月別アーカイブ: 12月 2012

師走に架ける橋

12月17日 月曜日 曇り 「師走に架ける橋」。そんなライヴだったかな。コンサートホールは微妙にクラッシックのような空気が漂っていて、普段かかないタイプの汗もかいたけれど、その分、音の滴の瑞々しさを感じながら演奏することができた。 今年一年の声援に心から感謝します。ありがとう。ミュージシャンのみなさん、一緒に演奏してくれて、ありがとう。スタッフのみなさん、尽力してくれてありがとう。オーディエンスのみなさん、来てくれて、ありがとう。 多謝&再見。  

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井の中の蛙と不偏

12月16日 日曜日 晴れ   父親の命日。午前中に選挙に行って、絵描きである親友とゴッホの話をしていた。アムステルダムにあるゴッホ美術館。晩年のわずか数年間に描かれた絵が時系列に展示してあるセクションがある。絶望とかすかな希望の中でつむがれているのは、高潔な創造力による圧倒的なまでの筆致。たぶん、生涯、人間の最高到達点として僕らの脳裏に刻まれたままだ。  夜。選挙の結果を知る。バーでビールを飲んでいたが、ウルトラセブンのオープニングみたいに、精神のグラデーションがハレーションを起こしたように酔いが廻る。にわかには信じ難かった。俺は狂ってるのか?いや、そんなことはないはずだ。お前が自分の目で観てきたことは、少なくとも自分にとっては真実には近い、と思い直して無理矢理眠る。  翌朝、コンビニで新聞を買って、詳細な結果を知る。もっとも驚いたのは福島の5つの議席のうち、自民党が4つを確保していることだった。どうしても腑に落ちなかった。僕はその地にたくさんの友人が居るが、どう考えてもそんな友人は一人も居ない。ってことは、俺はどこで偏向してるんだ?  小選挙区制度は明らかに憲法違反だと云われている。訴えれば勝てる、選挙結果は無効にできるという説もある。今回も自民党は得票4割で議席の8割を確保している。  とはいえ、それだけではない、この圧倒的なマイノリティー感は何なのだろう。多くの日本人が目先のこと、自分のことしか考えていなかったとしても、ひどく心にわだかまりが残る。検証は必要だった。  例えば、ソーシャル・メディアと呼ばれるもの。僕は積極的にそれを活用するタイプではないし、フェイスブックもmixiもやらない。ただ、twitterは日に何度か見る。そこから大量の情報が入ってくる。むろんそれらが世の趨勢を平均的に表しているとは思っていないが、無意識のうちにそう受け取っている自分がいるかもしれない、とは思う。圧倒的な情報量の中で、自らが自らの行為によってブレイン・ウォッシュしていると云うか。考えてみれば、当たり前のことで、まずは自分が「この人の考え好きだな」と思う人間をフォローする、そこに集う人たちは多少なりとも似た考えを持っている場合が多いのであって、自分とはまったく逆の考えを知る機会を減らしている。どう向き合うかは人それぞれだけれど、気をつけなければ、井の中の蛙にはなり得る。  自分が世界とどう繋がっていて、今自分が何処に位置するのか。それゆえ、どう行動し、コミットすればいいのか。  何であれ、前述のゴッホの絵は徹底的に自らの孤独と向き合うことで生まれている。向き合いすぎて、反対側に突きぬけている。だから不偏で普遍で不変なのだと僕は思う。  まずは頭を冷やそう。そして、できることを考え直そう。

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リハーサル

12月15日 土曜日 雨   都内某スタジオにてリハーサル。いつだって音楽は愉しい!!  はてさて。僕らのプロジェクトの今年最大の目標。福島の子供たちとのイベントもあと1週間あまりになりました。NTT福島が子供たちとの共演のために飛び回っている堀下さゆりを取材してくれ、特設サイトを作ってくれました。 http://www.ntt-fukushima.com/genki/  さ、明日は選挙だ。大人の責任果たしにいこうぜ。

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忘れられない風景

12月14日 金曜日 晴れ 去年の今ごろ、誰も居なくなった飯館村を通ったときのことが忘れられない。人が一人も居ない風景。そんなに原発が必要だと云うのなら、あの風景を自分の目で観た上で云って欲しい。 あの選挙が歴史の分岐点だったと、後から振り返っても、もう遅い。僕らは世界を変えることができる。そんな気持ちを込めて、僕は自分の一票を投じることにする。

