日別アーカイブ: 2013年10月28日

R.I.P Lou Reed

10月28日 月曜日 晴れ R.I.P Lou Reed ルーが死んだ。 「死」は特別なことではないし、誰もが一度だけ経験できることだと思って生きてきた。自分の番がやってきたなら「ああ、そうですか」と普通に云えるように日々を暮らしているつもりだから、誰かが死ぬことでショックを受けることはもうないものだと思っていた。 朝方、そのニュースを聞いてから、脳髄が痺れたままだ。ジンジンする。彼の曲が消えてなくなることはないのが分かっていても。同じ時代に生きてくれているだけで僕にはとてつもない力だったのに。 ルーは父親を除いて、僕の人生に一番影響を与えてくれた人だ。彼が居なければ、ミュージシャンにはなっていなかっただろうし(言葉が違うな – なれなかっただろうし)、なっていたとしてもソングライターにはなれなかった。たぶん、まったく違う人生を送っていたはずだ。 16歳。僕は田舎の中途半端な進学校に通っていた。あったのは疎外感だけ。学校では何も学べないことを日々学んでいた。ガールフレンドが休んだ日は、ほとんど生きている意味を見いだせず。そんなときに聴いたのが「Walk on the wild side」。まるで脳天を串刺しにされたような衝撃だった。 どうしようもない5人のフリークスたちが淡々と描かれる。彼の音楽は叫ぶ必要がなかった。コードはDとGとEmの3つだけ。たった5分の曲の中に短編映画が5つ詰まっているようだった。何を歌っているのかどうしても知りたかったけれど、肝心な言葉に限って辞書には載っていなかった。英語教師がNYのスラングなんて知る訳もなく。知りたいことは自分で知るしかないのだった。それだ。目の前に道が見えた。彼の音楽は僕の光だったのだ。とにもかくにも。僕はワイルドサイドを歩くことを決めた。16歳のその日から。 彼のことなら、いくらでも書くことができる。でも、書かない。僕はまだその道を歩き続けている。きっと死んでもどこにもたどり着かない。ジョーが死んで、ルーが死んだ。あとは自分でやるだけなのさ。 ルー、心からありがとう。ゆっくり休んでください。   僕はこの1983年2月のNYボトムラインでの演奏が好き。客席にはアンディー・ウォーホールも来てた。

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