金沢からご報告

2月18日 日曜日 晴れ

ようやく、北陸に来ることができました。

いつだって災害が起きると、自分がどこまで踏み込んでいいのか、とっても考えます。あたりまえだけど。今回も地理的な特殊性ゆえ、すぐに駆けつけることはじゅうぶんにためらわれました。

無論、物見遊山で来るわけないけど、性格的に自分の目で見なければ、本質的な行動はできないし、かといって駆けつけて、傷ついている人たちにとって思い入れしかない風景が無残な姿になっているのを写真に撮るなんてこともできるわけがない。

それゆえ、今回は金沢で僕がいつも演奏しているハコ、メロメロポッチのオーナー、熊野くん(以下クマちゃん)に相談して、金沢市議でもあり、ボランティア団体も運営している、地域に根ざした太いネットワークを持つ彼に骨を折ってもらい、MY LIFE IS MY MESSAGEのサポート受け入れ先になってもらうことにしました。

なわけで、まずはメロメロポッチを訪ねます。

まず最初に。全国からたくさんのサポートをありがとう!

クマちゃんの店は3/1くらい全国からの支援物資で埋め尽くされていて、そこにわらわらとお客さんがやってきて、名物のよく煮込まれたカレーを食べながら、階上ではハードロックの練習をしているバンドがいて、能登の人たちがときどき必要なものを取りにくる。相変わらずのカオスな状況で安心しました。

以下、クマちゃんが僕に伝えてくれたことです。伝えている時点で僕の私見でもあり、文責はすべて僕にあります。

石川県の水道がどのように引かれているのかってことから聞きました。これはけっこう重要な話なんだけど、説明すると長くなるので、割愛。能登では未だ水さえ通っていない場所がたくさんあって、そういう避難所では調理もままならないので、彼らは要請があった場所に炊き出しに行っています。そういう状況に置かれた人たちがなにを食べているかと言えば、カップ麺などだから、炊き出しは非常にありがたい、と。

なので、今必要としているものは

1. 水(3月末には水道状況は改善されると思われるのでそれまでは)
2. コメ
3. 野菜類
4. 調味料(塩、醤油、酒、みりんなど)

などです。いったん、物資の受け入れはストップしていましたが、上記のものに関しては炊き出しのネットワークで振り分けて使っていくので、直接クマちゃんのところに送ってくれて構いません。(仕分けの手間を減らすため、賞味期限を確認の上、内容物をダンボールに明記して送ってください)

送り先
〒920-0362 石川県金沢市古府町西113 113番地 メロメロポッチ宛

電話 076-266-0775

で、クマちゃんからの伝言です。これまでは送ってくれた人にお礼の連絡をしていたのですが、数が多すぎて、今はそれをできる状態にないので、すいません!と。

で、ここからは僕からの相談。

MY LIFE IS MY MESSAGEには全国から気持ちがたくさん寄せられています。

一回の炊き出しで、食材、諸経費などすべて含めて、100人分の食事を作るのに5万くらいかかるそうです。上にも書きましたが、あたたかい食事は喜ばれるそうです。なので、みなさんの気持ちの還流先として、まずは5,6回分クマちゃんたちに使ってみてもらうのはどうだろう?と。

ご意見は、遠慮なくコメント欄に。

————

富山から金沢にかけて、ものすごく揺れたんだろうと想像できます。でも、失礼を承知で書くならば、金沢はびっくりするくらい平穏で、見たところ傷跡も少なく、いつもの金沢なんです。聞けば先週くらいからインバウンドの人々も戻ってきたそうですが。

これが能登半島に入った途端、激変することも容易に想像できます。あくまでも想像だけれど。

今回、輪島まで行く気満々でやってきたけれど、やっぱり憚られるのです。人の目が気になるわけじゃないんです。そんなことどうだっていい。でも、やっぱり今じゃない気がする。自分がやるべきことは。

お上の言うことなんて信用していないけれど、金沢市内にも以下のような張り紙があります。これは石川県からの通達。

1. 能登方面への不要不急の移動は控えてほしい
2. 義援物資は持ち込む前に連絡してほしい
3. 個人からの義援物資は受け付けていない
4. のと里山海道は緊急車両、災害応急対策車両、被災地支援物資運搬車両、被災地居住者およびその親族のみ通行できる

総合して熟考の結果。万が一のことで迷惑かけられないので、今回は撤退します。

今は後方のサポートに徹して、音楽を届けられるようになったら、と思います。自分の目で見ないと、と思いつつ。これは仕方ないか、と。

以上、金沢からレポートでした。

—————————

たくさんコメント、ありがとね!

