日別アーカイブ: 2024年3月11日

グタグタの中に込められたもの@山形県長井市にて

3月11日 月曜日 曇り   震災後、この小さな町で復興の酒「甦る」を通じて巻き起こったことを人に伝えるのは難しい。ほんとうに難しい。かくいうオレだって、それについて書かれた本をもらって読み、描かれたドキュメンタリーを見て、現代の奇蹟(てか、必然なんだけどね)がこのようにして起きつつある(現在進行形でね)んだってことを、50%くらい理解したにすぎない。  現に、こうやって関わっている人たちと話すと、震災から13年経過しているわけだから、オレが知らない話がまだまだ出てくる。  その上で、壇上でオレが話したことは本心そのもので、この町と酒にまつわるストーリーは現在進行形で震災後に起きたことの中で最善に近いと思う。あれだけあった有象無象のプロジェクトで現存しているものがあったら、教えてほしい。  忘れることは癒えるためのプロセスでもある。でも、忘れちゃいけないことってものがある。  でも、今日も現場にいた身内のSNSの投稿ですら、熱量が伝わっていないのがありありとわかるから、頭を抱える。  あの地獄のような日々をサバイブした人々の経験は、今、苦しんでいる人たちを励ますには余りあると思うのだ。それは思い上がりではないはずで、余計なお世話にならないように、音楽って形があったりもする。  しかし、いろんな意味で伝えることが素人なのは当たり前。入念に考え抜いたはずのプロットはすっ飛ばす。配信してるなんてことはそっちのけで(あたりまえ。そんな概念ないんだもん)、近所の話で盛り上がる。こりゃ、想像以上のカオス。正直、頭を抱えて事態を見守るしかなかった。  これは配信の向こう側にはどう伝わってんだか。いちばん恐れていたのは、被災地を肴に飲んで盛り上がってるって受け取られるんじゃないかって。  この13年の流れを伝えるべく、あらかじめデジタルネイティヴたちが冒頭に流す映像を作ってくれていた。でも、それはすっ飛ばされた。再度チャレンジしたら、今度は音声が出なかった。これは配信には写っていないけれど、会場ではプロジェクターに投影されていたのだが、その前を何度も配膳のお母さんが横切った。それも大事な場面で。  瞬間、オレは開き直れた。これは村の集会だ。村祭りを開いて、そこでかつて被災した人たちが今苦しんでいる人たちを思いやっているってことなのだ。村人は初体験なのだから、完璧にプロット通りにできる方が不自然だよ。  これがプロのエンターテイメントなら許されない。でも、村人が愛を込めて、全力で送ったエールなら、それが今日のベストの愛だよ。  会の後、「甦る」も大きな岐路に立っていることを聞いた。なにも終わっていないし、始まってもいない。でも、これを絶やしてはいけないと思う。民たちが力を合わせて、復興のシンボルとして続けてきたことなんだから。  今が踏ん張りどころだね。タフに生きなきゃね。

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