それぞれの新しい風、渋谷にて

9月19日 火曜日 雨

まずは、おとといのデモに参加した94歳のおじいさんの言葉から。

『私はあの時、怖くて、言えなかった。非国民にされてしまうと怯えた。だから多くの日本人が死んでしまった。この国はまた形を変えて、戦争を始めている。決して原発という名の兵器を可動させてはならない。あの時の悔しさを今ここで!』

伝えたかったことはただひとつだけ。家を出る前に外国のアニキにメールして、できるだけシンプルに伝えようと思った。

「この状況を我々が変えようとせず、いったい誰が変えられるんだ。僕らは歴史上、後に教科書に載るような大切な転換期に生きている。自分で不可能だと諦めない限り、僕らに不可能はない。それぞれが新しい風になろうぜ」。
ただ、それだけ。

あれから半年経過して、何も考えない日本人も増えた。でも、揉まれてタフになって、未来を考える日本人も増えた。僕らは力強い風を巻き起こす。それが仕事で、使命。それにしても、若いゲストの二人は素晴しかった。君は草食系おかぴーのあの獰猛なラップスティールを聞いたかい?HWに入りたかったら、いつでも席を用意して待ってるからね。ヤイコ嬢(別名ミントちゃん – 命名、渡辺圭一)の天に昇っていくような歌声を聞いてくれたかい?実のところ、ホスト役ってのはぜんぜんオレに向いてなくて、不手際ばっかりで申し訳なかったけど。ほんと、お前一体何年生きてきたんだよ、とちょっと自分が情けなかった。

それでも、会場が次第にポジティヴなエネルギーに満ちていき、「my sweet darlin」で頂点に達して、お約束の全員ジャンプ(あれだけ練習したのに)で、往年の飛距離の半分にも満たなかった頃には、「なかなか、人生も悪くないわい」と妙な充実感を覚えていた。確かに、新しい風が吹いてたよ。渋谷から、福島県相馬市に向けて。おかげで、たった今、ものすごい風が吹いてる。確かにそんな風に歌ったけど、頼むから福島を直撃するのだけは止めてね。(懇願)

本当はね、いわきにも、石巻にも、気仙沼にも、エトセトラ。被災したすべての街に風を送らなきゃいけない。今後、プロジェクトは多少、規模の拡大をするかもしれない。でも、僕らの出来ることにも限界がある。だから、トップダウンで変えていくこと、草の根でできること、その両方から続けていきます。実のところ、次のアクションは決まっています。本当は昨日のライヴで、アナウンスするつもりだった。でもね、ひとつひとつのことを、全力で取り組んでいかなければ、次のことに頭が切り替わらない。そういう甚だ、効率の悪い不器用なプロジェクトなのです。その代わり、情熱とガッツは込めます。

相馬市から重要人物がたくさん来てくれて、オーディエンスと交流してたって、後から聞いた。とても嬉しかった。相馬の人たちは今まで僕はタダの酔っぱらいのおじさんだと思ってたって。いや、別にそれで構わないんだけどね。参加してくれたゲストは、一回だけじゃもったいない、またやりたいと云ってくれた。嬉しいねぇ。確かに僕らはまだまだ宇宙まで行ける。その可能性は充分に感じたよ。是非、やろう。

メンバーはそれぞれに出来ることを存分にやってくれた。魚ちゃんは、前日のデモパワーを音楽に込め、渡辺先生はDJで会場を温めた。池畑さんは波動砲で、渋谷の地面を揺らした。スタッフはそれぞれにかけずり回り、終演後の楽屋は人が入りきらず、打ち上げの店は椅子が足りなくなって、料理をつくる旧知のおじさんは遂に料理を諦め、最後に出て来たものは「ソーセージ」だった。それ、料理じゃないじゃん。皆が音楽を通じて、ひとつの方向 – 被災地を向いている。嬉しかったっす。ありがとう。ニンゲンはまだ捨てたもんじゃないぜ。連休後の平日、おまけに雨が降るなか、足を運んでくれてありがとう。たくさんグッズを買ってくれて、ありがとう。働いた貴重なお金を寄付してくれて、ありがとう。金額は今、スタッフが集計しています。分かり次第アナウンスします。感謝MAX!!!!!!!!!!!!!!!!

ライヴを終えて、たくさんの連絡をもらいました。とある博多の重鎮は「ヒロシ、お前たちが背中を押してくれたじぇ。お前、誰にも云うなよ(今、バラしてますから)。俺、来週被災地に行ってくるちゃ」。「あの若い女の子(だからヤイコちゃんって云ったじゃないすか)、素晴らしかじぇ。ぴーとか何とか云うギタリスト(せめて、おかぴーにしてくれませんか)。あんなギター弾く日本人、観たことないちゃ。」はいはい。相馬の人たちは「これだけの人々が自分の街を想ってくれてるんだから、帰って街を元気にする」。そう云って、台風の中、帰っていきました。とにかく。みんな、ありがとう。きてくれて、ありがとう。新しい風、吹かそう。
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昨日は写真を撮る暇もありませんでした。なので、その盛り上がりを伝える写真、ありまっしぇん。ごめん。