読んでくれてるっつーリアクションあると、こちらもやる気がでます。

で、いくつかに反応。

まず、ダイアリー読んでるから本買わなくていいと思ってたって。苦笑。逆だよ!ダイアリーの愛読者だからこそ買ってください!だいいち、内容はまったく別ものだし。かぶっている記述は一切ないし。これ、たぶん一生で二度と作れるクオリティーではないので、永久保存版として買ってください!(キッパリ)よろしくね!

次にマイク。バンドのライヴの時に使っているのはSHUREのSM87Aってやつです。betaじゃありません。これは僕のものではなくて、長年僕のエンジニアをつとめてくれているMくんの会社のものです。

えっと、低音がというより、歌っている本人の印象としては輪郭がとってもくっきりします。あまり使っている人見ないし、今や手に入れるのも難しくなったけれど、いいマイクです。僕はMくんを全面的に信頼しているゆえ、彼がオペレートしやすいことがいちばんなので、彼の選択に任せています。ちなみに、僕らは一生フロントの音を聞くことは叶わないだけだし、相当な信頼がなければ任せられません。彼がライヴのたびに、口が触れる部分を消毒、洗浄してくれているのを実は知っています。お礼を言ったことないけど。信頼ってそういうことでしょ?

ちなみに、どこにでもあるSM58でまったく問題ないと思います。これも古いやつは特別によかったりしますが。低音が出るのは近接効果と言ってマイクに近づけば出るんです。実験してみてください。

歌のパートによって距離を使い分けるといいです。Aメロが低ければ近づく。サビは張るから遠ざかるとかね。声量が半端ない昔の演歌歌手なんてマイクが腰のあたりに行っても、ちゃんと拾います。

Mくんがエンジニアのときは100%任せていますが、知らないエンジニアのときはリハーサルはオフ目に歌ってマージンを稼いでおきます。そうすると、本番でオーディエンスに音を吸われても、自分である程度コントロールできます。なにごともやりすぎ注意でね。

最後に友田さん。

コメントに書かずに連絡してくればいーじゃん。笑。てか、僕らがバンドメンバーに誘った事実なんてありませんから。かように記憶はテキトーなもんです。だって、30年くらい前の話だもん。仕方ない。でも、ツーバスやめてくれって言ったのは事実です。だって、うるさいんだもん。音数多いのは未だに嫌い。笑。経年と共に音数減ってたら、演奏してみたいけど、友田さん増えてそうなんだもん。でも相変わらず元気そうでなによりです。

彼の名誉のために。CARRY ONのドラム、チューニングもプレイも最高!月明かりの路の音も好きだな!

なわけで、友田さんも買ってね!笑

カテゴリー: 未分類   タグ:   この投稿のパーマリンク

金沢からご報告 への11件のコメント

  1. のり より:

    友田さんへの返信があってなんか安心しました。
    大好きな「怒りの門」を引用してたのもあって友田さんのコメントは何回か読み直しちゃいました。当時のヒートウェイヴを思い出しながら。
    ヒロシさんが指摘した風景も目に浮かぶし、その理由が「うるさいんだもん」という直球っていうのも好きです(笑)
    CARRY ONと月明かりの路、聞き直してみます。

  2. Masako より:

    あたたかい食事をしていただけることは賛成です。昨日のお話しで、地元の方々はなかなか自分たちでは動けなかったそうです。海外からもたくさんの缶詰が届いていたそうですが、外国語のため、何の缶詰か分からなったそうで。野菜も置き去りで、傷んだ物も多かったようです。ボランティアの方々も時間が制限されしまい、あたたかい食事が提供できなかったため、あたたかい食事が提供できるように、提案されたそうです。ニュースでは、孤立地域はなくなったそうですが、ボランティアの入れない場所も多いようですから。1日も早く、みなさまが普通に生活が出来るようになりますように。

  3. パネル工 より:

