Search
-
LIVE
-
WORKS
HEATWAVE OFFICIAL BOOTLEG SERIES #008 / 2021122640 Years in a BLINK HEATWAVE
“Unknown Pleasures” HEATWAVE
2022.3.18 Release
詳細/購入はコチラ »
2020.6 Release
詳細/購入はコチラ »Blink HEATWAVE
2019.11 ReleaseOfficial Bootleg #007 “THE FIRST TRINITY” 181222 HEATWAVE
2019.5. Release日本のあちこちにYOUR SONGSを届けにいく 2018 山口洋
2019.3.25 Release『OFFICIAL BOOTLEG SERIES #006 19940524』 HEATWAVE
2018.12.19 Release『OFFICIAL BOOTLEG SERIES #005 171222』 HEATWAVE
2018.5.19 Release『Your Songs』 HEATWAVE
2017.12.26 Release『Carpe Diem』 HEATWAVE
2017.5.17 Release『OFFICIAL BOOTLEG #004 151226』 HEATWAVE
2016.12 Release
HWNR-012 ¥2,500(税込)『OFFICIAL BOOTLEG #003』 HEATWAVE
2015.5 Release
HWNR-010 ¥2,500(税込)DON'T LOOK BACK.
山口 洋 全詩集 1987-2013 B6サイズ 272P 特製栞付き ¥2,800THE ROCK'N ROLL DIARY, 2011 3.11〜 陽はまた昇る B6サイズ 176P ¥3,000SPEECHLESS Yamaguchi Hiroshi / Hosomi Sakana
2011.2.9 Release
NO REGRETS XBCD-6003
¥3.000 (TAX IN)
特設ページ »
日別アーカイブ: 2013年4月18日
虫ケラ、その後
4月18日 木曜日 晴れ 過日、オレは飲み過ぎて、某所で久しぶりに虫ケラになってしまった。虫ケラとてプライドはある。虫ケラ歴もダテには長くない。だから、「オレは虫ケラだ」と知覚する最後の力があるうちに、「それではみなさんごきげんよろしゅう」と、みなさまの視界から消える。誰にも迷惑はかけない。それが虫ケラの小さなプライドだ。 若い頃は路地裏や植え込みで朝になって自分をよく「発見」していたが、今まで大した怪我をしなかったのは単にラッキーだっただけだと知っているので、もうそんな無茶もしない。オレにはまだやり残したことがある。 オレは小さい頃から側溝やなんかに埋まっている父親をレスキューして大きくなった。不思議と彼をそうやって助けて家に連れて帰るのは嫌じゃなかった。オレは子供なりに彼の心の深いところにある、どうしようもない哀しみを理解していた。満州や、戦争や、安保や、もろもろだ。彼を弱いと断定することは簡単だ。でもとんでもなく純粋な男だった。オレはそんなダメな彼を今だって愛している。それゆえ、オレは誰にもレスキューされずに人前から消える虫ケラであることにはこだわりがある。でなければ、愛する父親に申し訳が立たないのだ。 ところで、今回は特殊なケースだった。 オレは友人宅に宿泊することになっていたので、必殺技の「みなさんの視界から消える」攻撃が使えなかった。その日はオレを中心として、初めて出会う人たちの宴でもあったので、小心者のオレは柄にもなく気をつかった。むっちゃ明るい人を演じ、会をほのぼのとしたものにするには多量の酒が必要だった。そして運悪く、オレはひどく疲れていた。 このような背景があり、オレは虫ケラになった。言い訳ではない、事実である。では虫ケラが具体的にどのような迷惑を掛けたと云うと、翌日宿泊先でほぼ廃人と化していたこと。某所に移動する道中で9ゲロし、到着時間を著しく(たぶん2時間くらい)遅らせてしまったこと。 オレが凛とした素晴らしい人物だと思っている人からこんなメッセージが届いた。「自分をコントロールできない人は嫌いです」。続いて、その言葉にショックを受けたオレがメールでその事実を書き送った外国在住の人物。「オレが住んでる国じゃ、自分を律することができない奴が一番軽蔑されるんだよね。ヒロシはいくつになっても甘えが抜けないね」。 真面目な話、オレはかなり落ち込んだのである。甘えてると云われれば認めざるを得ないし、自分をコントロールできないと云われれば、その通りである。あなた達は正しい。むっちゃ正しい。でも、正直に云うと、胸のあたりが苦しい。オレは諦めではなく、そんな正しい人物にはなれないと思う。今後そのような場所に顔を出すのは止めようと思うのだ。このような事態を回避する手だては今のところ、それしか考えつかないからだ。 オレが今書いているのは「force」についての歌だ。ニンゲンは後天的な努力によって自分をかなりの部分で変えることができる。でも、流れている血に抗えないことだってある。無理に抗ったなら、その人は確実に壊れる。どうにもならないことだってあるのだ。何とか変えようとしている人間に対して、「force」と一言でばっさり断定されたなら、どうやって生きていけばいいのか教えて欲しい。そしてあなたはまったく正しい。で、応えなんてある訳ないから、オレは音楽を続ける。サレンダー。オレは無条件に降伏する。あなた達はいつだって正しい。 こんなとき、このような音楽の力がオレには効くんだよ。ありがとう。素晴らしいぜ。