某P社のイウチがご飯を作ってくれました。激ウマ。アリガト。

某P社のイウチがご飯を作ってくれました。激ウマ。アリガト。

イウチ、結婚してくれ。

イウチ、結婚してくれ。

某P社のCEOが手料理を差し入れてくれました。まじうま。ありがとう。

某P社のCEOが手料理を差し入れてくれました。まじうま。ありがとう。

おかぴーが膝に乗せて獰猛な音を出してたのはこれだー。

おかぴーが膝に乗せて獰猛な音を出してたのはこれだー。

リハーサル中。

リハーサル中。

その2。

その2。

ライヴ後「あんた、相馬、相馬って連呼しすぎ」って。すいません。

ライヴ後「あんた、相馬、相馬って連呼しすぎ」って。すいません。

意外に獰猛な草食系おかぴー。

意外に獰猛な草食系おかぴー。

相馬の重鎮、大挙して。差し入れまで、ほんとすんまそん。

相馬の重鎮、大挙して。差し入れまで、ほんとすんまそん。

新ユニット。マボガニー・ブラザース。

新ユニット。マボガニー・ブラザース。

僕がヤイコちゃんに裸を見せつけてるのではありません。脱いでたときに彼女が入ってきた。が正しい。念のため。

僕がヤイコちゃんに裸を見せつけてるのではありません。脱いでたときに彼女が入ってきた。が正しい。念のため。

華がないラビット3。

華がないラビット3。

どーしよーもない。大泣。

どーしよーもない。大泣。

会場をアゲアゲにしたDJ虫ケラ。

会場をアゲアゲにしたDJ虫ケラ。

ヤイコッペ。

ヤイコッペ。

ミントちゃんを囲んで。さー、ブチかますぜー。

ミントちゃんを囲んで。さー、ブチかますぜー。

 

 

 

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それぞれの新しい風、渋谷にて への7件のコメント

  1. 美 咲作 より:

    兄ちゃん!
    かっこよかった!
    俺もっとがんばる!
    やること沢山!
    兄ちゃんの言葉、間違いない!
    生まれてきてくれてありがと!

    下記の言葉は、死ぬまで、いつも傍にいなければ!
    不可能なんてない!!

    この状況を我々が変えようとせず、いったい誰が変えられるんだ。僕らは歴史上、後に教科書に載るような大切な転換期に生きている。自分で不可能だと諦めない限り、僕らに不可能はない。それぞれが新しい風になろうぜ

  2. こゆき より:

    渋谷duo炎上。
    全てにおいて素晴らしいグルーブでした。
    ありがとうございました。

  3. asu より:

    ライブ行きたいです‼

  4. けいこ より:

    最高のライブをありがとうございました!
    初めて見たヤイコさんはすごく綺麗で、まるで音の中を泳ぐように両手を広げた姿に見惚れてしまいました。
    そしておかぴーさんの男前なギターの音に度肝を抜かれました。
    完全に心の許容量を上回って収集つかなくて、未だに真っ白になっています。

    本当に本当にありがとうございました!!!

  5. toshie より:

    矢井田瞳さん、おおはた雄一さん。それはそれは瑞々しいのでした。
    ゲストの曲を演奏するHWという初感覚。とにかく盛りだくさんで。また聴きたいです。特にずっと聴いてみたかったバンドHWで”life goes on”のおおはたさん!素晴らしかった。HW懐深し。カッコ良し。

    いただいた写真集、炊き出しのどんぶりを左手にポスターを右手ににっこりとしたおじさんの笑顔。嬉しい。えんどう豆さんのバッジの袋を開ける時、ブログで見たひまわり畑の集合写真が目に浮かびました。来年蒔こう。
    アルバムジャケットは裏面を飾っております。ありがとうございました。

  6. toshie より:

    訂正です。タッチパッドが不調で。。。申し訳ございません。
    「アルバムジャケットは聴く時は表面、普段は裏面を飾っております。」でした。

  7. なおみ より:

    今頃感もありますが、こそっとコメント(笑)
    長丁場だけどあっという間の時間でした。楽しくて沢山叫んでた記憶が(笑)
    ヤイコちゃんの歌声も素敵で、新しいHWの魅力も感じました。
    おおはた君の歌、魚ちゃんと3人での演奏も素敵だったけど、バンドでの演奏も
    かっこ良かった!
    ”HWに入りたかったらいつでも席を用意しておくよ”ってまさにおかピーへの
    最大の賛辞ですもんね。(^^)

    書き込まれてるのがないので記憶違いだったらごめんなさい。
    あの会場にカメラ入ってましたよね?今度はライヴDVDかなと密かに楽しみにしてるのですが・・・。
    だったら嬉しいな。

    「LIVE FOR SOMA CIty」爆音で。
    バンドのポテンシャルの高さを改めて感じながら。
    ライヴ盤シリーズで支援ができるなら本望です。
    日々の活力剤になってますよー。

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