HEATWAVE / 夕陽へのファンファーレ #002

11月9日 日曜日 雨

このシリーズの投稿、人気ないっすね。ヘビーっすか?でも、まぁ、自分にとっては、気持ちを整理して、前に向かうために必要な作業なんで、続けますね。

——————————————–

昨日書いた、世界は容易に咀嚼できるような状況ではなかったってこと。たとえば、ほんの一例ですけど、こういう感情です。

たとえば、今年の9月15日に原発から2.5キロしか離れていない国道6号線が「開通」しました。この写真は僕の仲間が最近撮影してくれたものです。車内での線量です。狂ってるのはオレすか?世界すか?両方すか?アベちゃん、これは犯罪だよ。どんなに近くてもオレは通りたくない。

 

 

 

ふーーっ。気持ちを落ち着けて、と。

 

 

 

そして、僕を励ましたのはこういう言葉でした。いつものクリシュナムルティーです。

「“真理”は、自己の思考が完全に終焉したときに、向こうからやってくるものである」。

明けても暮れても。僕は毎日、海や夕陽と会話をしていました。ある意味、それは自分との対話なのですが、大切な時間でした。「走る」と云う行為が素晴らしいのは、発想が作為ではなくなるところです。考えないことによって、自分の深層にたどり着くことができます。毎日、飽きずに眺め続けた「夕陽」を、とあるものの比喩にして、僕はバンドで誰かを鼓舞するのではなく、穏やかな、明日の力になるようなファンファーレを鳴らそうと思ったのです。

ある日、その曲が頭の中で鳴りはじめました。誰の曲か不明だけれど、何かの一節であることは分かりました。調べたら、フランシスコ・タレガという人の作品でした。僕の親父が弾こうとして弾けなかった曲だったのですね。笑。だから、彼のギターでその曲をアレンジして弾いて、アルバムに収めました。

タイトルは「Fanfare for the Wasteland」

とにかく。どんな状況であれ、生きていることが素晴らしいと思える音楽を作りたかった。エゴを超えて、誰かのために音楽を作るのは初めての経験でした。仕事場には自分を鼓舞するための標語がたくさん貼られていきました。いわく「お前ならできる」笑。そうでなければ、この途方もない作業を貫徹することは不可能だったと思います。

もうひとつ。CHABOさんとかなり長い時間を一緒に過ごさせてもらって。

僕が受け取ったものは計りしれません。未来を作る唯一の方法は、今を精一杯生きるってこと。それは分かってました。でも、その精一杯ってのは、得てして、自己満足になりがちなのです。彼はそれに加えて「丁寧に」生きることを背中で教えてくれました。

僕は確実に変わりました。O型特有のいい意味での「ガサツ」な大らかさは残したまま、すべてのことに対して「丁寧に」なりました。結果はおのずと変わってきます。それは新しいアルバムを聴いてもらえば分かると思います。音だけはなく、音の隙間まで、静かな情熱を込めました。

僕らは面倒くさい道を選びます。それしか出来ないとも云えるし、時間がかかっても、誰かのこころに深く染みていく方法を選びます。「いのち」の大切さを伝えるのはその方法しかない、と思うのです。(続く)

カテゴリー: 未分類   パーマリンク

HEATWAVE / 夕陽へのファンファーレ #002 への9件のコメント

  1. マッチー より:

    愛媛の2デイズ行けない日程でがっくりきてます。高知ではチャボさんとの公演はありましたがソロは2014年なかったんですよね。少しさみしいです。洋さんに影響され自分にできること少しづつ積みあげてきました。自分の職場で復興プロジェクトもでき係でもないのに勝手に首突っ込んで今では一員みたいになってます(笑)一年やって思ったのは情熱がないとできないんですよね。洋さんが言っていたように小さくても炎はたやさず燃やし続けていきます。近いうちHEATWAVEの新譜を持って高知へ来てくれるようできることは情熱傾けて取り組んでいきます。LIfe goes on!

  2. ひっしー より:

    今月、ひさしぶりに東北を訪れる機会を得ました。
    福島。釜石。そして大槌町あたりを訪れる予定です。
    一昨年に行った仙台、南三陸のときの気持ちと併せ、
    自分の中で何が発酵してくるのか。
    外であり、内である”日本人”のひとりとして
    それをしっかり確かめたいと思います。
    ひろしさん、東北行きのためバンドのライブには
    行けませんが、心からライブの成功を願っています!

