10月28日 月曜日 晴れ
都内。某巨匠の事務所にて打ち合わせ。
今回のアルバムは特殊なジャケットになるがゆえ、通常のプレス工場では対応できず、岩手にある素晴らしい印刷会社が担当してくれることになった。話していると「できません」とぜったいに口にしたいところに、びびびと来たのね。なんだか、こういう職人気質の人と仕事をするのは気持ちがいい。多少コストがかかったとしても、当たり前だと思う。
だから、HWのアルバムは安くないと思う。でも、そこに何を込めたか伝わるといいな。
ところで、俺はその岩手県から台風19号が直撃した翌日に14時間かけて、帰ってきたところで、それにまつわる原稿を行き帰りの電車の中で書いていたところだったのだ。
帰ってきたら、岩手に住んでいた某アーティストとの対談のメールがきていて、、。
なんだか、いろんなことが繋がっていくのがとっても気持ちがよかった。
ついでに、車検に出していたガレージから電話。ディーラーのあまりの横柄っぷりに、こちらから離脱させていただいた形。で、特殊な車だけれど、それを専門に扱っているガレージを見つけて、最近そこにお世話になっている。
なにが違うかって、ここのガレージはこの手のアホ車を「愛してる」ってこと。もちろん経営するためにはお金のことも大事なんだけど、この車の愛好者をたいせつにするってこと。それゆえ、法外なお金なんかぜったいにふっかけない。結果、ディーラーの4分の1以下の価格でやってくれた。
なんだか代車に乗っただけでわかる。ディーラーは新車を貸してくれる。でも、ガレージは3つくらい前の型のやつ、でもちゃんとメンテされ、チューンされた車を貸してくれる。乗っていて、愛を感じるんだよ。もちろん明日はピカピカにして返すよ。鳩サブレもつけて。笑。
考えさせられるよ。何をたいせつにすべきなのか?効率か?利益か?それとも情熱?愛か?自分の仕事にも生かさなきゃね。そこで人間の真価は問われる気がするんだ。
今日届いたヴァンモリソンの新譜を聴きながら読みました。
最近ネットで見たコンビニや格安弁当はなぜ安いかの記事を思い出しました。
やっぱり仕事は愛や誇りで決まりますね。
それにしても近年のヴァンモリソンの作品ラッシュには気を抜けません!
印刷会社頑張ってください。中小企業が多い中、ネットの普及により、激減。簡単・安価で印刷も出来ますが、歴史ある印刷の工程は多分、皆さん知らないと思います。納期は短縮され…。でも、お客様第一ですから。印刷は機械で作業しますが、人の手をたくさん使います。物を作ること、それを手にすること。何でも大切にしてほしいですね。
私の旦那も、車への思いや仕事に対する姿勢が、洋さんとそっくりなんですけど。
ディーラーが嫌で、何時間もかかる小さな修理屋さんにお世話になってます。
特殊なジャケットも楽しみです。
安くはないという値段設定と引き換えにするのは、ひとつのチャレンジとも思えます。
ここ数年、新規の音楽の聴き方が雑になっています。Youtubeで数十秒、下手したら数秒聴いて、良し悪しを判断したり、アルバムの数曲だけでまるごと聴かなかったり。作り手への敬意もへったくれもなく、作り手がどれほどのエネルギーを注いで形にしたかを想像することもなく、新規の音楽を楽しむこともじっくりと味わうこともなくなりつつあります。
今回のジャケットへのこだわりが、CDを手にする喜びや、音楽を大切に感謝して聴く行為に換わればと思います。そんな生活に、せめて、生活のなかにそういう時間を取り戻したいと思います。完成をこころ待ちにしています。