誠実に生きること

12月29日 金曜日 晴れ

暗いニュースが多かった中でみんなが祝福してくれたこと。そのことは忘れないし、とっても嬉しかったのです。

二人ともとてもプライベートな人間だし、芸能人でもないし、黙っておいてもいいじゃんと、半分はこころの悪魔が囁いてました。笑。

でも、ファンが支えてくれなければ、とうていここまで歩いてくることはできなかったわけだし。ならば、ライヴの日に直接自分の口で伝えるのが筋だと思ったのです。そこに来れない人もいるから、それぞれの場所でそっと伝えて、それで終わりにしよう、と。

ところが、、、。恐ろしきネットの時代。これを書いてる場所もネットなわけでして、、、。アーメン、ラーメン、冷や素麺。

今回僕が伝えることは、今の世の中についてです。参考にしてくれたら嬉しいです。

取材にはお金がかかります。タダでは成り立ちません。これまでに無数の取材を受けましたが、取材されるこちらに報酬が払われることはほぼありませんが、たとえば新聞記者はサラリーをもらっているわけで、その時点で取材にはお金がかかっているわけです。新聞記者にもいろいろいますが、稀に素晴らしい記者もいます。社会的意義を常に考え、自分の足を使って調べ、質問をまとめ、記名原稿を書きます。お金をもらう代わりに「文責」が発生していると言ってもいいか、と。責任の所在が明らかなんです。こういう取材は受けていても気持ちがいいものです。

一方、主流になりつつある粗悪なネットニュース。芸能人や著名人のSNS投稿から記事を作ります。取材費ゼロ、文責なし、SNS投稿とWikiあたりのテキトーな内容を組み合わせて薄っぺらい記事ができあがる。まったく足を使っていないし、本人への事実確認も皆無。今回、一件だけ写真提供の要請がありましたが、こちらとしては当然拒否します。書かれたくないんだし。出た写真や記事、すべてこちらは制御できません。通常、このような折衝は音楽事務所がやりとりしたりもしますが、そのような世界からはすでに離脱しています。

誰が書いたかもわからないそれらの記事はあっという間に拡散されていきます。本人たちの思惑とはまったく別のところで。在宅でこのような記事を書くことを生業としている人たちがいて、その閲覧数によって収入が増減しているであろうがゆえ、その記事のテキトーさは加速します。呆れます。

今回、それらを見てものすごい数の人が連絡をくれました。それはそれでいいんです。こんな時代に明るい話題をありがとう、と。

でも、はっきりと言っておきたいのはあれはニュースではありません。勝手に拾った写真を使ってテキトーなことを書くなら、せめて名を名乗れ。文責を明らかにしろ、と。

情報はタダじゃないんです。成り立たないんです。音楽も映画もそう。タダじゃないんです。誰かが傷ついて、誰かが利益を得ている。

僕がみんなに伝えたいのは。そのレベルの記事が氾濫してるってことです。僕らのことならまだいい。でも、シリアスな事件だって当然あるわけで。今日もどこかで誰かが確実に傷ついてるんです。取材もせず、責任も負わず、朝から薄っぺらいものが世界に垂れ流される。人々はスマホを見てそれをニュースだと思う。それは違う!と声を大にして言いたい。

95年の震災を自分の目で見て、それから僕は自分の目で見たものしか信用しなくなりました。今日も世界のどこかで無慈悲に誰かが殺されている。実際にそこにいくことが叶わないとしても、そのニュースと呼ばれるものがほんとうなのか、僕は常に疑っています。自分で選択して、判断しなくては。垂れ流される無責任な主観を鵜呑みにしていたら、バカになる。

人として誠実さを忘れたら、終わりです。

昨日、とある尊敬する人物のサイトを見る機会がありました。どうして好きなのかって、その人が群れることなく、どんなに逆風が吹いていても、自分が信じた道を往くからです。サイトからも誠実さが滲みでていました。僕はいつだってかくありたいし、善きものを世界に循環させたいんです。

せっかくの祝福モードに水をさしてごめんね。常々伝えているように、僕が生きていることは人体実験でもあるので、役立ててほしいのです。

最後にひとことだけ。記事を書いているみなさん。この文責は僕にあるし、勝手な引用は禁じます。

以上!この話は終わり。

これからもこのblogはたいせつにしたいと思っています。たくさんのメッセージをほんとうにありがとう!!とっても嬉しかったです。
もうひとつ、お伝えしたいこと。ライヴ会場で配られていた僕の本のフライヤーに関するインフォメーションです。

文中、12/26から予約受付予定〜と書いてあったと思うのですが、このような状況(上記のような)により、その体勢を整えることができませんでした。すいません!!

これは信頼している仲間たちと4〜5年(もっとかも)かけて作っているとってもたいせつな本でして、いろいろすったもんだありましたが、内容がドえらく素晴らしく、2度と書けない力作でもあり、みなさんに誠実さをもって届けたいとの思いから、外部の出版社を通すことなく、自力で出すことにしました。

60歳を迎えて、これから最後の原稿を書くところです。来年の春から、2年かけて日本中の津々浦々を旅しようと思っています。その頃にみなさんには届けられると思います。なので、ちょっと待っていてくださいまし!!