  3. saw より:

    「人気ない」って、もしかしてコメントの多寡ですか?
    読まれた量にコメント量は比例しないと思うし、
    響く染みた考えさせられた文章だからこそコメントは多くはつかないということはあると思います。
    僕は少なくとも響いた文章やライヴやものことを機敏に一日二日で言葉にすることはできないし、したくもありません。そういうものもおります。

  4. 愛ぴょん より:

    丁寧に、精一杯、生きる。
    時間をかけて、誰かのこころに深く染みていくように。
    沈黙、静寂という時も大切です。そこには静かな情熱が込められています。
    穏やかに深く鳴り響きますように、ファンファーレ。

  5. うっちゃん より:

    よしそれでは、なぜ私がHWが必要なのかを少し…
    私は、7年前大病をし諸々あり生まれた愛息とも寝食をともにせず生き別れの道を選んだダメな人間です。あることないこと言われました。未だにパパと呼ばれたこともありません。憎しみから何も生まれない…。先日も、愚弟が薬物で捕まりました。私は、どこかでいつも人のことで心痛めてます。そんな中、HW山口洋さんのバイブレーションは1:1の関係の距離感でマイクを通して伝わって来ます。某中川さんや某リクオさんでは得られない何かを感じるのです(中川さんやリクオさんファンの方、すまん…)千人の群れに歌うのではなく、千人の個人に歌っている気がするのです。多分、唯一無二です。異論あると思いますが「時間がかかっても、誰かのこころに深く染みていく方法を選びます。」を、私は支持します。
    プライベートなことをコメントに書くのは好いことではありません。最後にします。

  6. Froggy II より:

    ライブで拝見するCHABOさんは一見、不良ぽくて荒っぽい感じなんですが(すみません)、伝わってくるエナジーがとおっっても微細で、しかも強力。たとえ地団駄ふんで抵抗しても、ライブが終わる頃には優しい気持ちにさせられてしまうので(笑)、なにか不思議でした。でも山口さんがCHABOさんから丁寧な生き方を教わったと聞いて納得。「丁寧」は、優しさや思いやりで満ちている言葉ですものね。

    「いのち」の大切さを伝えること。時間のかかる面倒くさい道かもしれませんがそれしかないというよりは、それが一番明るい道なんじゃないでしょうか。「丁寧」って手間をかける、面倒くさいことでもありますから。笑 (でも勝手ながら、時間がかかると決めてしまわずにがんばってほしい、という気持ちもあります)山口さんやHW、CHABOさんの音楽から受け取ったものを、わたしも次の誰かに丁寧に渡せるように生き方をがんばります。

  7. 負☆野球犬 より:

    自分は今年の6月から開通するまでの間、通行許可で何度も6号線を通って、南相馬の現場に行きました。いつも線量が高く毛穴が開くような、ゾクゾクした気持ちで通過してました、事故や渋滞で長く留まる事がなければよいのですが。
    山口さんとCHABOさんが相馬でライブする二日前に、モリタミュージックさんに行き
    山口さんのCDを購入して、ライブ会場の場所を訪ねて、一人で歩いた事。帰りの車で買ったCDを聴きながら、息子の待っている顔を思い浮かべて、原発の横を通った事は思い出です。自分はこうして生活して、ミュージシャンが地元に来てくれるのを親子で楽しみに待つ生活をしてます。ミチロウさんとも今週アピアで再会できます。
    昨年アピアで小僧と観たミチロウさんとの新相馬盆歌。いつかまた観たいです。

  8. トオル より:

    若いうちは身体でとらえ、その内、頭でとらえ、最後に魂でとらえる♪
    俺の大好きなホーボー君が言ってました!!
    まさに、魂でとらえ出しましたね♪

    魂のファンファーレ丁寧に感じさせていただきます♪

  9. Kumiko より:

    夕陽には1日の疲れを癒してくれる力があると思っています。オレンジ色に染まる空にご自身がエネルギーを貰っていたのですね。

    “誰かのために音楽を作るのは初めての経験でした”…意外な言葉だった。
    架空の風景ではなく、誰かの為に風景を描く事も過去の作品にはあるのかと思っていました。

    チャボさんから受け取ったもので洋さんが変わったと思う場面はライヴを拝見していて感じることはあります。MC弾けてます。面白くなりました(笑)w
    そこかい^^;って突っ込まれそう。

    “丁寧に生きること”
    私も心掛けたいと思います。
    命の大切さを繋ぐ唄を鳴り響かせて下さいね。

コメントをどうぞ

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

*

次のHTML タグと属性が使えます: <a href="" title=""> <abbr title=""> <acronym title=""> <b> <blockquote cite=""> <cite> <code> <del datetime=""> <em> <i> <q cite=""> <strike> <strong>