ネコの反撃

3月22日 金曜日 晴れ 

 表現はどうかと思うけれど。決してネガティヴなことを伝えたいわけではないので、まずは最初にそれを伝えておきます。

 コになってから、住んでいる環境が一気に悪化。都心から越してくる人たちのために乱開発が始まる。山は無慈悲に切り拓かれ、道路は掘り返され、こんなところにって場所に土地が無理に造成され、コミュニティーは分断され続ける。路地は常に工事で通行止め。クルマでの移動もままならない。何度も業者と話をしたけれど、カネが第一義の人たちに「静かに暮らすこと」の意味は伝わらないことを思い知る。あれだけ存在していたリスもウグイスも激減。

 ならば、自分がこの場所を離れるしかない。最近はそう思うようになった。

 近隣だけで、おそらく100を優に超える業者が出入りしているだろう。ところで、近くに仲の良いおじさんの家があって、母上が遺した築100年の家を、自らの終の住処のために改築している。その人が選んだ業者だけはまるでベクトルが異なる。「破壊」ではなく、使えるものは徹底的に残し、再利用できないものだけ捨てる。それゆえ、解体にも通常の50倍くらいの時間がかかっているけれど、素人の僕が見ても、教えられることは多い。なによりも、業者のおじさんは会えば挨拶を返してくれる。

 つまり、何が言いたいか、と言うと。

 工事には多分に施主の意思が反映されるということ。町の破壊は、世の趨勢であり、この国の一般的な考え方が色濃く反映されているってこと。

 ヨーロッパの街並みなんて100年前の写真と変わらない場所がたくさんある。自分の住環境だけではなく、周囲と調和することを考えている。かつて、JAPANもそうだったはずなのだが。。。

 これは身の回りに起きたこと。腹が立ったのではなく、正直なところ、その「がさつさ」にオレは傷ついた。

 拡大して、世界を見てみたなら。構図は同じ。ガザで起きていること、ウクライナのこと、能登の地震を大谷選手のニュースが覆い尽くすこと。

 今年の関東に降ったわずか10センチ足らずの雪。危機管理能力のなさ。自分の頭で考えないから、ノーマルタイヤで仕事に行って操舵不能に陥る。でっかい地震が来たら、このエリアは終わるな、と思った。見てみなよ。首長や政府が被災地にしたことを。政府が国民を助けるなんて、妄想だよ。

 もう何が起きたっておかしくない世界に生きている。自然が巻き起こすことに、ニンゲンは抗えない。いつまで傲慢に生きていくつもりなのか。

 そんな気持ちを癒してくれるのは自然でしかなかった。自然は容赦ないけれど、壮大で、美しくて、優しくて、怖い。

 我々に足りないものがあるとするなら。圧倒的に「謙虚さ」。その驕りはいつか自分に向けて刃となって放たれる。何度、経験すれば学ぶんだろう。

 誠実さって。

 スターのともだちはヒアルロン酸を注入することに躍起。人間は老化する。それもまた自然の摂理。それを受け入れられない奴の歌からはヒアルロン酸の臭い(嗅いだことないけど)が漂ってくる。それが老化のスタンダードになるのは恐ろしい。

 
 虚構。

 がさつさ。がめつさ。

 誠実さは連戦連敗。

 正直、傷ついていた。

 でも、自分が信じた生き方を貫かなければ、生きてはいけない。

 どうしてって。

 生きることは芸術だから。それぞれのLifeそのものが芸術だから。ほんとだよ!

 壁だと感じた瞬間に、壁はできる。

 ならば、徹頭徹尾、自分が信じたものをやり切るしかない。

 正しく、ワイルドサイドを歩くしかない。

 OFFICIAL BOOTLEGを聴いてくれたともだちの何人から興奮して連絡が来た。

 「音がいい!」。長野のネオンホールで体験したのと同じ!。エトセトラ。

 ひとつきかけて、「オレにはバンドがこう聞こえている」。あるいは「こう立体的に聞こえてほしい」という体でミックスした。LとRは平面だけど、それは立体なんだ。繰り返し伝えるけど、修正はしていない。ヘクってるところがあるから、ピークもある。それってLifeと同じでしょ?60〜70年代の音楽が決定的に耳に優しいのはそこなんだ。音楽にヒアルロン酸が注入されてない。

 ネコの反撃なんだ。この前、プーチンが「核攻撃も辞さない」って脅してた。まじかい?って。

 奴が本気でそのボタンを押そうとしているとき、あなたがそこに居合わせたらどうする?オレは命を賭けて止める。でも、その前に「お前はバカなのか!」ってネコパンチをお見舞いする。本気のカンチョーでもいいかもね。

 「どうだ。痛いだろ?それはお前もニンゲンだからだ。だったら、アホなことするんじゃねー。どうしても押すなら、お前が素手でオレを倒してから行け」ってね。奴がKGBだろうがなんだろうが、こっちはロックンロールだからね。

 そんな覚悟がいるんだと思う。

 そんな気持ちで作り、届けた。いや、これからも届けにいく。

 固い話で申しわけない。でも、屈したくないんだよ。ひとつひとつのことをバカみたいに「誠実に」やりたい。なぜって、それがオレのリーサル・ウェポンだから。

 ついしん

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ネコの反撃 への11件のコメント

  1. りゅういち(59) より:

    洋さん、「ネコの反撃」今日のブログ読んで、朝から元気出ました。洋さんが届けてくれるのなら、俺は全力で受け取りに行きますけん!ダッシュで受け取りにいくばい!ブートレッグ、エッセイ本、届きました。サイコーっす。また、受け取りに行きますけん、ばしばし届けてはいよ。

  2. より:

    誠実さは連戦連敗。
    ここのところ私も、こんな気持ちです。
    もう、私もみんなのマネしちゃうぞ、と腐りかけていましたが、

    心のこもった玉手箱を開けて、
    CDかけつつ山口さんの本を読んだなら、
    腐った気持ちはどこへやら。

    1990年頃から力をもらってきたHEATWAVEの音楽。
    私も語れます。山口さんの日記のように。
    山口や福岡、広島、東京。
    自分が住んでいたあちこちで、山口さんの歌を聴いていた、
    あの時を思い出します。

    白髪が増えてきたけれども、
    行動と衝動、忘れずに!
    これからもやっていきますよ~。
    大きな力をありがとうございます!

