不安定という安定

11月25日 金曜日 曇り 

 不安定という安定ってものがあるなと、ふと思った。

 プロのミュージシャンになってしばらくは、音楽事務所に「所属」して微々たる給料をもらっていた。これは日本独特の悪しきシステムだってことを海外に行くようになって知った。海外ではミュージシャンは全員独立した存在で、マネージメントは自身が雇うべきものなのだ。

 なので、独立した瞬間に「不安定」と直面することになる。身分を保証してくれるものはなにもなく、安定した収入なんてものは一切なくなる。家を借りるだけで一苦労する。

 でも、そこからは仕事は誰かに命令されてやることではなく、自分で創るものだってことがわかってくる。なにをやっても自由だってことも、もちろん責任を伴ってね。

 不安定が日常になると、そのうち慣れる。安定する。

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不安定という安定 への3件のコメント

  1. にゃあにゃあ。 より:

    野生動物と動物園の動物の違いみたい。

    よく自転車に乗って大きな車道を走っていると、何か事故に巻き込まれそうな恐さを感じることがある。
    でもそういうものだなとも思う。生きるって。
    どんなに気をつけてても、事故や事件に巻き込まれるかもしれないし、突然大きな病気を宣告されるかもしれないし、災害に遇うかもしれない。
    何かあった時に、なんで自分だけこんな目に遭わなくちゃいけないの!?とだけは言いたくはない。
    自分の意志で生まれてきたわけでもなく、自分が創ったわけでもない地球で生きているのだから、安全・安心・安定を我が物顔で着込んで生きたくはない。

    コに唯一良い面があったとすれば、それを体感させてくれたことかもしれない。
    王様でも乞食でも、否応なしに、罹る時は罹る。
    ニンゲンが生きることに潜むリスクというものを、等しく露わにしてくれた。

  2. 萩原晋也 より:

    同感です。
    日本の在り方は
    逆に舵を取ろうとして気がします。
    国に屈しないと生きていけない世の中。
    そこに問題の本質があると思います。

  3. fujiiku より:

    今月は仕事に四苦八苦。洋さんの言葉が心にしみます。まだまだ洋さんの域には到達できませんが・・・先日「ノマド 漂流する高齢労働者たち」という本を読んだ事もあり色々考えさせられます。

    ウィルコ 本当に残念です。昔渋谷のライブの後出待ちしてもらったサインは今も部屋に飾っています。今時「ガッツ」などの言葉使うと若者に笑われそうですが わたくしも今でも「ガッツ」を信じております。

    ところで12月のライブでPaul Bradyさんの本販売しますか。楽しみにしています。
    日曜のケルト市も仕事で行けそうもなく残念です。いつもありがとうございます。

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