日別アーカイブ: 2023年3月22日

永遠の野球少年

3月22日 水曜日 晴れ   27個目のアウトを取るために、トラウトと大谷が向き合っている。もはや出来すぎた漫画みたいだった。  思い返してみると、子供の頃、メジャーリーガー相手に勝つなんて、おおよそ信じられないことなわけで。それが画面とはいえ、目の前で起きていることに隔世の感。  人と人が本気で闘うのはスポーツだけでいい。敬意があって、素晴らしいじゃんね。中国が攻めてくるから離島にミサイルを配置しようなんて輩はたぶん本気で闘ったことがないんだよ。本気で闘ったなら、敬意しか湧いてこないよ。  話を戻すね。  ごたぶんに漏れず、九州の田舎じゃやることは野球しかなかった。今となっては誰も信じてくれないけれど、小学校に上がるまでは身体が弱く、運動を禁じられていたので、家で本ばかり読んでいた。  これじゃいかんと、小学生になったときに、親父がグローブとボールを買ってきて、庭にマウンドを作り、野球の英才教育が始まった。彼は学者だったけれど、教えてくれたのはキャッチボールだけ。今となって思うに、その教育がよかった。真ん中ではなく、いつも内角低めに構える。いわく、ここに全力で直球を投げて、打たれたのなら仕方ない。  6歳でそれを人生の格言にして、野球だけは真剣に取り組んだ。万年最下位のライオンズを稲尾の代わりにオレが救う予定になっていた。中学に上がって、野球部に入部。身長が伸びず身体が小さかったオレは、後に甲子園に行った先輩に打たれた打球を見て、本格的に挫折。何か他の夢中になれるものを探すしかなかった。  でも、みんな野球少年なんだよね。野球小僧。笑。学校から帰ると玄関にランドセル投げ込んで、グローブとバット持って出かけていくあの感じ。  どれだけの子どもたちが憧れのまなざしを持って、今日画面を見つめたんだろうね。それはほんとうに素晴らしいことだと思う。

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