  3. fujiiku より:

    昨日CD届きました。ありがとうございます。昨日は耳の調子が悪くCDラジカセで小さめな音で聞きましたがVo/各楽器のバランスも良く すごくよかったですよ!耳が良くなったら大きな音で聞いてみたいです。

    海外には2度しか行った事がありませんがイタリアのフィレンツェの街並みは昔の良さが残っていて感激した事を思いだしました。

    「甦る」給料日後の購入を予定していましたが売り切れが心配なので妻に無理言って購入。僅か1日で届きました! 実家の姉が日本酒「山本」送ってくれるとの事。2本とも来月の私の誕生日に飲みたいと思います!

  4. 遠藤隆生 より:

    オフィシャルブート

  5. のってぃ より:

    昨日うどん県にも届きました。
    仕事をしながら、自転車に乗りながら、電車に乗りながら聞いてみました。
    それぞれ体に染み込んでくる音が違う感覚。
    もっと聞き込んでみます。

    本は大切にゆっくりと読み進めます。
    何かがひらめきました。
    形にしてみようと思います。

  6. ハリー より:

    本を読むための音楽
    聴きました。

    音楽が素晴らしすぎて
    読書にはintoできない。

    涙腺決壊しました。

    ありがとうございます。

  7. Masako より:

    ポストに不在通知票が入ってました。明日は仕事なので日曜日までお預けです。
    帰りの車窓から、夕陽が見えました。大きなオレンジ色の太陽が、遠くに見える家々の中にゆっくりと沈んで行きました。桜の便りがもうすぐなのに、今朝は氷点下まで下がってとても寒かったです。何気ない日々の景色が美しいと感じられる。私たちは、あまりにも無関心なのかもしれないです。
    私の住む街も開発が進んでいます。社窓からまっすぐな場所にマンションが建ち、車で走る道路は、建設中の建物が所々にあります。20年前、父を乗せて走った閑散とした道路は、今は店舗に覆い尽くされています。何故か同じ道路の左側と右側に同じドラッグストアが点在しているのです。そんなに需要があるのかしら?と疑問です。近隣も建設中や建売などの土地がたくさんあります。農地が宅地になっているようです。所有者の方の移行ですから、仕方ないです。私も土地を巡る近隣トラブルがありましたが、お互い様なのかなぁと諦めています。
    東京へ行くと何処もかしこもビルの再開発中。駅も工事中。新しくなった改札までの道筋はどう考えても、分かりづらいです。昨年の渋谷も、一体どこまで歩くんだろうと、迷子。(笑)でも、東京観光すると意外にも緑が多い気がしました。自然を守っている気がします。リスは鎌倉に居ましたよ!

  8. 放射線1号 より:

    昨日、我が家にも届きました。
    年度末でバタバタしており、読み始めるのは少し先になると思いますが、まずは本を読むための音楽から楽しませていただきます!

  9. 青空 より:

    20日の夕方に届きました!
    私の、手元に届くまでの過程を読んでいたので、開けた時の感動はひとしおでした。

    本を読んでいて、あらためて感じたのですが、やはり、紙の上の文字を読む方が、言葉がストレートに響いて来ます。
    私が、一番読書に集中出来るのが、通勤電車の中なので、昨日から本と一緒に出勤してます。
    今までより、鞄がずっしりしてるのも心地いいです。
    今朝、降りる少し前に、ロニー・レインの所を読み終わり、急いで職場に行き、YouTubeで「Roll On Babe」を聴きながら、ロニーさんの事を考えて涙が出てました。
    こんな気持ちになれたのも、書籍化してくれたからです。
    まさに、人生の羅針盤のように、そばに置きたい永久保存版の一冊です。
    本当に、ありがとうございました!
    休みの日は、CDをかけて読みます。

  10. 青森のロマンティック・ダンディ より:

    本日(3/23)ピーター・バラカンさんのラジオ「ウィークエンドサンシャイン」はカール・ウォリンガー特集です。日本で彼の特集番組を聴けるのは他にはいないでしょう。聴き逃しでも1週間は聴くことができます。

    ついしん
    本届きました!!まさかのJとMについての言及。何があったんだろう?

  11. emi より:

    仕事でいろいろあり、なんだかなぁ…と、やさぐれた氣持ちで帰宅した日、本が届いていました。箱を開けると、ありがとう。の文字が。とても温かい大きな愛が溢れていて、すーっと浄化されました。あぁ、これだった、私の大事にしたいものは。投げやりになりそうでしたが、やっぱり自分の信念は大切に、働きます。山口さん、ありがとうございます。

    THE BOOMのツアーで銀の花を聴いて、HEATWAVEと出逢いました。久しぶりにMIYA(敬称略)のライブに行く直前で、真っ先に読みました。
    山口さんとMIYA、THE BOOMの音楽に支えられて、ずっと生きてきました。出逢えたこと、そして今も音楽を続けてくださっていることに、心から感謝しています。
    山口さんの手描きのメッセージコレクションが増えて嬉しいです!(100)いや、それ以上までよろしくお願いします笑

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