体力

5月10日 火曜日 晴れ 

 質問です。

 モノを創る上で、もっとも必要なものはなんだと思いますか?

 応えは「体力」です。

 どんなにイケてるアイデアがあったとしても、それを実現するためにはどうしようもなく体力が必要です。

 優れたアーティストはほぼ間違いなく、凄まじい体力を備えています。一緒にスタジオにいると、よくわかります。自分のヴィジョンを実現するためなら、どんなことも厭わないようなタイプなので、あまりのハードワークに、まずはスタッフがバタバタと倒れていきます。こちらはアドレナリンが出ていることも相まって、ぜんぜん平気。もうやりませんが、30代であれば、3日は不眠不休で音楽に取り組んでいました。途中の激しい飲酒を含んで。眠ることなく。

 とはいえ、老化とともに体力は衰えます。徹夜をすると翌日は使い物になりません。落ちていく体力、限りある資源をどう有効に使うかってことがたいせつになってきます。

 今のところ、ライヴのパフォーマンスが落ちたとは思っていません。そう思ったら、潔く引退するつもりですが、もうちょっとスタージにはしがみついていたい。

 先週日曜日のライヴで実験してみました。体重にして2キロは落ちます。通常3時間立っているだけで疲れるわけで、歌って、弾いて。かなりのエネルギーを消耗していることになります。そのライヴを終えて、あとワンステージできるくらいの体力を持っていないと、とうていツアーは不可能。

 これまでは体を軽くすること、長距離ランナーのような体でライヴに向き合ってきましたが、膝と首の故障で走れなくなり、方針を変更せざるを得なくなりました。体力の低下とともに、落ちていく代謝もなんとかしなければ、体のキレはなくなる一方。

 もともと体が硬いので、ストレッチはマスト。こんな体でハードなスノーボードなんてしょようものなら、間違いなく怪我します。

 最近は筋トレを取り入れました。マッチョになるためのものではないので、そんなにハードなものじゃないです。でも、筋肉量を減らさないことで、代謝をキープ。おかげで軽くランニングができる体に戻りました。無酸素と有酸素を組み合わせて、ライヴでベストのパフォーマンスを発揮できる状態を日々探っています。

 これがね、面白い。自分の体に聞いてみるのです。若い頃なら、筋肉痛を上書きしても平気だったけれど、それは筋繊維が破壊されているわけで、修復のためには休まなきゃいけない。そのタイミングをライヴのスケジュールと合わせてベストのコンディションに持っていく。とってもクリエイティヴな作業です。

 要するに何が伝えたかったかというと。体は正直に応えてくれます。限りある資源だけど、まだまだポテンシャルはあるってことです。なんで、老化だと諦めず、自分の体と会話してみてください。

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体力 への3件のコメント

  1. ポレポレジャスミン より:

    具体的には書きませんが、いろんな意味で沢山のメッセージを受け取りました。
    山口さんとほぼ同世代ですが、若い頃と比べて体力や筋力の低下が著しく、のしかかって来る現実の様々な問題と理想?との狭間でもがいているところでした。なので、私にはいいアドバイスになりました。
    ありがとうございます。

  2. 甲斐 より:

    先月末から体幹メソッドを20回×2セットを朝夕日課にしはじめました。

    が、過度の筋肉痛の時は休息も必要かと、本日おサボりしちゃいました(^◇^;)

  3. キャッツ より:

    ANGAでの音。特にセカンド・ステージのギターとウッドベースだけの音。音の粒子に包まれて心が温かく緩んでいくのが解ります。そして2曲目のアコースティック。TOKIEさんが弓で奏でる音と洋さんのギターが天にも昇るような心持ちに昇華されて、シンプルな構成なのに二つの音が響き合うその音の揺れに感動していました。

    ロックの激しい音のみが感情を揺さぶるのではなく、鋭い歌詞のみが心を揺り動かすのではなく、たった二つの音が絡み合う、そこに魂を震わせるものを感じました。

    ピアノの演奏も素晴らしいものでした。
    池畑さんの波動砲もときめきますが、時にはこんな静かな音で洋さんの楽曲を聴くのも良いものですね。シンプルな中にこそ誤魔化しのきかない真実があり、感動があります。

    元気をいただきました。ありがとうございます。バイクで200㎞飛ばして千葉まで行った甲斐がありました。「モーター・サイクル」午前5時にエンジンをかけて、街を出る、あの歌大好きです。悲しいことに僕は帰り道、雨にやられました(泣)。

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