8月26日 金曜日 雨
津波で破壊された街の片付けられた瓦礫にさえ、若草が茂り、五ヶ月の月日の意味を教えてくれる。驚異的な人々の働きに、諦めない強さに、深い感銘を受けると共に、根深く進行しているこの国の闇の深さに同時に目眩を覚える。
とにかく。僕は机上の空論が嫌いだ。自分の目で観て、感じたい。ARABAKI ROCK FESに出演した以外の時間は、相馬人Mの案内のもと、できるだけ現状を身体に刻んでおきたかった。正直な話、僕もタフになってきた。たまに苦しくなるけれどね。ここに暮らしている人の想いに比べれば、、、、、、。
とは云え、この強硬日程はさすがに疲れた。今回は根性入れて、シャッターを押した。僕の目で観たものをたくさんの人に伝えたかったからだ。言葉にするのは、もう少し時間をくれ。まずは、スクロールするのが面倒になるくらいの写真をキャプションと共に、観て欲しい。これでも、まだ半分の量だ。
東京はバケツをひっくり返したような雨だった。
もはや、通い慣れた道。でも、常磐道が原発で通行止めになり、相馬は本当に遠い。
福島市、午後6時。美しい街だよ。
相馬市の高台にある仮設住宅。仕方ないけど、市街地からは本当に遠い。
もうすぐここにも仮設住宅が建設される。遠くに市街地。その遠さが分かるかな？
Mの自宅前の美しき田んぼ。農家のおじさんは朝5時から汗を流している。
これだけ心を込めた作物が出荷できないかもって。その気持ちを思うと胸が痛い。
泳げない、そして放射能で水も抜けない、小学校のプール。
ガイガー2号をプレゼントしたほずみちゃんは自分のお店でイベントを開き、がんばってました。
君の笑顔が僕の力だ。Mと。応援してるぞ。
僕らがかつてお世話になってた晴風荘。海辺の温泉宿。
向こうにある海から津波が突き抜けた。
その破壊力は半端なかった。天地が分からなくなる。
この宿でどれだけほっこりさせてもらったことか。
言葉がない。
柱さええぐられてた。
いつの日か復興したなら、必ず客として行きます。
相馬の名所、松川浦。港の海底の地形まで変わってしまったそうです。
磯部というたくさんの方が亡くなった場所に向かいます。
世界中、いろんな場所を旅してきたけれど、この風景はどこにもない。
表土が丁寧にはぎ取られています。人々のこの血が滲むような努力、政治家に観て欲しい。
「ヒロシ、お前がやれ」って云われたら、出来るだろうか、と思う。
live for Soma Cityの裏ジャケットにも使われた土嚢です。
土嚢、土嚢、土嚢。
磯部。
ここに集落があったとは、僕には想像できなかった。
家々の土台すらそこには無かった。
僕らは南相馬に向かった。
津波の跡には逞しい草が生い茂り、漁船はそのまま残されている。
こんな感じで。
もうすぐ、6号線は立ち入り禁止区域になる。
これ以上、僕らは立ち入ることが出来ない。原発より20キロ地点。野生化した筋肉質な牛が闊歩し、ダチョウが車を追い抜いていくのだと。
その場所には向日葵が咲いていたよ。
その街のスーパーで某SFUはイカ揚げ親善大使になっていた。笑わせてくれて、さんきゅー。
絶句。
子供が書いた文章。読めるかな。
その2
南相馬市立総合病院にともだちのユハラ君を訪ねる。これがホールボディーカウンター（内部被曝測定装置）
放射能と闘う男、ユハラ君と俺。
ここのあまりの線量の高さに、当初正確な計測が出来なかったのだと。それゆえ、車の下には鉄板が、ボディーの横には鉛の板が。
震災以降、ずっと計測を続けてきたユハラ君。それは貴重な資料になるだろう。でも、ここに人が住んでいることについて、みんな真剣に考えて欲しい。
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