文化のボーダーをぼかす

12月6日 土曜日 晴れ 

 リアムがラフカディオ・ハーン(小泉八雲)の「青柳」を題材に多岐に渡る表現者とともに、「螺旋の渦」なる公演を行うって。

 おそらく、みっちりとリハーサルを行わないまま、そんなことは可能なのだろうか、と思いながら草月ホールへ。

 すべての表現者のレベルが高かったこともあるけれど、アミニズムとリアムのスポンテニアスな素晴らしさを軸に、観客の創造性に訴えかけるように表現が進んでいくのがとっても興味深かった。過去に捉われない新しい表現の可能性。鼓の「間」って初めて体験したんだけれど、それが自分の血の中にもあることが驚きだった。

 関わったすべての人たちにとってチャレンジングな体験だったと思う。アイリッシュミュージックが進化を止めているように見える今、これは文化のボーダーをぼかしていく大きなきっかけになるんじゃないかって。

 ちょうど屋久島から帰ってきたところで、あの小さな島は2000メートル級の山が90%の土地を占めていて、南国から北海道までの植生があって、アミニズムそのものだった。花崗岩の岩盤の上に3000年級の杉が生えてて、土の上じゃないから、地面で根っこが絡み合って支えていて。その螺旋と渦が今日のヴィジョンとまるで合致してた気がしてる。

 人って、そこに畏怖を感じて暮らしてさえいれば、世界はこんなにクソにはならないのにって。

 リアムがスマホを持ってることに驚いたけど、やっぱりボロボロだった。笑。オレたちみたいなのが、率先して捨てたらいいんじゃないかな。笑。

 スティーヴ・クロッパーさんの翌日は山内テツさんの訃報。。。

 テツさん。故郷が生んだスーパースター。テツさんに会ったことがあるって知り合いがいて、彼は誕生日にミック・ジャガーから花束が届くんだよって。ってことは、友達の友達はミックなんだって、くっだらない会話をしてた。だって、オレの大好きなロニー・レインの後釜としてフェイセズに入ったんだよ。アンペッグのアンプを前にベースを弾いてる彼が眩しかった。

 オレが住んでる町の小さなハコでライヴをやってるって聞いたから、ぜひ体験したいって思ってたけど、叶わなかった。。。

 テツさん。田舎の少年に夢を与えてくれて、ほんとうにありがとうです。

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文化のボーダーをぼかす への2件のコメント

  1. 風にハモ太郎 より:

    山口さん、リアム・オ・メンリィ特別公演「螺旋の渦」レポートありがとうございます。この「渦」の正体を捉えて、それを屋久島の姿に例える。素晴らしすぎます。ブログの更新を待ちわびた甲斐がありました(笑)

    リアムの水彩画はロールシャッハ・テストのように迫ってくる(懐かしかったり、怖かったり)し、鼓は鳴っている時と鳴っていない時を時刻のように伝えてくる(静かにドラマティック。佃 良太郎さん、素晴らしい!)。タブラは降りやまぬ雨音のようで心拍音みたいに、そしてチェロ(とSaw)はギリギリギリと切り刻んでくる(パスカルズのメンバーの方。坂本弘道さんだった!)。

    そんな前衛(?)集団を引き連れて、穏やかなストーリーテーラー、八雲・オ・メンリィの声とピアノはスルスルスルと地下・草月ホールから厳重立ち入り禁止のイサムノグチの石庭のすきまをまんまとすり抜け、赤坂離宮まで侵入したと思います。
    いやいや、昨日の音楽は、私の心の奥深く入りこみ、会場で購入したリアムの新作「player」を昨晩より擦り切れる位リピートしています。「青柳」をみかける度に
    愛する人の愛するものに気づきなさい・大事にしなさい、と思い起こします。
    最後にこの公演を体験するきっかけになった山口さんのブログ(細野さん天河神社奉納演奏)に感謝です。

  2. 万友美 より:

    昨日、テツさんが亡くなった事を知って…(昨日はケルティッククリスマスに行って、ポールブレディが「ドニゴール!」と歌っていたので…感涙してましたが)終わったあとに、テツさんの話し…。
    テツさんは…もっと観たかったです。

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