日別アーカイブ: 2018年2月20日

再び比羅夫にて

2月20日 火曜日 雪   ただしんしんと雪は降り積もる。捉え方によっては恐怖に近い。屋根に積もった巨大なミルフィーユが突然落ちる場所に居合わせたけど、軒下に居たら死だね。間違いなく。怖い。  某国で身につけたスキルはここではほとんど役に立たず、ガイドとしてもおそらくじゅうぶんやっていけるであろう、元プロスキーヤーのともだちとはぐれるとプチ遭難の様相を呈する。あんまり笑いことじゃなかった。こりゃ、意外と簡単に死ぬな、と。谷のはずれにようやく抜け出し、スノーボードを抱えてとぼとぼ歩いていたら、同じ失敗をした連中がたくさん居て笑ってしまった。  なによりもスキル、そして知識と装備。谷でパウダーに埋まってしまった自分を掘り返すための道具とかね。なにせ5メートルの雪。謙虚じゃなけりゃ。単独行は危険。迷ったときに誰かがつけたトラックについていくと余計危険なのだと。こういうとき、人間の本性が現れる。強風でとつぜん吹雪いて、ホワイトアウト。上下左右の感覚も分からなくなる。屈強な外国人が助けを求める。俺に聞くなよ、ここじゃ素人同然だよ。付和雷同。誰かが居ると、長きに巻かれる。こうやって人は遭難していくんだろうなぁ。  とにかく54歳。FUNで怪我することはバカげてる。無事に帰るまでが雪山。たくさん学んだなぁ。ミッション?もちろんやったよ。うまくいったかどうかはともかく。  毎日、ともだち夫妻と寝食をともにして、よく飲んで、よく笑って、よく食べて、よく滑って、ミッションを果たして、大人の修学旅行みたいだった。毎日川の字になって、秒殺で寝て、早朝の除雪車に起こされた。でっかかったよ、北海道。ありがとう!  このラジオ、みんながいい一日を始められるように俺が選曲したんだぜー。聞いてね。

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