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二つの「満月の夕」

12月13日 木曜日 晴れ   先月僕が経験した二つの「満月の夕」。多くを語るよりも、観ていただいて、何かを感じてもらえれば、と思います。  ひとつめは、11/2に福島県相馬市で行われた「Live for Soma City vol.2」での仲井戸 ” CHABO ” 麗市さんを迎えての演奏。  もうひとつは熊本県菊池郡大津北中学校の全校生徒が歌ってくれる「満月の夕」。  ふたつの映像のアップロードに際して、多くの方の協力を頂きました。この場を借りて、深くお礼を申し上げます。 追伸 中学生の映像、you tubeページにアクセスすると、中学生からのメッセージが読めます。是非。

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生活の中の音楽

12月11日 火曜日 晴れ 横浜のサムズ・アップは欧米にあるような、仕事帰りの人が食事をしつつ、一杯飲みつつ「生活の延長」で音楽を楽しむことができる希有なハコです。お高くとまった感じがまるでないし、スタッフも情熱を持って接してくれる。イベンターが居て、きちんと仕切られていて「よっしゃー、ライヴやるぞー」ってのもいいけど、こうやって楽器を持って、ふらっとやって来て、お客さんとライヴを作っていくのも僕は好きだ。お互いの「生活」ってものが密接に繋がって、最終的には非日常を目指すところが。 何度も書いたけど、(確か木曜日だったと思う)その曜日になるとウッディー・アレンが必ずクラリネットを吹きにくるクラブがNYにはあった。そういうの、僕は好きだ。毎月の第何曜日はいつもサムズアップでHWセッションやってんだよね。と、そういうことを夢想したりもする。 ときどき、スケジュールに空きがあったときに、オーナーのサフさんから「ヒロシさん何かやってください」と僕に泣きが入る。やっぱり、どこでもそうなのだけれど、土日からスケジュールは埋まっていくのだと。それはそれで良しとして、僕はこのようなハコでウイークディにもフツーにライヴが行われていることに魅力を感じる。だって、それこそ「暮らしの延長」だからね。 今日、とある人が教えてくれたのだけれど、日本の若者がひと月に音楽に使うお金の平均は80円なのだと。つまりふた月に1曲くらい気に入った曲をダウンロードして買うってことなんだと。 でもね、これは若者のせいじゃない。音楽を作ってきた我々や業界の責任だ。すべてがネットのせいでもない。サッカーに例えるなら、Jリーグは地域に根ざして、ユース世代、ファンを育て、ワールドカップに連続して出場し、地域が世界に繋がっていることを証明した。そして、若い世代は世界を目指し、ついにマンUに選手を送り込むまでになった。この頃、子供たちと接して思うのは、サッカーに夢中な子が多いことで、誰もギターを手にはしない。 僕らの世代の音楽は、自分で演奏するものだった。でも、業界は目先の利益に囚われて、音楽全体の裾野を拡げようとはしなかった。結果、音楽は使い捨てのものに成り下がってしまった。 でも、この小さなハコにはまだ確たる希望がある。音楽が音楽として、有機的に機能している。巨大アリーナツアーがあってもいい。そして、このようなハコでの音楽のあり方があってもいい。その多様性こそが未来だと僕は思う。 今日もまたサムズ・アップから復興支援のCDの売り上げをプロジェクトに預かりました。その詳細の報告はプロジェクトのwebで確認してください。ほんとうにありがとうございます。 ———————————————————————————- 本日のスペシャルゲストは矢井田瞳嬢。前日まで39度の熱があって、「頼むから無理しないでね」と伝えたにも関わらず、一日で治して素晴らしい歌と演奏を聴かせてくれました。このド根性娘!!!!! 失礼、ド根性お母さんか。おっとこまえー。ほんとうにありがとう。みんなもこんな至近距離で観ることができて良かったね。 ヒゲボーボーの魚さんも、オレも、ヤイコさんも、今日この空間で演奏することを、緊張と弛緩を合わせて愉しみました。来てくれて、ありがとう。17日にはこのラインアップにフィドルのミオポンも加わって、恵比寿ガーデンホールで演奏します。是非、来てね。詳細はこちらに。

