幸福の基準@仙台にて

10月23日 月曜日 曇り

弾丸で仙台日帰り。主催者は前泊、後泊と用意してくれていたのだけれど、まったくもってこちらの理由。単純に時間が足りないから、無理してでも帰るしかないだけ。しかも、道中はずっとコンピュータで仕事という。

コが5類になってからというもの、休日の乗り物の混み具合が半端ないのですよ。ほぼレジャーに行くのであろう方々に囲まれてるとなかなかにしんどい。なので、ブルジョアでもなんでもないけど、こっちは車中も仕事があるんで、在来線も新幹線もやむなくグリーンに乗ります。それすら、満席。涙。在来線なんて、カバンを横の座席に置いて、他人が乗れないようにガードしてる輩とかいるんだよね。新幹線の隣の席なんてティーンだよ!まったく、どんな育ち方してんだか。あ、行きはね。ずっと外人に話しかけられてた。

 

幸福の基準。

 

仕事とはいいつつ。疲れない程度に人間観察はする。カバンでガードしてる輩とか隣のティーンの人生を想像してみる。

不思議なことだけど。

僕からみて幸福を手にしてる人の多くは「自分のことより先に誰かを思いやっている」。つまり、誰かの役に立っているという実感がその人を幸福にしている。いつも嘆いている人は「いつだって自分のことを先に考えている」。

これはなんというか、人間の真理だと思う。なぜって、人は一人では生きていないから。

基本的に無料のコンサートは好きじゃない。だって、八百屋でタダで野菜を配らないでしょ?でも、そのオファーを受けるのは主催者たちが街に音楽を取り戻そうとしているから。その街にもさ、でっかいフェスはある。でも、その手のものと市井のものは分断されてる。おかしな話なんだよね。そのフェスに出たからといって、動員が増えるわけじゃない。人々はカタログ的に音楽を味わって、満足なのかもしれないけど、フェスってのはほぼ簡単なサウンドチェックのみで演奏するわけだから、決して万全の音じゃない。音楽の奇蹟を起こすにはそれなりの準備ってもんが必要なんだよ。

主催者はもちろんだけど、演者も、オーディエンスも。ただ享受してるだけじゃなんにも変わらない。羊でもオオカミでもなく、その両方になれる懐の深さが必要なんだと思うんよね。祭りってさ。もっと土着なんだよ。今年も実りがありますように!とかさ。もっと切実なんだって。

もうひとつ。志をもって、続けること。それが一番難しい。人生は文化祭じゃないからね。だから続けてる人は応援します。たとえ実らなくても、続けるって言い放って棺桶に入ったんだったら、それは貴重な人生の勝利だとオレは思う。

そういうことも含め、面白おかしく人間力で突破して、音楽ってすげーってところに到達させるのがオレの役目。それができたかどうかは不明だけど、場所を与えられたからには全力でやらせていただきますとも。ステージに上がって、さてどうする?なにも湧いてこなくなったら、即引退。でも、まだ大丈夫。いつだってこころの中にはロンドンコーリングのEmが鳴ってるから。

っていうか、こういうことが自分を成長させてくれてるんだと思う。世間と自分はどんどん乖離していくけど、それは当たり前だし、歌うってそういうことだと思う。

で、なにも食べないまま帰りの新幹線に乗って。隣の席はティーン。んー、駅弁屋に寄ったなら、紐を引っ張って加熱するタイプの牛タン弁当しかなかったんだよね、、、。どうしてこれが売れ残るかって、匂いが周囲に充満するからなんだよね。

ティーンに「すいません」とひとこと謝って喰った弁当。ちっとも幸福じゃなかった。チーン。

それもまた人生。

 

アーメン。

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幸福の基準@仙台にて への10件のコメント

  1. 放射線1号 より:

    今年も秋の仙台でカッコいいギターを聞かせていただいてありがとうございました。
    秋の陽射しが綺麗で、本当に良い一日でした。

  2. 夜の桃谷 より:

    ジーンと来ました(^^)

  3. そばや より:

    昨日は、ありがとうございました。
    いろんなことを感じ、受け取りました。
    自分の基準を(視点を)持てるように心がけます。
    来月の、弘前のライヴにも行きます。
    もちろん、いい顔で!!

