共に生きる

12月28日 日曜日 晴れ 

 終演後、できるだけの人にアルバムを直接手渡してサインをしたい。これって、なかなかのことだけど、素直にそう思った自分がいて、ひとりひとりと話せたのはごくわずかな時間だけれど、転職をした人、定年を迎えた人、休職中の人、子供が生まれた人、病を抱えている人、肉親を亡くしたばかりの人、エトセトラ、エトセトラ。

 列に並んでくれた人の数だけ、それぞれのプレシャスなLIFEがあるんだと思い知りました。悪くなかった。Kohも音楽家として生きることのほんとうの意味を身体で理解してくれたようで、嬉しかったし、誇らしかった。

 I was proud that you were traveling and becoming a real musician. Let’s play together next time! って伝えました。

 ありがとう。

 どうしてHWは実力があるのにポピュラーにならないのか?これまで、そういう論調、うんざりするくらい聞いてきました。僕はね、売れたいと思ったことがないんです。でっかい会場でライヴをやりたいと思ったこともない。だから、スタッフにとってはたまらなくやっかいな存在だったと思います。具体的なわかりやすい目標な夢がないんだもん。でもね、少なからずこのblogを定期的に読んでくれたり、リリースしたものを働いたお金で買ってくれたり。そういう人たちと「共に生きる」って感覚はとてもあります。なにができるわけでもないけど、還暦すぎたヨボヨボの身体でも、そこに少年の頃の夢がそのままの形で宿っていること。それはほんとうなんです。

 ふと気づいたら、HWはフリーの集団になってました。誰一人、組織に属していない。会場の入り口によくある花なんてほぼないでしょ?あれはオレたちの誇りです。それだけ音楽業界から離脱していることを意味します。

 でもね。テックたちにもほんとうに愛されていて。あの日も昔、僕らのテックだった男がテック会社をやめ、フリーになって、自分でチケットを買ってやってくる。そりゃ、迎え入れようと思うでしょ。そんなチームなんです。このサイトを立ち上げたときからのスタッフに「ライヴおいでよ」って連絡したら「チケット買った!」って。その気持ちがどれだけ嬉しいか。

 ずいぶん前のことだけど、コレクターズがついに武道館のステージに立ったとき、ミュージシャン席みたいなところのチケットだったんだけど、全員チケットを買って応援してた。あったりまえのことなんだけど、それがわからないバカが多すぎるんです。

 共に生きよう。

 そう思っています。

 70過ぎて、ひとりで空冷のビートルを創ってる人に会いました。うわ!ここにいたって。ひょっとして、この人がオレの人生最後のクルマを創ってくれるんじゃないかって思ってます。もう電子制御のものは要らない。シンプル極まりないものをリビルドしてもらって、生涯それに乗る。そういう生き方がいいな、と思ってます。

 乗り物が好きだから、これまでも名車と呼ばれるものに乗ってきました。でも、20歳の頃に乗ってたビートルの空冷水平対向エンジン、リアエンジン-リアドライヴ。あのフィールがどうしても忘られないのです。

 ギター雑誌がグレッチ特集をしたらしく、どうしてオレが載ってないんだって、たくさん問い合わせがきました。笑。知らんがな。そんな雑誌、興味ないもん。用があるときだけアンケートとか依頼してくる雑誌でしょ?オレ、嫌いです。そんなのに載りたくない。オレのグレッチ、ヴィンテージものとしてはなんの価値もないそうです。だから、何?18歳のとき死ぬ思いをして手に入れたもの。プライスレスです。オレが弾いたら最高の音がする。生涯、それ一本。それでいいじゃん!

 共に生きます。

 薄っぺらいことはもうどうでもいいじゃん。生き方に誇りを持って、前を向いて生きよう。

 アルバム、正式発売前なのに、もう新しいものを創りたくなってる自分がいます。バカなのか?どうやらそのようで。元旦からソングライティングに没頭しようと思っています。

 アルバムの感想きかせてね。いちばん嬉しいのは「音」を褒められることです。大好物。笑。このクソデジタルの時代に我らの音楽は「ニンゲン」の香りがする音がなっていると思います。ヘッドフォンで聴いても、ステレオで爆音で聴いても、いい音になっているはずです。

 楽しんでください。ワン!

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共に生きる への7件のコメント

  1. タツオ より:

    ヒロシさんのグレッチは世界最強ですよ。陽はまた昇るツアーの時の馬車は走るのグレッチ、衝撃でした。忘れられません!

