と恋人たちが見えてきます。こういうリリカルな世界もまた彼の魅力のひとつです。僕の好きなマンハッタンは確かにこんな感じ。   行ったことがある人も、そうでない人も、あなたのマンハッタン見えたっしょ?押し売り禁止。それぞれのマンハッタンが見えたところで、1989年リリースの「NEW YORK」。     彼が生涯演奏し続けた名曲「DIRTY BLVD」を比較的近年の演奏で聴いてください。     「NEW YORK」には1989年のNY、そしてアメリカが確実にロックンロール・ファンタジーとして記録されています。時事ネタ以外は圧倒的な普遍性を保っています。「アウトサイダーを目指す若人のためのちょっと危険な地球の歩き方」としても有効です。いや、ほんとうに。 さて、続いては1996年リリースの「SET THE TWILIGHT REELING」。 「夕暮れに釣り竿を収める/(ちょー意訳) by オレ」という詩的なタイトルにまずはぐっときたのです。それってLIFEに対する彼なりのメタファーなんだろうな、と。そして「NYC MAN」。「お前は果たしてTOKYO CITY MANなのか」と云うメッセージをギンギラギンに受け取り、すぐに僕は「TOKYO CITY MAN」というアンサーソングを勝手に書き、同名のアルバムを創りました。某ソニーをクビになり、事務所は自分で辞めました。そのとき、僕はレコード会社とも音楽事務所とも契約をしておらず、いわば「ただの人」だったのです。そんな時にルーがもたらしてくれた表現へのモチベーションは多大でした。大事なのは契約ではなく、自分が何をやりたいのか、それだけなのです。それが強固で、なおかつ常軌を逸するくらい何かが傑出していれば、必ず道は拓けます。僕は独り、マルチトラックのテープを抱えてロンドンに渡り、ミックスを終え、横尾忠則さんがジャケットを描いてくれアルバムが完成したとき。ひとつの表現はここまで他人を突き動かすのだ、と驚きました。何というか、ほんとうに感謝しかありません。 蛇足ですが、このアルバムに収録されている「TRADE IN」と云う曲。訳すると「オレを下取りしてくれ」。なんてリリカル。今も昔もこれからも下取りしてくれ、オレのLIFE。   じゃ、「NYC MAN」を近年の演奏で。   … 続きを読む

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