Recording days #024

7月12日 金曜日 曇り

悪い夢でも見たのか、醒めたら現実じゃなくなると思ったけれど、残念ながら事実だった。

さんざん、人との別れを経験してきたつもりだったけれど、強烈なボディーブローを喰らったように、ともだちの不在がみぞおちに食い込んでくる。経験したことのない喪失感を味わっている。

彼が最初にパブリックな場所で僕を褒めてくれたのは「Hey my friend / don’t die young」という曲だった。自分の口癖を取られたみたいな名曲だって。で、あんたが若くして死んでんじゃないよ。冗談になってない。やるせない。

でも、このやるせなさも彼からのプレゼントだと思うことにする。

彼が荼毘にふされている頃、とびきりのロックンロール・ギターを弾いて弔うことにした。レスポールJr、58年製。我々より、少し年上。

キース・リチャーズがこう言ってた。

”ロックンロールは分析されたり、深く考えられるようなものじゃない。そうやって立ち止まっちまうと、完全に見失うものだぜ”

その言葉を信じてみるよ。

 

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Recording days #024 への5件のコメント

  1. TK より:

    山口、イェーロックンロール!

  2. フラニー より:

    <noregrets>を見てビックリしてしまいました。
    私、長谷川さんとお話したことがあって…。
    大きい身体から威圧感とか全然なくて、えらぶってなくて、
    スマート(クール)だけどゴツゴツしていて、相手の表情のちょっとした
    ところも見逃さなくて助け舟が上手くて…。
    山口さんのたいせつなおともだちだったのですね。

    とびきりのロックンロール・ギター、
    長谷川さんのひかりに届いていると思っています…。

  3. にゃあにゃあ。 より:

    > 彼が最初にパブリックな場所で僕を褒めてくれたのは「Hey my friend / don’t die young」という曲だった。

    有難いことに、ツイッターでその記事を拝見できました。

    あぁ、まさにこの曲の素晴らしさはこういう感じ!と、自分では形容し難かった印象や感動を言語化してくれるこのような記事は、ファンの喜びを増幅して満たしてくれる。
    そして、若き日のアーティストを、どれほど勇気づけたことだろう。

    昨日のMY LIFE IS MY MESSAGE のレポートもそうですが、音楽という、言語化するのが最も難しいかもしれないものを、筆舌を尽くして伝えてくれる方々のプロフェッションに、心から感謝と敬意を表します。

    明日は仙台でライブですね。
    痛みと喪失を昇華する場があって良かった。
    こういう時のヒロシさんは凄いから、この上ないライブになると確信しています。
    道中、どうかお気をつけて。

  4. 風にハモ太郎 より:

    2001年発売ヒートウェイヴのベストアルバムLONGLONGWAY-1990/20001-のブックレット解説文を読むことにしました。追悼。
    ファイン・ヤング・カーニバルと題された7000字近くの熱量が、今も、今だからこそ、伝わってきます。「山口洋は命の行方をうたってきた」という締めくくりには、胸をうたれます。
    カーニバルとカニバルに引っかけた題名の仕掛けも18年後にも気付かされました!
    これも円環の一つかも知れません長谷川さん、……
    ご冥福をお祈りします

  5. ヨコチン より:

    亡くなられたおともだちはこの方でしたか…
    Mr.OUTSIDEは初版を買いました。音楽に対する非常に深い造詣とそこから伝わってくる愛情、何よりミュージシャンが作った音楽をとことん聴き込んでインタビューに臨んでいることが文字を通して伝わってきて、当時ハタチそこそこの若造でしたが心の底から舌を巻いたのを今でも良く覚えています。インタビュアーに感動させられたのはあれが初めてでした。
    僕は文章を通してしか接点のない方でしたが、故人のご冥福を心よりお祈りしたいと思います。

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