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“Unknown Pleasures” HEATWAVE
2022.3.18 Release
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2020.6 Release
詳細/購入はコチラ »Blink HEATWAVE
2019.11 ReleaseOfficial Bootleg #007 “THE FIRST TRINITY” 181222 HEATWAVE
2019.5. Release日本のあちこちにYOUR SONGSを届けにいく 2018 山口洋
2019.3.25 Release『OFFICIAL BOOTLEG SERIES #006 19940524』 HEATWAVE
2018.12.19 Release『OFFICIAL BOOTLEG SERIES #005 171222』 HEATWAVE
2018.5.19 Release『Your Songs』 HEATWAVE
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2016.12 Release
HWNR-012 ¥2,500(税込)『OFFICIAL BOOTLEG #003』 HEATWAVE
2015.5 Release
HWNR-010 ¥2,500(税込)DON'T LOOK BACK.
山口 洋 全詩集 1987-2013 B6サイズ 272P 特製栞付き ¥2,800THE ROCK'N ROLL DIARY, 2011 3.11〜 陽はまた昇る B6サイズ 176P ¥3,000SPEECHLESS Yamaguchi Hiroshi / Hosomi Sakana
2011.2.9 Release
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日別アーカイブ: 2023年1月21日
トンカツ定食と野生
1月21日 土曜日 晴れ まず最初に断っておきたいのは、その作品と、その作品に感銘を受けた人を揶揄するために書いているのではないということ。どんな作品を、どんな人が好きになろうと、それは自由。オレが伝えたいのは作品を創るという責任と、そこに潜む恐ろしさ。先入観や風潮という、本質とは無関係のものが与える潜在的な影響。自分の審美眼を磨くこと、エトセトラ。 受け身でなにも考えず、ポテチを喰いながら、エンターテイメントとして捉えるなら、頭を使わないという意味で見事なまでのカタログ的傑作。 オレの大好きな音楽家を、これまた大好きな監督が描く。その時点で傑作が確定したと思い込んでいるオレがまずはまだまだなのである。これは戒めとして、大きな学び。猿も木から落ちることを忘れていたと云う意味において。 開始3分で来たことを後悔した。なにもかもが酷かった。てんこ盛りの内容が時系列に従って速射砲のように繰り出される。余韻も隙間もあったもんじゃない。オレが映画に求めるものは大袈裟にいえば「生きるために必要なひかり」。そんなものに答えがあるわけもなく、善き映画を観たあと、外に出たときに空の中にぼんやりと発見したりするものなのだ。 映画のサブスク化の功罪は否めない。人は映画館に足を運ばない。サブスクに勝たなければいけない。いきおい、なんというか、通販会社の分厚い広告本を強制的に見せられてるような感じなのだ。それは苦痛以外のなにものでもない。んなもん、全部見たくない。だから、カタログとして、この音楽家を知りたいというサブスク的欲求は完璧に満たされると思うが、音楽の深淵さを描くなら、最低最悪の方法を監督が選んでいる。なぜなら。休符そのものが音楽だから。世界には「いかに演奏するか」が溢れている。違うんだよ。「いかに演奏しないか」がほんとうの技術なんだよ。 音楽の映画なのに「MA(マルチオーディオ、音の最終調整をする工程)」がひどい。エンジニアの質がハリウッドのこけおどしレベルで、耳に優しくない。彼が描いた音楽はそれだけでダイナミクスがあるのだから、音量そのものをいじる必要がないのだ。これは音楽家として耐え難い。こういう編集が人々の想像力を奪っていくのだ。以前、スコセッシがストーンズのライヴの編集でこれをやっていて、ほんとうに失望したことがある。言っておくけれど、人間の耳は精巧なのだ。聞こえないものを補正する機能まで備わっている。昔の映画館のようにアルテックのhighが再生されないスピーカーで小さな音で上映してこそ、彼の音楽が際立ってくる。なぜなら、その時代に映画音楽として、名曲を生み出しているからだ。創作者として、その時代の創造力の素晴らしさを伝える責任を監督が放棄していることが腹立たしいのだ。 「トンカツ定食」に例えてみる。あの素晴らしいハーモニーは白いご飯、味噌汁、漬物、キャベツ、からし、そしてトンカツのバランスが生み出すもので、出てきたものがすべてトンカツだったなら食傷するのが当たり前。オレは開始3分で、トンカツの連続が始まることを理解して、もはや恐怖を覚えた。 だいたい想像はつく。どこから資本が流れているのか。その圧力も間違いなくあるだろう。あの監督がこんな編集をするわけがない。同時に過度の敬意がもたらす客観性の欠如がトンカツの連続を生み出しているとも思う。 総じて、怖かった。モノを創ることとは主観と客観の連続だから。戒めとして、一生忘れないでおきたい。 もういい加減、自分の目で判断したらどうなんだろう、と。いろんな「便利さ」が人間の能力を奪っていく。すべてAIに置き換えられていくだろう。そして人間が自分ではなにもできない存在になったとき、失ったものの大きさに気づく。これがサブスク映画なら、オレもここまでの危機感は持たないけれど。あの音楽家をあの監督がこのように描いて、絶賛されていることが衝撃なのだった。 野生を失ってはいけない。