  2. より:

    山口さん、まずは渋谷のライブのお礼を伝えたいです。
    12月26日は朝から空が青く澄んでいて清々しい一日の始まりでした。62年前に山口さんが祝福されながらこの世に生まれてきたときのことを想像してみたり、山口さんの歌に出会えたことに改めて感謝したり。
    そんな思いを抱きながらライブに参加。
    こんな世の中だけど光があるってこと、光を目指してまっすぐに生きていこうって
    それでいいんだよって、まるごと受け止めて貰い、ものすごく大きな力を受け取りました。
    「共に生きよう」
    このメッセージ、心臓にタトゥーをしたいくらい…胸に刻んでいきます!

    そして、「Mr.OUTSIDE」
    一曲目の池畑さんのドラムから脳天痺れました。最高傑作です!
    いつも私の生活に彩りと勇気を与えてくれるヒートウェイヴ!!
    山口さんに心からありがとうを伝えたいです。
     
    年末年始はゆっくり身体を休めてください~ と思ってますが
    元旦からソングライティングとは!
    新しい曲が生まれることも楽しみにしています♪

    どうぞよい年をお迎えください。。。

  3. ハリー より:

    新作
    購入してからずっと聴いています。

    素晴らしすぎて
    言語化できません。

    この音、楽器以外に何か入っているんじゃないかと
    聴くたび毎に、涙が溢れて止まりません。

    山口さんに
    死ぬまでは、
    「全力でやれ!」「全力で生きろ!」って
    喝を入れられているようです。

    こんな素晴らしい音楽があること
    本当にありがとうございます。

  4. カズソウル より:

    26日のライブ、感無量でした。
    1曲目が奏でられた瞬間、人心地がつきました。凛として、優しい音に多幸感に包まれました。ハードだったこの一年、トライアングルに包まれて癒やされました。
    そして、失ったもの、亡くなった人も、自分の心の中にいる限り、そのスピリットは決してなくならないこと、受け継がれていくことを、ライブとアルバムで受け取りました。

    アルバム、昨日から繰り返し聴いています。私も1曲目、池畑さんのドラムに痺れました!山口さん、池畑さん、魚さん、3人が奏でた「今を生きる」というメッセージが心に響いてきます。強く励まされます。
    素晴らしいアルバムを届けてくださって、本当にありがとうございます!

  5. オバキューピー より:

    共に生きる、とてもいい言葉ですね。
    ライブの時に「働いた金でチケット買って来てくれたみんな、ありがとう」と言われると自分は正しいお金の使い方していると思えます。ヒートウェィブのメンバー全員が本気でライブやっている姿にどれだけ力をもらえてきたか、毎回感謝の気持ちでいっぱいです。これからも共に生きたいです。
    アルバム、全曲いいです!!優しさと強さ、それがとてもいい具合に溶け合ってるような感じです。年末の最高のプレゼントです。ありがとうございました。

  6. しの より:

    Liveありがとうございました。
    成熟したミュージシャンが繰り出す、良い意味での今現在での最高のヴィンテージライブ。これからもさらに円熟していく過程での、今の最高地点だと感じました。既存曲へのアプローチも微妙な変化があり、聴き手としても新たな気づきと発見が多かったです。続けることで見える新しい世界がそこにありました。自分もさらに深く円熟へ向かえれば、と励みになりました。

    また、サイン会。おつかれのところ、ありがとうございました。娘に伝言伝えたところ、大変喜んでいました。今は新たな目標である芸術系大学へ向けて、いままで未経験の絵の勉強に日々取り組んでいて、鉛筆デッサン等に四苦八苦しながら、一歩ずつ前進しております。親子ともども、またお会いできる時を楽しみにしております。
    ロックンロール!

  7. グレキチ より:

    渋谷のライブ、会社の納会を欠席して観に来てよかったと思いました。
    バンドの音を浴びて元気になった気がします。
    そして、ニューアルバム。
    いま手に入れて聴くべきだと自分に課して購入しました。
    ライブで披露された新曲を聴いて良いアルバムだと確信して家で大音量で聴くと、
    そこにはすぐにも真似をしたくなるギターの音が鳴ってました。
    レコーディング日記を読みながらどんな音になっているのだろうと
    想像を巡らせていましたが、聴いて音の豊潤さに感動しました。
    良い音楽のご飯を頂いた感じです。
    これから日々の生活でじっくり聴いていこうと思います。

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