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リハーサルとお知らせ

12月10日 月曜日 晴れ 都内某スタジオにて、明日のライヴのリハーサル。いい感じで音の会話を愉しみました。 ところで、明日出演を予定していたシークレット・ゲストが体調がすぐれないため、出演できないかもしれません。将来のある身っつーか、音楽界の宝なので、こちらから無理をしないようにお願いした次第です。悪しからずご了承くだされ。 ———————————————– スタジオへの道のり。 この頃は音楽よりもラジオのアーカイヴスを聞いています。いろんな番組があって、ひじょーに面白い。今日はとある脚本家の発言を聞いていました。いわく、「日本と云う国をexスーパーカーに例えるのなら、アクセルだけのクルマで、 バック・ギアとブレーキがない。回遊魚に例えるならマグロで、泳ぐのをやめたら死んでしまう。マグロの場合は自力で回遊しているからともかく、ニンゲンは3メートル先にあるテレビさえ、リモコンがなければ不自由だと感じる。我々は便利さの名のもとに、失ったものについて、今は深く考えるべきである、云々」。彼はこの時代における「希望」についても語ったのだが、ちょうどそのあたりで家に着いてしまった。続きは明日。

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繋ぐこと

12月8日 土曜日 曇り   真珠湾の日。そしてジョンの命日。  ステージにチーフタンズが現れた。でも、それは僕が慣れ親しんだチーフタンズではなかった。僕の大好きなメンバーが3人も居ないのだ。それでもメンバーは前進をやめなかった。何という50年だろう。その胸中を察しているうちに、音楽と相まってぐっと来るものがあった。  新たにカントリーの要素を取り入れ、素晴らしいダンサーを従え、加齢という抗えない強敵を総合的なエンターテイメントとして昇華する形で、推進力に変えていた。天晴としか云いようがなかった。  何よりも、彼らはすさんだ世界中を音楽で繋ごうとしていた。女性ばかりで結成された日本のレディー・チーフタンズしかり、バグパイプバンドしかり、ガリシアしかり、宇宙空間しかり、キューバやメキシコしかり。最後にはオーディンスと手をつないで、望む者たちをステージにまで上げてしまった。あんなにステージに一般人が上がっているのを見たのはイギー・ポップ以来かも。イギーは興奮したオーディエンスをなだめるのに必死だったが、彼らは最後まで人を信用しているように見えて、狂乱のステージの中、さっさと楽屋に帰っていった。  ステージに上がってしまった人たちは表情が変わっていた。醒めやらぬ興奮って顔をしていた。ああやって、すべての人たちにエネルギーを与えていくこと。人と人とを繋いでいくこと。厳しいツアー、そしてスケジュールをこなしながら。  したたかであること。貪欲であること。プロフェッショナルであること。人を信じること。自分を信じること。音楽には力があること。ニンゲンは諦めない限り進歩すること。音楽には人そのものが表されること。エトセトラ。エトセトラ。あまりにも多くのものがステージと客席の中空に浮かんでは消えた。  さて。自分は何処を目指そう。振り返ることに、あまり意味があるとは思えない。ありがとう、チーフタンズ。あなたたちの音楽が好きでよかった。

