Recording day #031、野生の馬に乗る

7月10日 日曜日 晴れ

あ。蝉が鳴いてる。夏、だね。

オレは全てを失って、ホームレスになり、田んぼの水で髪の毛を洗っていた。着るものもなく、フリチンだった。まったく、この時代に音楽なんかやるからこんなことになるんだ。なーんてことを思っていたら、真横にサラブレッドを運搬するようなデカいトラックがやってきた。な、なんだこんな平和な風景に !!!! そのトラックから、デカいカバとサイが降りてきて踏みつぶされそうになったところで、寝汗とともに目覚めた。ちなみにサイが降りてくるとき、ジェスロ・タルのフルートソロが延々と鳴り響いていた。ずいぶん病んでるな、オレ。笑。

昨日、投票に行った。若い頃さ、WORLD PARTYのデビュー盤が「PRIVATE REVOLUTION 」だったことに励まされたんだ。それからオレの理念はブレてない。WORLD PARTY (世界党)によるPRIVATE REVOLUTION (個人的革命)。それが信条だよ。博多時代のヒーローの大好きな曲があるんだ。

政治なんてゴミクズ。ベッドの愛だけ」。ときどき勝手に頭の中で鳴る。

あいかわらず病んでる上に傷ついてるおっさんだけど、こんな日は野生の馬に乗るんだ。カバでもサイでもないぜ、野生の馬。ギルドの70年代のD-35。未だに中古市場で価値がないとされているギター。これはね、野生の馬なんだよ。こっちが弾くことに向き合うと、とんでもない音がするんだよ。マーチンはね、あれはサラブレッド。いい音して、当たり前。だから弾かない。オレはひねくれてるんでね。ひさしぶりにケースから出して弾いたよ。ああ、いい音だった。オレね、70年代のギルドを弾いてる人は無条件に信用するんだ。だって、その価値を自分で見いだしてるってことだからね。他人の意見じゃなくて。これはね、福岡を出るときにともだちがプレゼントしてくれたんだ。確か7万円だったな。それから27年。HWにはなくてはならないギターだよ。

ギルドとブズーキとVINCENTの三段構えで、オケをほぼ完成させた。さ、病んでるから走る!ネガティヴな感情はすべて地球にアースしてもらう。地球、ごめん!

昨日さ、身動きできないあいつのこと、考えてたら、曲が降ってきた。なんだか、生きてることは不思議だよ。完成させたら、届けにいくぜ。お前の瞳の中にはまだ少年が棲んでるはずなんだ。

屋上から見える富士山がすごかった。

これ以上、修理のしようがないくらいボロボロなんだけど、愛してるんだ。この一本。

この愛想のない表情が好きでね。

野生のじゃじゃ馬。こいつでいい音出せるのは世界でオレだけ。たぶん。

ブズーキはね、カレーで云うところのスパイスなんだ。絶妙なんだよ。

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Recording day #031、野生の馬に乗る への4件のコメント

  1. JUN より:

    病院に勤務しています。もう7年ほど付き合っている同世代の患者さんがいます。目を閉じている彼に「目を開けて」と声を掛けても微動だにしないけど、「目をつぶって」と言うとまぶたをピクピクさせて応えてくれている気がしています。髭剃りすると鼻の下を伸ばして協力してくれている気がしています。気がするだけですが、全力の返事を全力でキャッチするだけの時空間があります。新曲、届きますように。

  2. Tomo より:

    自分か傷ついた時は、傷つけた相手も傷ついてるって思うようにします。 It’s all light …って、胸に響きますね。

  3. Tomo より:

    light→right 失礼しました!(._.)

  4. 柳川 昭弘 より:

    ギルドのギターとハープ買います!ありがとうございます。いつか、筑後川で会いましょう!福岡と松山にも行くけど(笑)

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