永遠の野球少年

3月22日 水曜日 晴れ 

 27個目のアウトを取るために、トラウトと大谷が向き合っている。もはや出来すぎた漫画みたいだった。

 思い返してみると、子供の頃、メジャーリーガー相手に勝つなんて、おおよそ信じられないことなわけで。それが画面とはいえ、目の前で起きていることに隔世の感。

 人と人が本気で闘うのはスポーツだけでいい。敬意があって、素晴らしいじゃんね。中国が攻めてくるから離島にミサイルを配置しようなんて輩はたぶん本気で闘ったことがないんだよ。本気で闘ったなら、敬意しか湧いてこないよ。

 話を戻すね。

 ごたぶんに漏れず、九州の田舎じゃやることは野球しかなかった。今となっては誰も信じてくれないけれど、小学校に上がるまでは身体が弱く、運動を禁じられていたので、家で本ばかり読んでいた。

 これじゃいかんと、小学生になったときに、親父がグローブとボールを買ってきて、庭にマウンドを作り、野球の英才教育が始まった。彼は学者だったけれど、教えてくれたのはキャッチボールだけ。今となって思うに、その教育がよかった。真ん中ではなく、いつも内角低めに構える。いわく、ここに全力で直球を投げて、打たれたのなら仕方ない。

 6歳でそれを人生の格言にして、野球だけは真剣に取り組んだ。万年最下位のライオンズを稲尾の代わりにオレが救う予定になっていた。中学に上がって、野球部に入部。身長が伸びず身体が小さかったオレは、後に甲子園に行った先輩に打たれた打球を見て、本格的に挫折。何か他の夢中になれるものを探すしかなかった。

 でも、みんな野球少年なんだよね。野球小僧。笑。学校から帰ると玄関にランドセル投げ込んで、グローブとバット持って出かけていくあの感じ。

 どれだけの子どもたちが憧れのまなざしを持って、今日画面を見つめたんだろうね。それはほんとうに素晴らしいことだと思う。

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永遠の野球少年 への3件のコメント

  1. fujiiku より:

    洋さんと同世代の私も近くに広場があれば 軟式のテニスボールでバットは使わず手で打って三角ベースで暗くなるまで遊んだくちです。
    私は小学校の低学年から強い近視になり眼鏡生活。当時は眼鏡かけてスポーツをする選択肢がほぼなかったかなと・・・私の亡父も野球好き。キャッチボールしたことはよい思い出です。初めてグローブを買ってもらった日の事は忘れらません。
    私仕事で準決・決勝とも見ておりませんが本当に良い試合だったみたいですね。負けて
    誰かが責められるのだけは見たくなかったので・・・

  2. Raku より:

    永遠の野球少年

    そんな歌が聴こえてくるようなWBCでした!
    野球は良いですね。

  3. Masako より:

    再放送観ました。凄いよ。久しぶりに食い入るように画面観てました。本当にありがとう!侍ジャパン。とってもハッピーな気分になれました。

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