「blog上地獄アワー、第十二回。ベーシスト特集」

6月1日  日曜日 晴れ

ぱんぱかぱーん。ぱにゃにゃーん。(ジングル)blog上地獄アワー、第十二回はベーシストを特集します。

 

じゃ、まず一曲。
デヴィット・ボウイです。1977年にリリースされた名盤「HEROES」。僕はこの頃の彼にとっても影響を受けました。今日お届けする曲は「The Secret Life Of Arabia」。サウンド、素晴らしいです。プロデュースはボウイとトニー・ヴィスコンティー。ギターはロバート・フリップとカルロス・アーマー、ベースはジョージ・マーレー、ドラムはデニス・ディヴィス、鍵盤はイーノ。ため息が出るような人選です。もちろん、ベースラインも最強。

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さて。ベーシストっす。

ベースという楽器に自覚的になったのは、中学1年の時にラジオから流れてきたこの曲でした。何だか異様にベースがイケてると思ったのです。ウイングス。弾いているのはもちろんあの人、ポール・マッカートニー。リッケンバッカーの頃かな。ベースが曲の骨格を創ってます。じゃ、そこにも耳を傾けてね。先日、コンサートが中止になって、地元のバーでアナログでこの曲を聴かせてもらいました。あれから何十年も経ったけど、やっぱりこのベース、最高!  じゃ、「silly love song」。

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続いて。
バンドを始めた頃、ベーシストの力量を計るのはこの曲が指で弾けるかどうか、でした。まるでギタリストにとっての「ハイウェイスター」みたいな。ちなみに渡辺圭一は今でも弾けないんじゃないかなぁ。笑。今度、聞いてみよう。僕はこの曲好きでも嫌いでもないけど、ベーシストが韓国人ってのが、山内テツさんと並んで、異様な親近感というか、「オレたちにもできるかも」と思わせてくれたのです。同級生の女の子たちがヒョウ柄のぴったぴたのパンツをはいたロッドの写真を下敷きに入れてたもんです。しっかし、すごいタイトルだな。じゃ、「I’m sexy」。

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高校生の頃、「バカテク」のへ道を歩むのか、それとも「クール」な方に行くのか、決めなければなりません。そんな意味で、こんなにベースが下手クソでも、センスさえありゃ何とかなるって希望を僕らに教えてくれたポール・シムノンさん。でも、来日公演のとき「LONDON CALLING」のベースリフさえちゃんと弾けなくて、僕らはかなり失望したけどね。The Clashで「The Magnificent Seven」

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1985年。NEW ORDERのベーシスト、ピータ・フックのベースという概念を遥かに超えたベースには強烈に影響を受けました。何と云っても、彼はベーシストなのに低音を弾かないのです。逆転の発想。基礎もクソもなくても、自分がやりたいようにやればいいのです。だって、音楽は自由になりたくてやるんだからね。

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もう一人。このお方は上手い。ベースを弾く獣(けだもの)。ノーマン・ワット・ロイ。イアン・デュリーの音楽に彼のベースは不可欠です。

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ボブ・ディランが云ってました。「ローリング・ストーンズにはビル・ワイマンが必要不可欠だ」。まったく同感だぜ、ボビー。

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ジャコは晩年、あのフレットレスさえ売っぱらってしまったんだそうです。でも、彼の演奏は色あせないし、誰も彼のようにベースを弾くことはできません。優れたシンガーの横でベースを弾いている彼が好き。今日はジョニ・ミッチェルの名盤「シャドウズ&ライト」からこの曲を「coyote」。

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ザ・バンドからリック・ダンゴ。何が素晴らしいって、ここのリズムセクションは2人して素晴らしいシンガーでもあるってことです。それゆえ、リズムもグルーヴィーで、歌ってます。独特なのです。どんな組み合わせもこの境地までは行けないっす。The Bandで「Ophelia」
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さてさて。
僕と渡辺圭一が多大なる影響を受けた、フェルナンド・サンダース。元はヤン・ハマーのバンドに居たのですが、その頃はどうでも良かった。やはりルー・リードという希有な存在と素晴らしい楽曲があって、あのワン・アンド・オンリーのベースは引き立つんだと思います。それにしても、このバンド、鉄壁。じゃ、「waves of fear」。

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本日は日本代表として渡辺圭一さんをお送りします。1991年。オレ26歳、圭一24歳。前述のフェルナンド・サンダースのスピリットを受け継いだなかなかの演奏だと思います。ただしわれわれの服装と、客のウケについて言及しないように。

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88年くらいだったか。
ダニエル・ラノアのこの曲は衝撃でした。約20年かけて、とある曲で僕らはそのスピリットを昇華させました。「the maker」。

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ロブ・ウォッサーマンです。ブルース・コバーンとの名演から聞いてください。これ、アルバム全編素晴らしいですけど、頭の1曲だけでも是非。

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最後に僕の一番好きなベーシスト、チャーリー・ヘイデンを。彼のベースには人格がにじみ出てるんです。それが音楽だと僕は思います。そういえば、石垣島の「すけあくろ」って有名なジャズ・クラブに「ミッフィー」という名の同じタイプのベーシストが居ます。僕は島に行くたび、島の連中やミッフィーと演奏するのを愉しみにしてます。ちなみに、僕はミッフィーと演奏するときはドラムしか叩きません。だって、愉しいんだもん。

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てな訳で、愉しんでくれたかな?また来月ーーーー。
DJへの励ましのメールもお待ちしておりまっくす。

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「blog上地獄アワー、第十二回。ベーシスト特集」 への14件のコメント

