日別アーカイブ: 2013年11月12日

HW SESSIONS #5、吉祥寺にて

11月11日 月曜日 曇り 昨夜遅く。僕は自宅の階段から落ちました。打ち所が悪かったらヤバかったっちゅーくらいには派手に落ちましたが、落ちながらも、スローモーションの中で、強く思ったことがあります。「まだ死ねん、オレにはやり残したことがある」。その気持ちがよっぽど強かったのか、骨を折ることもなく、かすり傷だけですみました。 実験的なライヴを終えて、成田のホテルでこれを書いています。僕が外国に行くのではなく、アニキが東南アジアの過酷な旅程を終えて、明日早朝、一瞬日本に立ち寄るのです。つまり、出迎えです。 閑話休題。 まず始めに。 新しい曲(まだレコーディングしていない曲)しか演奏しないという、実にリスキーかつチャレンジングな実験場所に毎回来てくれて、ありがとう。あなた達が居てくれるから、僕らは音楽を続けることができる。ほんとうにありがとう。その上で、実験場所であるがゆえ、僕の本心を伝えます。 悔しい。ほんとうに悔しい。何がって、音楽の奇蹟を存分にお見せできなかったこと。みんなを宇宙に連れていけなかったこと。 僕らももう若くはないのです。この奇跡的な4人で演奏できるのは今日が最後かもしれない。そう思って毎回ステージに立ちます。それは悲壮なことではなく、生きていることはそのくらいには厳しいことで、あったりまえのことで、その上で、未来を創ることは、二度とない今という瞬間を全力で生きることだと思っています。その「瞬間」を滴がつくくらいプレシャスなものに変える力をこのバンドは持っています。 このバンドはライヴという場所でもっとも輝くバンドです。それゆえ、来年のスケジュールは白紙にしていました。今日の小さなライヴが、来年どう進めばいいのか、道を指し示してくれるだろうと思ったのです。新しいアルバムの曲は揃っています。ただし、どう録音すれば、今の時代に有効なものが創れるのか、一度レコーディングスタジオに入ってみたけれど、それは試行錯誤の段階です。 今日のハコで、HWが演奏することは今後ないと思います。誤解しないでください。確かにハコからの強力なオファーがなければ実現しませんでした。そしてハコの人たちは一生懸命働いてくれました。ただし、音の相性、PAの特性、バンドの特性。それは彼女とステディーな関係になるかどうかってくらいには難しいのです。 圧倒的にどうにもならない音的な状況の中で、バンドはそれぞれが必死に何とかしようともがいていました。その状況はそれぞれにとって、とても苦しいことだったのですが、同時に僕にとっては嬉しいことでもあったのです。アイロニックだけど。誰ひとり諦めていない。ミラクルは起こせないまでも、インターミッションの間もどうにか打開の糸口を探しだそうと全員が頭をひねり、実践し、打ち砕かれ、それでも誰も諦めない。僕には彼らのファイティングポーズが見えました。何度倒されても。悔しいけれど、嬉しかった。何だか、ヘンな気分です。こんな風に感じたのも。このような感情をみなさんに伝えるのも。 終演後、来年どうすべきなのか、短い時間でしたが珍しく全員で話し合いました。こんなの、僕が記憶している限り2005年以来です。つまり望んでいたのと違う形で、今日のライヴが道を指し示てくれました。 僕らはこのバンドにただごとではない可能性を感じています。だから、来年も実験を続けることを決めました。詳細は決まったらアナウンスします。新しいアルバム、待ってくれてありがとう。わがままだけれど、分かっている場所には誰も行きたがらない。必ず到達します。誰も行けなかった場所に。 みんな、来てくれて、心からありがとう。 追伸 このライヴを心から愉しんだって人も居るだろうから、そういう人には余計なインフォメーションだったと思います。ごめんね。バンドという生き物はいろんなことを推進力に換えて進んでいきます。あくまでも来年に繋がるポジティヴな記述として読んでくれればと思っています。

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