葛藤

10月12日 水曜日 晴れ

自分のしていることが正しいのか間違っているのか、震災以降、常にそれを頭の中で反芻する。自分で気づかないことを、指摘してくれる友人もいる。そして、また考える。面倒だと思うこともある。でも、どうしても避けて通れないのであれば、考える以外に方法はなく、そのプロセスは自分を成長させてくれる。ただし、プロセスに酔っている暇はなく、あくまでも、結果を出し続けていくしかない。それがやりがいで、そして難しい。

スティーヴ・ジョブスはこう云った。「君たちの時間は限られている。だから無駄にしてほしくない。ほかの誰かの人生を生きてはいけない。周りの雑音に自分の内なる声をかき消させないでほしい。そして一番大事なのは、自分自身の心と直感に従う勇気を持つこと。不思議なことに自分の心と直感は、自分が本当になりたい姿をよく分かっているものだ」。

僕らが12月に催そうと計画している「SOMA WEEK」。熟考した結果、これだけは再度伝えておかねばならない。何度でも書くけれど、僕が関東地区に生息しているのは、僕の意志によるものだ。ここが安全だなんて、思っていないし、政府の発表はまったく信じていないし、周りがフツーに暮らしているから大丈夫だ、なんて思っていない。仮に僕に幼い子供が居たなら、ここには生息していないかもしれない。今日、横浜でストロンチウムが検出された、と報道された。本当に末恐ろしい世界に暮らしている、と僕は思う。

相馬市、南相馬市には人が住んでいる。子供たちも暮らしている。その上で、このような文章を書かなければならないのは、心が痛い。けれど、安全だと云いきれない以上、僕は書かねばならない。僕らのやろうとしていることが、無用な被曝を助長するようなことだけは避けなければならない。だから、子供や、妊娠している方はSOMA WEEKには来ないでください。それから足を運ぼうと考えている人たちは、自分で知識を得て、ただしく怖がってください。リスクがあることを知ってください。本当に失礼な表現ですが、僕らはいつだって覚悟を決めて、現地に入っているのです。僕らがたびたび訪れているから、大丈夫だ、なんてことはありません。若いスタッフにはリスクも説明します。僕らは現地と連携して、出来る限りの情報をこれからもお届けします。どうか、本意が伝わりますように。よろしくお願いします。

本日の現地情報です。僕も彼も「葛藤」しています。でも、それは仕方なく、当たり前のことだと思っています。
http://blog.livedoor.jp/happymoritamusic/archives/66953025.html

カテゴリー: 未分類   パーマリンク

葛藤 への6件のコメント

  1. 満月 より:

    葛藤があって当たり前
    自分のやりたい事が正しいと思うならやるしかありません

    ほんの1秒でもあなたの人生、無駄なことは何一つないし気持ちを強くもって貫いてほしいと思っています。
    通り過ぎようと思ったんですけど・・・がんばってほしいと言いたくて。

  2. mana より:

    福島原発の爆発が起こった時点で、日本に住んでいる以上、様々な覚悟が必要だと思っていました。日々のニュースは胡散臭く感じます。
    何が起こっているのか、きちんと知りたいと思っています。
    「Stay Hungry. Stay Foolish.」
    相馬でのライヴを楽しみにしています♪

  3. S より:

    相馬に行くことは決めているのですが、
    家族にどう話そうか、迷っていました。
    自分が行きたいと思い行くことは、自分が怖さやリスクを
    受け止めればいいけれども、家族が心配したり、この機に
    福島に対して偏見めいたものを持ちはしないか、
    なかなか切り出せずでした。さっき話したところ、
    拍子抜けするほどの「いってらっしゃい」。
    山口さんや「彼」が葛藤していても、発信しつづけてほしい。
    知って、とか、来て、とか。
    情報は頂いてるし、あとは、こちらがどうするかなんです。
    行きますよ。

  4. けいこ より:

    ジョブズさんのおっしゃった『勇気』。
    私にとって山口さんや皆さんはその言葉を身をもって教えてくれている人たちです。
    そして心や直感に従った行動は間違いじゃないと、TEAM ONE LOVEさんのブログで教えてもらいました。
    http://teamonelove.seesaa.net/article/228345111.html
    間違いじゃないから葛藤も起こる。だから自分の心と直感を信じる。

    情報をしっかり受け止めて、私は私の心と向き合って判断します。
    まとまりのない文章ですみません。

  5. まりぼう より:

    書いてくれてありがとうございます。私も相馬に行きたいと思っていました。でも、私には小さい子供がいます。置いて行くこともできないし、かと言って連れて行くこともどうなのかと。でも、相馬に住んでいる子供達を思うと、そんなことを思うことにも罪悪感を覚えていました。だから、山口さんが書いてくれたことで、少し気が楽になりました。私は今ここで、できることをしていきたいと思います。相馬の皆さんのことを思いながら。

  6. ピンバック: 葛藤まとめ(何だそれ) | ROCK 'N' ROLL DIARY

けいこ への返信 コメントをキャンセル

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

*

次のHTML タグと属性が使えます: <a href="" title=""> <abbr title=""> <acronym title=""> <b> <blockquote cite=""> <cite> <code> <del datetime=""> <em> <i> <q cite=""> <strike> <strong>