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誠実に生きること への11件のコメント

  1. ndgydg より:

     山口さんのエッセイ楽しみにしてます。
    以前ブログでのせていた本を読むときに流す
    音楽もつくのですね。さらに楽しみです。
     ライブでプライベートな事をご自分の口から
    発表される時にすごく逡巡されたんだなと思いました。
    このブログを読んでいるからなおさらそう思いました。
    それでも、自ら伝えようとする事に真摯な誠実さを感じました。
    その知らせを聞いた人もとても嬉しかったんではないでしょうか。
     自分もとても嬉しかったうちの1人です。

  2. R&Rが好きな脳外科医 より:

     ご結婚おめでとうございます。私は山口さんのインスタで第一報に触れましたので素直に嬉しかったです。ネットで目にした結婚記事は山口洋、TOKIEというアーティストに対しての想い、リスペクトを感じさせるものは皆無でした。同様にお二人が創られた音楽に対する、リスペクト、愛情というものもありませんでした(だから元○○という見出しになってしまいます。)。それでも多くの音楽ファンは素直にお二人のご結婚を嬉しく受け止めていると思いますよ。
     12月26日予約受付開始となっていたのにサイトがないのでメールを直接送るのかと思ってしまいました(笑)。

  3. s より:

    身内がマスコミに晒されたことがある人はきっとわかると思うけど、ニュースと言っているものがいかに適当で恣意的なものであるか。
    幼い頃に、その拡散する速さと広さの暴力さと、周囲のリアクションを身をもって知ってからは、全ての「ニュース」と言われるものをそのまま受け取ることはできなくなりました。

    きっとそうなるであろうと想像はついていらしたと思いますが、あえてそれでも誠実であろうとプライベートなことを報告されたこと、ファンとして嬉しくありがたく思います。
    どうぞ静かで幸せなお正月を過ごされますように。
    本、楽しみです!

  4. masa17 より:

    長井の稲刈りツアーに参加した者です。
    ツアー中、何度か洋さんが地元の新聞社?テレビの人?と土手に腰かけながらとか、打ち上げ会場とかで取材に真摯に、そして優しく対応しておられた場面が思い出されます。。。
    また、記者の方が田んぼやLive会場でも参加者にインタビューしてたりするのを見ながら、記者の方も伝えたい思いがあるんだろうなって感じたりました。。。。

    うまく言えませんが、世界や日本の情勢や政治、戦争の意味や背景を理解することや情報の取捨選択をすることはもちろん大事。。。だけど、まずはローカルな身近に起こっていることを知ることとか、その活動や行動にいろんな想いがあるかもしんないって想像することが必要なのかなって思ったりしました。。。とか言いながら、自分の地元のことは案外、知らないという矛盾やジレンマも感じたりする今日この頃。。。
    近すぎると気付かないこともあるんでないかいないと言い訳しておきます。

  5. ハートロッカー より:

    山口イズムを常に忘れべからず‥‥と。

    いい加減と嘘だらけの世の中。自分さえ余計れば‥‥分別の分からない人だらけ。
    山口さんの言葉は常に自分に厳しく他者に優しい。
    だからこそ染み込む。

    山口さんの音楽を聴く事は僕等の誇りだ。

  6. 堺のヒロシ より:

    なんか凄い熱波を感じます♪
    2024年の活動も楽しみニャー♪
    (=^ェ^=)/〜♪

  7. ながのしのしろし。 より:

    いくらでもお待ちしてますので慌てないで下さい。
    時間と御身体を大切に。
    もう貴方独りのものじゃないのよっ。

  8. 珊瑚35 より:

    20年前になるのか…私自身、会社にマスコミの依頼が来だことがあります。何度も約束事を確認して、これまでの苦労が報われるのかもとワクワクして生放送を見たら、真逆の方向のまま放送されました。単にネタにされたのでした。一番に責任を負っていた私の上司は1週間以上、ほんとに呑んだくれて朝ダメダメな顔のまま出社して…我々本社への営業所からのクレームは辛辣でした。
    あの時の「裏切られた感」は忘れられず、コロナ対策から政治から自分の勘を頼るようになりました。

    今のSNSに見られる世の中のおかしさは、話す気にもなれないです。崩壊に近いなと個人的に感じます。

    でも、なぜか子どもたちは同じように感じてるようで、非常にドライに捉え、あまり流されてないように見えます。それが私にとって未来の光に感じさせてもらえていて嬉しいです。

    きっと違和感をそのままにしない人たちは、静かな時間を美味しい空気の中、日々の平和をありがたく感じながら今日も生きる、ということに焦点を合わせておられるのではないでしょうか。

    嘘ばかりの世界は自ら錆びますよね。残念ですが、話し合うこともできないのかもしれません。

    洋さん。
    洋さんの生き方が私たちファンを裏切らないということに芯を持っておられるように感じ、涙が出そうになります。
    これからもそばにいてください。
    よろしくお願いします。

  9. fujiiku より:

    エッセイの発売情報ありがとうございます。何かせかしたみたいで申し訳ないです。
    洋さん自身からご結婚の報告を聞ける境遇にいたのは本当に恵まれていたのだなと感じております。

    「人として誠実さを忘れたら、終わりです。」身にしみます。昔キースのインタビューで読んだ「自分に正直である事。嘘を一度ついたらまた嘘をつないといけないからな」
    というお言葉が私の心の支えでしたが 洋さんのお言葉と通じますね。

    ところでこの投稿もニックネームですが、はたしてニックネームでよいのかと
    日々悩んでいるところです。何度か投稿も躊躇した事がありましたし実名がニックネームが悩みがつきません。

  10. hayase より:

    おめでとうございます♪
    TOKIEさんファンなので嬉しいです♪
    良い音楽をお二人で奏でてください♪
    楽しみが増えました!

  11. Sayumi より:

    エッセイ楽しみにしてます♪

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