完成 !

6月14日 水曜日 曇り

今年のOFFICIAL BOOTLEGシリーズ、予約受付中!

DVDにはスタッフによるツアー密着ドキュメントも収録されています。

ツアースタッフ密着ドキュメント _over the thousand days_

 

さて。

晴れたので久しぶりにバイクに乗って、ソニーの乃木坂スタジオへ。1992年に発売された3rdアルバム「陽はまた昇る」のカッティングです。

平和島のパーキング。東京行くのも余裕をもって一回休憩すんのがおじさん流。

奇跡的にと言ってもいいと思うけれど、このアルバムのマスターテープはアナログで、完璧な状態で保存されていました。なんつったって31年前の話っすからね。レコーディングもアナログ、マスターもアナログ、そしてフィニッシュもアナログ盤。これぞアナログ盤の醍醐味!

今の音のように過度にコンプレッションもされておらず(近年の音は波形で見るとよくわかるけど、レベル合戦で音を詰め込みすぎて弁当箱みたいな波形になります。それはアナログ盤には向かないのです)、レベルの入れ方もテープ・コンプレッションが絶妙にかかっていて(ちょっとだけレベルをオーバー気味に入れると、ピークがオーバーロードした分だけいい感じでコンプレッションされます)なんと言っても音が素晴らしすぎてEQなどの手を入れる必要がなかったのです。マスタリングを担当してくれた酒井くんも驚いてました。(彼の仕事もほんとうに素晴らしいんだけど)

このアルバムもまた、まったく売れなかったけれど、31年経過して、自分たちの仕事がどれだけ素晴らしかったかという妙な励ましが若き自分たちの仕事によってもたらされるっつー奇妙な図式。あまりの素晴らしさにわたくす、当時のエンジニア(今もだけど)森岡氏を呼びました。「いますぐおいでよ!」って。残念ながら彼はロンドンで仕事をしていて叶わなかったのですが。

アナログがどれだけアナログかって。31年も聞かれていないマスター・テープはオーブンであっためられてからプレイヤーに乗せられます。ほんとだよ。ぐるぐる巻きにされたテープの磁性体がくっつかないように。劣化しないといわれたDAT(デジタル・オーディオ・テープ)なんて今やエラーだらけ。デジタルのエラーなんて聞けたもんじゃないんです。

その素晴らしいマスターを3分削って、片面23分ギリギリまで収録してアナログ化の作業は終了。ほんとうは片面17〜19分くらいがベストの音なんだけど、こればかりはしょうがないっす。最初からアナログのことを考えて作っていないので。

ただ、質感はアナログのまま、アルバムの流れを失うことなくアナログ化に成功したと思います。ソニー録音部の伝統が引き継がれているのもとっても嬉しかったっす。

余談だけど、カッティングマシン。今回使われているのは70年代のノイマン社製です。世の流れでCD化するとき、最初に売り飛ばしたのはソニーです。結局こんな機械、誰も作れず、アメリカから買い戻したのもソニー。なんだかね?

カッティングマシン。70年代のものってほんとに好き。

ザ・機械!って感じがね。

発売は初冬かな。楽しみにしていてください。

このアルバムはベーシックを福岡で録音。ダビングを六本木と信濃町にあったソニーのスタジオでやりました。六本木のスタジオからの帰りしな、いつも凛々しく立っている東京タワーにどれだけ励まされたことか。ほぼ同学年なのですよ、彼と。周囲はすっかり変わってしまったけれど、彼は変わらず立っています。嬉しくて、そこを通って帰りました。好きなんだ、東京タワー。

凛々しき東京タワー。六本木から眺める。

さぁ。今日は友部正人さんと横浜でリハーサルです。ようやくここまで辿り着いたぞ。このコンサートは僕からお願いして実現しました。なのに、僕がコに罹患して延期。

毎日、友部さんの曲を身体に入れているのだけれど、若い頃よりその凄さが身に染みます。凄すぎます。一緒に描かせてもらった曲もあるんです。このライヴ、ほんとうにお見逃しなく。なんといっても、オレが一番楽しみにしてるかも。

 

OFFICIAL BOOTLEG、本日NO REGRETS社に最後の部材が届いたら、ネコたちとマッハで作業してなるはや発送をこころがけます。週末のライヴでも「早期特典」つきで手にしてもらえます。ぜひ!

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完成 ! への2件のコメント

  1. のり より:

    「陽はまた昇る」はヒートウェイヴとの出会いのアルバムで僕の中での1番のアルバムです。(他のアーティスト含め)
    プレーヤーが無いから「柱」は見送りましたが、こっちは買うと思います。
    この完成されたアルバムのどこの部分をカットしたのか気になります。自分でも予想してみようかな。
    「なんだったんだCD」と読んで当時を振り返ると、CDプレーヤーが出た時は感動しかなかったけどなぁ〜。。
    あのトレーに吸い込まれるのがカッコ良かったとか、これでレコードのノイズとはオサラバだ!とか良い事づくめな事ばかりだった気がします。
    ただCDからカセットテープに落としているのでデジタル感覚はあまりなかったけども(苦笑)
    CDがあって今のサブスクがあってのアナログ回帰だと思います。
    CDも決して悪いもんじゃ無かったと思います。
    というわけでCDとDVDの到着を楽しみに待ってます♪(笑)
    レコードは半年後ですね。

  2. 青森のロマンティック・ダンディ より:

    散々迷いましたが、サムズアップ行くことにしました。行ったついでに、「陽はまた昇る」アナログ盤発売を記念して、ゆかりの地訪問ツアーも敢行いたします。まずは有栖川公園でアルバムジャケットのあの樹木を探し、記念撮影(風にハモ太郎さん、情報ありがとう、そしてお先に失礼いたします)。そして永福町に行き、友部さんと山口さんが昼間からビールを飲んだという善福寺川ほとりの和田掘公園へ行き、缶ビールを飲む?(かつて新高円寺近辺に住んでいた時は、朝ここまでジョギングして誰もいない広場を裸足で走るというのが一時の日課でした、笑。EPIC YEARS 1990-1995のブックレットには、善福寺公園とありますが、和田堀公園ですね、正しくは。私も長いことそう勘違いしていましたが)。

    友部さんのウェブサイトを見たら、友部さんもジュークレコードには行っていたようですね。私も一度行ってみたかった(松本さんの名前はレコードコレクターズのブルース関係の記事で知っていましたが、このブログで福岡ロック界伝説の人であることを知ったときは驚きました)。そういえば、この間のICU高校での講演のタイトル「好きを仕事にするということ」は、クリゼンさんのウェブサイト「Bigmouth」の松本さんのインタビュー「好きを仕事にした人」と酷似していますが、偶然でしょうか。

    CDというのは、ソニーの社長だったかがカラヤンの指揮した曲をレコードをひっくり返さず聴きたいがために作らせた、ということを坂本龍一さんが金平茂紀さんとの対談で言っていた気がします。まったく、そんなことのためにレコード文化が廃れてしまって・・・。デジタルというものが世にはびこるようになってから色々なことがおかしくなったように感じるのは私だけでしょうか?

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