日別アーカイブ: 2014年12月3日

夕陽へのファンファーレ、発売日 official interview #1

12月3日 水曜日 晴れ ううっ。嗚咽。遂に発売日でございます。嬉しい。 これから数回に分けて、オフィシャルなインタビューを掲載します。特設サイトにはそのコーナーも設けます。メディアへの露出が少ないので、僕が信頼している音楽文筆家、野田隆司さんにお願いして実現しました。彼はこれだと思った音楽のためなら、住んでいる沖縄から飛んできます。このインタビューも福岡まで来てくれたのです。情熱がある人が僕は好きです。写真は麻旅子姐さんです。 特設サイトはこちらです。試聴もできます。 ———————————— interview  山口洋(HEATWAVE)『夕陽へのファンファーレ』 “情熱”と“丁寧”で紡がれた、新しいロックンロール。 12月3日、多くの人が待ち望んだ、HEATWAVEの7年ぶりのアルバムとなる『夕陽へのファンファーレ』がリリースされる。 2011年3月11日の東日本大震災と、福島第一原子力発電所の事故。多くの人々の暮らしを奪った未曾有のデザスター。深い敗北感や焦燥、憂鬱を乗り越えて、絶望の淵から這い上がり、HEATWAVEの音楽もようやく新しい一歩を踏み出した。アルバム『夕陽へのファンファーレ』を通して紡がれる物語からは、多くの人々を励ます確かな希望が感じられるはずだ。 どんよりとした社会の雰囲気を払拭し、世の中をよりよく機能させるための意思。アルバムには、2014年/2015年を生きる私たちに必要なエッセンスが詰め込まれている。 11月13日の、福岡でのライブの翌日、東京へ発つ前の空港のコーヒーショップで、山口洋にアルバムリリースに至る長い道のりを話してもらった。 聞き手、文、野田隆司(ハーベストファーム) 写真、三浦麻旅子   1. 2014年11月13日、福岡にて。 11月13日、福岡市のDRUM Be-1で、HEATWAVE TOUR 2014「Don’t Look Back」を聴く。 今回は大阪〜福岡〜東京と回る、HEATWAVEとしては実に4年ぶりのツアー。当初は、ニューアルバム『夕陽へのファンファーレ』のリリース記念として準備されていたものの、アルバムの制作が大幅に遅れてしまい、CDが納品されたのが初日の大阪公演の前日。セットリストは急遽書き換えられた。 ◎今回のツアー、大阪と福岡の2本を、やってみた印象はいかがですか? 池畑(潤二)さんと(細海)魚、それに(渡辺)圭一、つまりメンバー全員とても前のめりだし、ツアーをやって意識が変わってきたのがすごくわかる。 魚とも話したけど、彼がステージでおどけたことをするのも、ライブに来た人にいい気持ちで帰って欲しいという、最大の努力なんだよね。あんなにシャイな人物が、ああいうパフォーマンスをやっていることに、ものすごく励まされるわけ。池畑さんは池畑さんなりに、魚とは違うやり方で、生きてることをちゃんとみせてくれるわけでしょ。   平日にも関わらず、会場は年齢層やや高めの観客でフルハウス状態。新旧の楽曲にカバー曲を織り交ぜたセットリストは実に新鮮で、ニューアルバムからは6曲が披露された。バンドは躍動し観客は熱狂した。アルバムに込められたメッセージがきちんと深いところまで届く、とても印象的なライブだった。 ◎昨夜ライブの後、すごい数の人がCDのサイン会に並んでましたよね。 99%おっさんだったよね。(笑)でもさ、彼らが仕事を終わった後にスーツをつけたまま見に来てくれる訳じゃん。俺はああいう人たちを絶対に元気にしてやろうって、無駄に燃える。(笑)で、自分で決めてしまわなければ不可能はないし、人生はもっと豊かなものになるはずだということを、体を張って伝えたいんだよね。 ステージ上で “悪い気は全部魚に送ってくれ”と言ってたのは、あながち嘘じゃないんだよね。俺は、同世代からすごくネガティブなパワーを感じるわけ。そういうエネルギーを魚の方に送ってもらって、俺が場を循環させる。それに応えて魚はピースとかやってるし。(笑) みんなが生きていく上で受けてしまった様々なネガティブなものを浄化じゃないけど、まずは祓っていかないと。だって、みんなそういう厳しい世の中で生きてると思うもん。よくみんな仕事帰りに足を運んでくれるなぁと思うし。 ◎それは、ありがたいですよね。 アルバム作ってツアーに出て、メンバーの変化もわかるし、ようやくバンドも一つになってきたし。ヒロシは本気なんだっていうことがわかってくれていると思うし。お客さんは、それに本気で応えてくれてるから、すごく嬉しいよ。人が生きていける理由というのは、自分が世界の役にたっているという実感じゃん。俺はステージにたっているときだけは、生きてる意味があると思ってやってるからさ。 しんどかったけど、これでちょっと先が見えてきたというか。あと5年ぐらいはいけるかなみたいな。(笑)今年バンドを結成して、35年だから、40年までいけるかなぁみたいな気分になるよね。 ◎昨夜のライブでHEATWAVEとしてのライブは今年わずか4本目です。一般的なバンドだと、もっと頻繁に顔を突き合わせてやってるイメージです。4人で顔を合わせることもほとんどないわけですよね。まるで、サッカーの代表選手みたいに、必要なときに招集されるみたいな感じにも見えます。 そう、そんな感じ。だから、ぐっと会ってぱっと別れる。それぞれに強烈な人たちだから、ずっと一緒にいることに耐えられないと思うよ。だけど、それぞれにすごいものがあるからさ。その一瞬にかけて、集中して、音楽やって、酒飲んで、お疲れ、終わり、みたいな。それが50をすぎたバンドの正しいあり方だと俺は思う。今回の一連のレコーディングを通して、50を過ぎたバンドが長続きしない理由が、本当にわかったもん。それぞれの生き方があるわけだからね。そんなに私生活で仲がいい必要なんてどこにもないし。誰も知りたくないだろうし。(笑)そのためには、俺がかなりの部分で身を粉にして働くしかないわけ。 ◎メンバーのみなさんの、HEATWAVEへの帰属意識みたいなものはあるんですかね。 それぞれに違うと思うけど、帰属していると感じてる人は一人もいないんじゃない。多分、池畑さんは、ヒロシのヴィジョンを実現するために力になりたいって思ってくれてんじゃないかなぁって思うし。魚は多分、音楽の実験とか、音楽をやっている喜びとかオーディエンスを元気にする喜び、可能性とか、一緒にそういう旅をしている感じがする。(渡辺)圭一は、出来の悪い弟っていうか。兄弟みたいなものでしょう。(笑)だれも帰属しているとは思ってないと思う。 ただバンドのメンバーそれぞれが、ミキシングができたり、マスタリングができたり、デザインができたりするケースって、ほとんどないと思うんだよね。だから今回のアルバムではあえて、4人でできる可能性を示したわけ。 … 続きを読む

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