覚悟

3月2日 金曜日 雨

長かった。

何がって、今年に入ってから、ずっと悩んでいた。被災地から毎日のようにもたらされる現実、そしてこの国にはびこっている楽観的な無関心。その狭間の中で、出来ることを全力でやってはいたが、intoしすぎて客観性を失ってしまっていたのだろう。自分たちが取り組んでいることが果たして正しいのかどうか、それを疑うに至っては、僕は国外に逃亡するしか道はなかった。でも、僕はまだ逃亡できる立場に居る。だから、本格的に追いつめられてはいない。ただし、あのまま留まっていたら、確実に頭をヤラれていただろう、とは思う。

甚だ不器用だとは思うけれど、僕は全力で向かっていって、壁に当たって、悩んで突破しなければ次には進めない。納得できないことを無理にやったり、まぁこの位でいいんじゃないですか、みたいな感じで生きていると、すぐに壊れる。そんな意味では、とても弱い。情けないけど。

どうしても分からなかったことは、自分たちの暮らす国がとんでもないことになっていて、今この瞬間に苦しんでいる人がたくさん居るのに、どうしてそれが他人事のように、もはやなかったことのように思えるのかってことだった。次第に僕は街に出るのも、人に会うのも億劫になってきた。だから、誰も居ない異国の崖に行って、滑った。考えないことによって、本能で考えた。その瞬間だけは生きている実感が取り戻せた。

誰かを変えようとすることが不遜であることくらい分かっていた。それで何度も失敗してきたし。でも、心の何処かでうっすらと他人に「期待」はしていたんだと思う。

今日、尊敬するある人と話していて、はっきりと見えた。まるで、霧がとつぜん晴れていくみたいに。自分の本能が「NO」だと叫んでいることを、僕は「YES」だとは云えない。同じように、自分が正しいと思っていることは、例え周りに人が居なくなったとしても、それを曲げることは出来ない。これは生き方、そして信念の問題。それは僕が人間として、一番大切な部分。彼の口癖を借りるなら、「自分の心が何処を向いているのか」、それだけだ。

世界と向き合うほどに人は孤独になっていく。それは心からの実感。どこまで行っても人は一人。ただし、独りではないけれど。やっていることが正しいのなら、ある意味で人が離れていく、無関心になっていくのは当然なのだと僕は気づいた。でなきゃ、こんな世の中になるわけがない。

覚悟を決めた。最後の一人になったとしても、正しいと思ったことを叫び続けられるかどうか。金でも名誉でも私利私欲でも、何でもなく。一人の人間として。僕の頭の中にあることは、「思いやりのある社会にしたい」ただ、それだけだ。それが間違っているとはどうしても思えない。

去る者は追わない。 ウザいと感じるのなら、嫌ってくれて構わない。ただ、何かが響いたのなら、それぞれが新しい風になって欲しい。僕はそう願っています。3/12はそんな気持ちでステージに上がり、未来の風景を中空に描きます。

祈ったり、願ったり、待っていても、あまり意味がないことを学びました。大人がやるべきこととは、創造力を駆使して、結果を出すことです。

追伸
ここまで書いたところで、尊敬するシンガーから連絡があり、とつぜん3/12に参加したいと。何だかなぁ、人生って不思議だなぁ。とっても力をもらいました。もし、決まったらアナウンスします。

あの風景はずっと胸の中にある。

あの風景はずっと胸の中にある。

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覚悟 への4件のコメント

  1. UG より:

    大丈夫です!あなた独りには絶対させません。私は他のみんなが居なくなっても、あなたの味方です。
    私に何ができるか解りません。身軽に活動出来ません。でも、今まで何度も背中を押してくれた貴方のために、私に出来ることを一生懸命していきます。
    だから、迷わないで下さい。貴方が直感的に正しいと思ったことを、貴方のやり方で貫いて下さい。
    大丈夫です。どんなにひどい状況に陥っても、世界に一人だけは貴方の味方が居ます。

    今、私に出来ることは、こうやってコメントを残すことしかありませんが…。

  2. あんづ より:

    ひとつ悟たびにひとつずつ孤独になっていく。でもしゃーない。学んでしまったんですから。全くの同感です。ライブ頑張ってください。5月ライブ行けたらいいなー。

  3. 私も同じ時期に海外におりましたが海外で怪我をしました。
    これは日本に帰りやるべきことがあるとのメッセージだと受け止め
    愛する仙台にもどりました。
    山口さんのライブには人を奮い立たせる何かがあります。
    激務の中でくつろいだ気分を味わいたく
    ライブにいきたい夜もありますが、
    本気のライブを見るとそれからの数ヶ月、
    余韻が残るような音があなたのグレッチから響いてきます。
    それは世界中のどんなミュージシャンもだせない音です。

    断崖からの木霊のような音を心待ちにしております。

  4. tsugoo より:

    今を測る物差しに過去を振り返るのは如何なものか。
    今自分に起きていることが何か、ほんとに今を大切にしてるのか。
    憧れのロックスターに、遥かな理想の自分を投影して、日々の力に変えるのが私には精一杯。

    今が至上最強最新型の自分か、疑って、
    今日を生きてられるか。

    今を生きているか。

    自分のなかの大切なこと。それを大事に、
    覚悟を持って、生きれたら、いいな。

    ドント、ルックバック&今を生きる
    @hometown

    2017.6.8 AM4:04

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