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松本にて

12月7日 金曜日 曇り   さぁ、チーフタンズを観にいくぜ、と松本のホテルでスタンバイしていたら、不気味に地面が揺れた。本能的にこれはタダ事ではないと思った。テレビをつけ、まず頭に浮かんだのは原発は大丈夫かってことだった。  こんな時に電話をしても意味がない。迷惑をかけるだけだ。TWITTERで福島の友人たちの行動を追っていたら、多くの友人たちは逃げようとしたが、渋滞でどうにもならないようだった。まったくもう、何と云うか、その。復興と人は簡単に云うけれど、彼らには逃げ道さえ用意されていないのだった。嗚呼。  何人たりとも、そこに住みたいという権利は認めなきゃならない。でも、その上で、彼らの心の上に2年近くに渡って暗雲のように低く、深く垂れ込めている「いつ、何が起きてもおかしくない」と云う不安。それだけは取り除いてあげたいと思うし、そこに住んでいる限り、取り除くことは難しい。  よく僕はこう云われる。「あなたは何をしようとしているのですか?そこに住むことを積極的に応援しているのですか?それとも、移住してもらうことを望んでいるのですか?」。僕は云いたい。100人居れば100通りの事情があるのだよ。そりゃ、本心を云えば、そこには住んで欲しくはない。でも、どうしても離れることができない人だって居る。だから、どうにかしようと思えば、それは国策レベルでしかあり得ない。僕らは真剣に候補者を選ばなきゃならない。そして、民意でこの「逃げ道さえない」状況を伝えなければならない。せめて、二車線の「逃げ道」くらいを3方向に作ることくらいはしておかなければ。  僕らは忘れてはいけないことがある。今回の地震にもメッセージがあるはずだ。死者が出なくて良かったということでは決してない。  松本のコンビニで、新聞の見出しを見た。「世論調査で自民過半数を確保」みたいなものだった。暗澹たる気分になった。彼らは原発さえ止めようとしない。憲法を変えようと云う。妙なナショナリズムの風に乗っかって、国民は強いリーダーを求める。誰かに頼るのではなく、ひとりひとりが現実を見つめ、自分に出来ることを考えて欲しい、と思う。彼らに「逃げ道」さえ作れないのであれば、彼らを見捨てたのと同じだ。体験したことはないけれど、「戦前」とはこのような空気だったのではないか、と僕は思う。どうしようもなく気持ちが悪い。  チーフタンズの話はまた追って。

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パディー・モローニさんに会ってきました

12月6日 木曜日 晴れ 長野県松本市で結成50周年を迎えたアイルランドの至宝、チーフタンズのパディー・モローニさん(74歳)に話を聞いてきました。多分、88年。僕のアイルランドへの道を拓いてくれたのは、彼らとヴァン・モリソンが創った名盤「IRISH HEARTBEAT」でした。あのアルバムがなければ、まったく違った音楽人生を送っていただろう、と。感慨深いす。 枯れることのない泉のように彼の口から語られた言葉の数々。多少ヨレかけた48歳の背筋を伸ばしてくれるには充分すぎるGIFTでした。ミュージシャンとして、ニンゲンとして、たくさんの宝をもらいました。もらってばかりじゃダメなんで、行動で、音楽で、これから人々に伝えていきます。 いずれメディアでお伝えすることになるので、話の中身をここに書けないのが残念ですが、「パディーさんとて、長い旅路の中で、道に迷ったことがあると思います。そのときのあなたの北極星は何だったのですか?」という僕の愚問に彼が何と応えてくれたのか。それだけはお伝えしておきます。 「それがね、僕は悩んだことがないんだ。アイデアがありすぎて、やりたいことが多すぎて、そして忙しすぎてね」。48歳は絶句しました。その応えの真偽よりも、こんな事を云いきれる74歳のミュージシャンに僕はなりたい。 今回のインタビューに際して、骨を折ってくださったみなさんに感謝を。通訳の染谷さん、あなたが居なければこんなに素晴らしい話は聞けませんでした。そしてパディーさん。伝えることに一切手を抜かないあなたの魂に心から感謝を。 ————————— 明日、松本でいよいよ日本最終公演です。まだ観てない人は迷わず是非来んしゃい。メゲてる人もきっと元気になるぜ。中央道、今日は僕も迂回したけど、通常プラス1時間くらいだったよ。もちろん、オレも行くぜー。何と最終公演なので、古参メンバー3人が終演後、サインをするそうです。 「ザ・チーフタンズ」いよいよツアー最終日! 12/7(金)長野 まつもと市民芸術館 18:30開場/19:00開演 一般:6,000円/ペア10,000円(税込) 問・予約:0263-33-2200 50周年記念ワールドツアーの最後を飾るのは、松本公演。 公演後に御大たちがサインすることになりました。このツアーで初めてのサイン会!パディ、マット、ケヴィンがロビーに!全員でるかも! 最後はお馴染みのフォークダンス、全員参加で盛り上がりましょう! http://blog.goo.ne.jp/plankton-staff/

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