  4. ReaMo より:

    "そこかよ"って思われるかもしれませんが、ティーンに「すみません」。良いですね。紳士ですね。私も見習わさせていただきたいと思います。
     きっとそのティーンも思っていると思います。"こんな時はこんなふうにするんだ"と。そして大人になったら同じように振る舞うと思います。

  5. かつらぎ より:

    あつくもさむくもなく、雲の少ない快晴。天高く、音が響き渡って、きもちよかったーー。アーティストと、街と、暮らす人をつなぐ、音楽の渦をつくるフェスでした!山形県長井市からお見えになった、甦る稲刈りツアーでお世話になったコンダクターの方が、花笠音頭の演奏を大変喜んでいらっしゃいましたよ!山口洋の声に、犬が遠吠えで答えていたり、宮沢賢治の又三郎みたいな渦をかんじる、突風が吹いたり。不思議で楽しい美しい音楽の場所でした。

  6. fujiiku より:

    「駅弁」を食べるのにも気遣いが必要になったのですね・・・
    私も先週東北の実家に1泊2日の爆弾帰省をしましたが新幹線はすいていました。生き返りで1冊の本を読み終えました。

    私は昨日のブログの「南関揚げ」がかなり気になりますね。今度探してみます。

    stonesの新作 期待感はほぼ無かったのでですが80歳の作る音楽に圧倒されました。
    何をするのにも年齢は関係ないですね。その人自身にかかってくると思います。
    ちなみに私「アンダーカバー」はかなり好きです。もちろんそれ以前のstonesとは比較はできませんが。私も頑張りたいと思わせてくれただけで幸せです。

  7. ポレポレジャスミン より:

    上手くまとまらないけれど…。

    幸福の基準。
    とても心に沁み、考えさせられ、励みになりました。

    生活に追われる日々…。

    叶えたい夢は沢山あるけれど、現実を見ると実らない可能性の方が多いと思わされる日々。

    だけど、だけど、たとえ実らなくても好きだから、やっぱり続けようと思いました。

    改めて、希望が見えました。

    沢山のありがたい言葉。
    心から感謝します。
    ありがとうございます。

  8. オバキューピー より:

    いざ仙台!と、常磐線各駅停車に娘と乗り込み北上。原町で「常磐線、信号不具合により運行を見合わせております」の放送。再開の目処が立たず仙台行きのバスに飛び乗る。すると「常磐道で事故のため途中一般道路を走ります」と運転手さん。なんだって⁈10時過ぎに仙台に着く予定が11時40分過ぎにやっと到着。地下鉄どっち?とキョロキョロしながら(田舎者です)ダッシュで階段駆け降り乗車。なんとか開演直前に会場入り。こんなこともあるんですね。でも家を出て約6時間後に着いた場所は会場全体が愛でいっぱいでした。音も気持ちよく食べ物も美味しく、もちろん出演者も素晴らしくて、このイベントを支えてくれてる人たちの優しさに満ち溢れた時間を過ごせたことに感謝です。

  9. カジ より:

    山口さんのダイアリーは、いつも絶妙のタイミングで、気づきだとか、忘れかけていたこと、メッセージをくれて、、、ありがとうございます。2023年度は、農家の同志会長、防除組合のブロック長を兼任するなど、いろいろ任せられる責任ある立場で農業に従事する日々を暮らしています。忙殺されそうで心配していましたが(農作業は相変わらず思い通りにいかないことの連続ですが苦笑)なぜか例年より心身いきいきと健康で過ごせています。苦悩はなく、充実の日々です。なかなか、しっかりと休めるボーっとする時間は無いのですが、SNSはやめました。山口さんのギターアルバムを流しながら、夜明け前に本を読んだり、ギターを弾いたり、ランニングしたり、バイクに(遠くにはなかなか行けませんが)乗ったりしながら、その先ではやはり、毎日みかんと向き合っています。12月になったいちばんおいしい頃に、1箱、贈らせてください。いよいよ来週から、収穫になります。まずは先日突き指したので、それをしっかり治します笑笑。

  10. ミツバ より:

    このダイアリー読んで、泣きそうになりました。

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