    俺も怒りの門聴きたいです。泥臭くてかっこいい曲。
    ファンとして友田さんと山口さんのやりとりは嬉しかったです。
    山口さんの返事読んだら、俺が泣きそうになりました。笑

  4. ながのしのしろし。 より:

    早速マイクのお話…しかもあんなに御丁寧に…聞かせていただき有難うございます。プロや憧れの方とこんな風に直接質問ややり取り出来るこの御時世、いまだに信じられない昭和の残党です。

  5. ReaMo より:

    炊き出しに還流されること、賛成です!
    私なんかも何がたのしみかって言ったら、やっぱり食事ですもんね。食べているときが一番幸せです。被災地の方々に暖かいもの美味しいものでよろこんでいただきたいです。
    そしてきょうの最後は、フッと変化球で決めてこられましたね。シンカーでしょうか。スーッと曲がって落ちる球で。こういう変化球を私も真似させていただきたいとこなんですが、なかなか、、私が投げたら曲がり切れず打者の足元にボールが当たってしまうのがオチでしょう・・・。
     きょうも、ありがとうございます!

  6. もいち より:

    友田さん!!!
    ここでいいのかわからないけど、お元気そうでなによりです。
    藤原慶彦さんのドラムも好きだけど、友田さんの軽やかで、しかも味わい深いドラムも大好きです。とりわけアルバム『陽はまた昇る』の楽曲でのドラミングはどれもいい。細海魚さんと友田真吾さんが果たしたサウンドへの貢献度はすごく高いものがあると思ってます。いつかまた山のいただきでお目にかかりたいものです^^お元気で!

  7. 中澤 美穂 より:

    山口さん、こんにちは。

    被災地支援、引き続き自分に出来ることがわかってきました。情報ありがとうございます。

    MLIMMの活用について、くまちゃんさんが望む支援が、山口さんを通じて出来たら、私はそれがベストだと思います。皆さんに、栄養バランスの整った温かい食事が提供されますように。食って本当に大切ですよね。

    私も、個人的な支援は微力でも、物資、義援金、MLIMM通じて続けます。

  8. りゅういち(59) より:

    洋さん、私の気持ちが能登半島の皆さんに少しでも役に立てるならば、この上なく幸せです。私は仲井戸CHABO麗市さんのミーハーです。度々、申し上げますがCHABOさんが「ROCK界に於いて最も誠実な男」と言われました。それ以来、私も洋さんの音楽、言葉に触れて「なるほど、その通り」と思っています。稼ぎが少ないから大したこと出来ませんが、困っている人達、苦しい思いをしている人達のため、送ります。洋さんに託せば、確実に有効に使っていただけると思っています。だから、そんなに細かく報告せずとも大丈夫です。この年齢になって「山口洋」さんに出会えて本当に嬉しく思っています。いつもありがとうございます。

  9. crowd より:

    炊き出し賛成です。
    何人分を寄付出来ると分かったら、何となく寄付した先がわかる気がします。
    よろしくお願いします。

  10. SHO より:

    “炊き出し”に思いこめていただけたら、うれしいです。
    山口さん、クマさん!よろしくお願いします。
    正直に言うと、ダイレクトに支援できるところって、ここしかないんですよ。
    だから、こちらこそです。
    ホント、よろしくお願いします。

  11. 村田孝 より:

    先月末「大人のためのリベラルアーツ」なる身近な会で大介くんから輪島の酒蔵支援の話を聞きました。その際葉っぱ塾の八木さんから「義援金」と「支援金」の違いを教えてもらいました。赤十字など大きなボランティア団体・組織への寄付金はもう少しあとになってから有効利用されるものでそれが「義援金」、今まだ被災地にいる被災者の方々のために炊き出しなど直接的な支援に使われる寄付金が「支援金」だと。救援活動の動きが遅れているという話もよく耳にしますので、「支援金」として炊き出しに使っていただけるのは寄付していただいた方々にとっても意に沿うものであると思います。すかさずこのような道筋をつけて支援を開始されたこと流石のMLIMMです。
    このよ

コメントをどうぞ

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

*

次のHTML タグと属性が使えます: <a href="" title=""> <abbr title=""> <acronym title=""> <b> <blockquote cite=""> <cite> <code> <del datetime=""> <em> <i> <q cite=""> <strike> <strong>