夢の中の音楽

2月24日 土曜日 晴れ 

 ベッドの中で。夢と現と行き来しながら。

 ずっと音楽が遠くで鳴っていた。自分から湧いてきたものなのか、誰かのメロディーなのかわからないけど。夢と現を繰り返すたびに、それは形になっていった。今朝は部屋がキンキンに冷えてたけれど、これは起きだしてギターをもって、形にしなきゃ、と思った。

 そうやって1曲できた。不思議な体験。

 このところずっと考えていることがあって。何がどうでもよくて、何をたいせつにしなければならないのか。

 ある人物は自分の頑なさのせいで、たいせつな友人を失おうとしている。無駄な自信過剰が哀れ、自身を孤立無縁にする。気づくかどうかはいつだって自分次第なのに。

 周囲ではあちこちで親のジェネレーションの介護の問題が噴出。この国はいよいよそういう局面に突入したことがよくわかる。俺になにができるかって、いい音楽で貢献したいと思ってるけど。ともだちのケア・マネージャーが僕のともだちに送ってくれたアセスメントを読んで、現実の生々しさに愕然とする。そうだよなぁ。介護するって、こういうことだよなぁ。高度成長、核家族化によって、この国のよかったところは滅びていったんだろうなぁ。子供のころ、同居していた祖父が家で死んでいったのは、今考えると素晴らしい体験だったと思うもんなぁ。

 家族っていったい何なんだろう?近くて遠い。未だによくわかんない。”山口洋、家族を歌う”ってコンセプトもう一回取り組んでみようかってくらいに、家族ってなんなんだろうなぁと思うこと多々。ぜんぶなくしてしまった俺の方がよっぽど幸福じゃんって思うこと、たくさんある。

 そんなもろもろのことが僕に曲を書かせるのだと思う。でも、美しいメロディーなんだよ。笑。

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夢の中の音楽 への4件のコメント

  1. ぴーす より:

    「Memories&Discoveries」やっと聴くことができました。いい一日を始められるように、との想いが届いたぜー。ありがとうー。
    ♪ Searching For A Heartから♪ 新しい風につながるところ、ふたつの曲が重なっていていいですね。こういう機会がなければ聴けません。
    久しぶりに♪ 新しい風のオリジナルを聴き、山口さんのちょっとべらんめえっぽい勢いのある歌と演奏で元気が出ました。イェーイ!

  2. Masako より:

    親の介護。人より早く経験しました。ケア・マネージャーさんがプランをたててくれます。様子を見ながら、プランを変更してくれます。老化した身体の不自由さって本当に『何でできないの?』って思ってしまいます。自分が不自由な生活を強いられるとそれが良く分かります。車椅子の目線とか、リハビリの大変さとか、自分の着替えだって、時間がかかります。だから、優しくしてあげてほしいです。見守ってほしいです。介護が出来なくて介護施設に入所させてしまうのは簡単ですが、必ず会いに行ってほしいです。
    洋さんの友だちが、その友だちのために。なんだか愛がありますね。より良い方向に向かうといいですね。

  3. Rusty より:

    家族とはなになのか、まともに考えたなら家族など持てないだろう、という仮説は成立するか。

    週末、街はずれのショッピング・モール。ファスト・フードの店で、幼い娘にフレンチ・フライを与えつつ、彼女はなにごとかをしきりにスマートフォンにタイプしている。かたわらに置かれたスーパーマーケットのヴィニール・バッグから顔を覗かせる、なんとかドレッシングのプラスティック・ボトルが、彼女の物語を語る。

    おそらくその対極に、たとえば『ゴッドファーザー』という家族の物語がある。きわめて特殊な家族の物語であることは確かだが、家族とはなになのかという問題を考えるにあたって、この物語が、多くの示唆に満ちていることもまた確かだ。血族だけが家族なのではない、という事実を、ピーター・クレメンツァという男が、身をもって教えてくれる。

  4. rie より:

    去年父が亡くなりました。
    認知症になり、それが怒りがでるタイプで、温和で優しかった父は影を潜めました。
    1年2年とゆっくりひどくなって、私は優しく出来なくなりました。
    母も疲れ、医師の勧めで一時入院となり、癌の再発、そして新たな癌が見つかり手術。
    その後、体調が戻らず亡くなりました。
    最後の2日間、家族一緒に過ごし、すっーと、気づかないくらい静かに旅立ちました。
    家族ってなんだろう。父にとって、私達家族はどう見えてたんだろう。
    優しくできなかった時、私はどう見えてたんだろう。
    認知症になって、ずっと怒ってた時も、家族のことは忘れなかった父。
    家族は当たり前すぎて、自分をつくろわなくて、後で後悔すること多いです。

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