個性を創る

6月1日 土曜日 晴れ

いきなりだけれど、グレッチってギターは恐ろしく完成度が低い。まともなピッチが出る場所の方が少ないし、個体差は激しいし、勤勉な日本人にはぜったいに作れないギター、いい加減にもほどがある。笑。

18歳で念願のグレッチを手に入れたものの、あまりの弾きにくさ、扱いにくさに、まともにステージで使えるようになるまで数年はかかったと思う。

でも、それがよかった。諦めずにそのギターに向き合い、どうやれば、どういう音が出るのか。それを熟知した頃から、自分の音や演奏スタイルが形成されていったように思う。それは個性と言い換えてもいい。一概には言えないけれど、弾きやすいってことは、誰が弾いても似たような音がする可能性が高いから。

ピッチに厳しい若い世代の現場に行くと、俺もコントロールできないくらいのピッチのズレでグレッチが浮いてしまうことがある。それはちょっとショックなんだけどね。

でも、自分が好きな音楽はチューナーもなかった時代のもの。すべてが微妙にズレている曖昧さが僕は好き。だから、こんな時代でも、録音にクリックなんて絶対に使わないし、HWの現場でパンチイン(間違えたところを修正すること)なんてこともほぼ、ない。それは動脈を切ってバイパスするような行為だから。そもそも、スルーで演奏できないのなら、録音なんてしない方がいい。それもまた個性の創り方。

この動画。いつものようにグレッチのピッチ、ほとんどジャストじゃないんだけど、こういう良さを伝えていきたいと思うのですよ。我ながら絶妙にズレてる。笑

gretsch

 

来週からあたスタジオに復帰。何度も言うけど、6/5のHW SESSIONSをお見逃しなく。ここがいちばんの変わりどきだと思うから。

 

 

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個性を創る への2件のコメント

  1. かつらぎ より:

    艶っぽいグレッチ。

  2. タナベ より:

    山口さんの音だなぁ…

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