  1. けいじ より:

    ベーシスト特集最高に楽しかったです。音楽は
    すばらしい。こんなラジオ番組が本当に毎週あったらいいのに。

  2. 内山五月 より:

    ブルースコバーン買ってみます。
    ヒートウェイヴの映像、中学生の時にこのサウンドジャンプってタラタラとビデオクリップ流す番組で見て衝撃を受けました、もちろんビデオに録画してテープが伸びるまで何度も見ました。
    鬼気迫る演奏が中学生の心の何かが引っかかり、ん?ん?んー?と。それからお年玉やらでCDを都内に買いに行ったなーと。おもひでです
    渡辺さんのこの頃のベース、尖っててカッコええっす。あ、もちろん今の肩の力が抜けた感じもカッコええっす。
    自分が好きなのは、リチャードトンプソンとやってる時のダニートンプソンです。
    コメントはあまりしてないですが、毎回楽しみにしてます。今回も楽しませていただきました。ありがとうです!

  3. マキモト より:

    僕はやっぱりベーシスト特集が一番しっくりきます!
    楽しいっていうか美しいっす!よければ2回目も是非!ありがとうございましたm(__)m

  4. シバダスト より:

    俺、このヒートウェイヴのライヴ観に行ってました。
    代々木公園のフリーライヴでしたよね。ソニーのイベントだったはず。
    弟と行ったんだけど、
    周りはほぼ全員スパークスゴーゴーとバッドメサイア目当ての女の子ばかり。
    ヒートウェイヴ目当ては俺たちだけだったのでは。
    かなりのアウェイ。でも最高なロックンロールショウでした。
    僕等的には最高のライヴでしたが、周りは確かに静かでしたね。(笑)
    これが僕にとっての初の生ヒートウェイヴでした。
    そういう意味でも記憶に残っています。

    それ以来何度もライヴに行きましたが、
    現在に至るまで基本にあるハートが全くブレない山ちゃんを
    心底リスペクトしています!

  5. 名無し より:

    ブルースコバーン初めて聞きましたがめちゃくちゃかっこいい!!よいものを知れました!!ありがとうございます!

  6. 糸島の詩人 より:

    The Maker…. オリジナルはこっちだったんだ。
    90年代後半に、DJピーターバラカン氏が、深夜のラジオ番組で流していたのが、Emmylou Harrisのこの曲のライブバージョンでした。SPYBOYというアルバムの最後に入ってます。ギターも味わいがあります。

  7. Kumiko より:

    ブルース・コバーンのアルバムThe Charity of Night
    ギターソロもリズム隊も カッコイイですね~!
    Birmingham Shadows
    The Mines Of Mozambique 辺りから引き込まれていきます
    マッタリと気持ち良かデス
    私も探して購入したいと思います。
    紹介有難うございました~!

    I’m sexyは昨年の4月吉祥寺・Star Pine’s Cafe で
    圭一さんワンフレーズ弾きましたよね。
    裏腹も大阪で演ったと知りましたが、
    私も聴きたいで~す。リクエストします。
    (○´人`○)オネガイ

  8. 奥村徹志 より:

    ベースってのは、なんちゅう深い楽器なんだろう
    サラリーの基本給のように、重要
    ぐいぐい迫る選曲でございました、敬服と感謝

  9. やました より:

    ノーマン・ワット・ロイさん、初見でしたがスゴイですね。

    そろそろ寝ようかと思っていたのですが、
    うっかり観たら、眠気が吹っ飛んでしまいました。。。

  10. Froggy II より:

    どの曲もリズムの波が心地よくて、楽しいです。NEW ORDERの「Love Vigilantes」にはちょっと泣かされましたけど。なにか込みあげちゃいますね。
    「裏腹」「魂の裏庭から」、懐かしいHWの曲で今も好きな曲は沢山ありますが、ずっと聞きつづけているのが「everything」と「Hey my friend/Don’t die young」です。Hey my~は何度聞いても、うん…好きなんです。
    チャーリー・ヘイデンの最後の2曲。大人になれた気がした45の夜。(じゅーぶんオバはん だしょ!って突っ込まないでね♡)心地よい時間をありがとうございました

  11. 桃子 より:

    チャーリー・ヘイデン最高に素敵でした♪美味しいお酒飲みたくなります。詩の行間のように音に余韻がありますね。
    洋さんのドラム叩く姿みたいなぁ〜♪
    ジョニ・ミッチェルも好きです。パティ・スミスとか女性アーティスト特集リクエストします!!

  12. ショーケン より:

    不器用にしてあまのじゃく。好きです。スポンサー見つけて、平凡なオッサンに向けて番組を!
    地獄アワー トゥ オッサン 開設希望。

  13. メグ より:

    「裏腹」のビデオ持ってます。代々木公園でのフリーライブ、スパークスゴーゴーとバッドメサイアが見たくて行ったのに、ヒートウェイヴにガツンとやられてしまいました。すっげーかっこいいじゃん!って。その時以来、パワステでのライブに毎回足を運ぶようになり・・・そして今でもヒートウェイヴのライブに行くことができるのは、あのフリーライブがあったおかげだと思っています。

  14. ゆか より:

    今月の『blog上地獄アワー』も聴き応えのあるものでした!
    「the maker」はaaron nevillの歌が良い具合ですよね・・・というか好きです。
    HEATWAVEが”そのスピリットを昇華させた”曲はわかるような気がします。

    『LIVING WITH SOMA CITY』の「STLL BURNING」で圭一さんのベースを聴いていると、何処かへいけちゃいそうになります☆

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