茶番

5月21日 日曜日 曇り 

 知ると怒りが込み上げてくるのがわかってたから、ニュースを見ないようにしていた。

 大国の「核の傘」の下に居たいがために、気を遣いまくってヘラヘラしながら、同時に「核なき世界」って言葉を広島で軽々しく使ってほしくない。

 長崎と広島の資料館に行って、衝撃を受けないのだとしたら、その人の感受性はどうかしてると思う。戦時に於いて、信じがたいことを人間はする。その可能性は誰のこころの中にも潜んでいることを教えてくれる。かくいうオレだって、戦時に於いては軍国少年だった可能性が高いと思う。

 何度も書いてきたけど、ミスター小泉が首相だったころ、原爆祈念式典のゲストで呼ばれた。会場の片隅で、一輪の花を手に、震えながら祈り続けるおばあさんを見た。オレはその光景が忘れられない。

 もうひとつ。アイルランドのキーラとツアーしていて。広島公演の前に資料館に行くことを勧めた。敢えてオレは案内しなかった。帰ってきたとき、顔つきが変わっていて、「ヒロシ、ありがとう!」とだけ言った。その夜の彼らの演奏は凄まじかった。

 なにが言いたいかと言うと。

 平和とはひとりひとりのこころの中にあるものだ。その集合体が持つ力のことだ。自国の利益やマスコミを通してどう見えるか、なんて考えてるやつのこころの中にそれはない。

 このサミットにまったく意味がなかったとは思わないけれど、目を凝らして見たなら、あぶり出しのように浮かんでくる「世紀の茶番」をどう捉えて、今日自分がどう行動するか。そこにかかってると思う。

 そのために一体どれだけの金を使い、どの国が幾ら負担し、どれだけの人員を派遣したのか。そして一体どんな「効果」があったのか。税金を使っている以上、それを速やかに明示するのが、やつらがやるべきことだと思うよ。

カテゴリー: 未分類   パーマリンク

茶番 への3件のコメント

  1. fujiiku より:

    意識的に避けていたのではないのですが私の目・耳に届いてくるのは「どこどこに行った」「なになにを食べた」などばかりだったような・・・世界のリーダー達は良くも悪くも私の胸に引っかかるものを残してくれなかった気がします。洋さんのブログでは私にとって「耳に痛い話」や「答えの見いだせない問いかけ」も多いですが立ち止まり考える機会を与えてくれるかけがえのない場所です。これからも長く続けてくださいそしていつもありがとうございます。

  2. ハートロッカー より:

    言葉力があって嘘が無い。ノーウェアマン。山口さんやっぱあんたが好きだわ。

  3. 今城真人 より:

    報道によると、広島で兵器提供の話をするのってどうなの?

コメントをどうぞ

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

*

次のHTML タグと属性が使えます: <a href="" title=""> <abbr title=""> <acronym title=""> <b> <blockquote cite=""> <cite> <code> <del datetime=""> <em> <i> <q cite=""> <strike> <strong>