月別アーカイブ: 8月 2015

ホテル・イグディスタンス

8月4日 火曜日 晴れ 長いこと、本屋のドアを開けることができなかった。理由は個人的なことなので割愛。どんな作家の言葉も響かなかったし、その世界に近づきたくなかった。震災とその後に起きたことに、(個人的な印象だけど)文学はほとんど力を持たなかったってこともあるかもしれない。 賞なんて、どうやって本を売るかって業界のバイアスがかかってるのは当然。それは何処の世界だって同じ。 ひょんなことで開けることが出来なかったドアを開けた。些細なことだけれど、これもまた必然なのだろう。僕は久しぶりの本屋で、昔から好きだった作家の近年の作品をいくつか買った。すこし手が震えたけどね。それは今、読むべき本だった。詰まっていた血管が開通した。ホテル・イグディスタンス。それは架空だけれど、わたしにとってはまったく架空ではない。脳が、思考が、違うベクトルで回転し始めた。すごいね。刺激を与えることは。ちょっと震える。 ホテル・イグディスタンス。たぶん、Googleで検索しても出てこない。愉快だ。Googleは万能の神ではない。わたしもまた、夢をのせて、そのホテルを築くことができる。彼らが世界と呼んでいる大きな黒い穴の上に。

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恒久的な亀裂

8月3日 月曜日 晴れ 長い間、頭蓋の裏のスクリーンに映る、トラウマの映画を観る時間がなかった。創作者としては致命的。誰も行かないような標高の雪山に逃亡するか、山の家で原始の生活をするか。とかく世界は雑音が多すぎる。そして、僕は未だに電車にちゃんと乗れない。現代に生きるには失格者ってことです。電車の中の無関心がたまらなく怖い。 脳味噌は極めて単純。いわゆる「男脳」というやつで、驚異的な集中力を発揮する反面、同時にふたつのことができない。それゆえ、事務的煩雑さをとっとと解決して、次の案件に取りかかるも、次から次に案件は湧いてきて、一向に創作者として集中する時間は持てない。「職業 = オレ」で生きる一番の難しさかな。 僕も残り時間を計算するような年頃になって、はたと考えた。江戸時代だったら、もう死んでる。つまりは与えられたロスタイムみたいなもの。LIFEという試合は最後まで諦めない。あたりまえです。それが役目だもんね。個人的な欲のようなものは、もはやない。自分はいったい何がやりたいのか? 経験やヴィジョンを何よりも「作品」に昇華させたい。それで役に立ちたい。やるからには未踏の領域に踏み込みたい。つまりは冒険していたい。 「恒久的な亀裂」ってものは厳然としてある。ない、とのたもう輩が居るのなら、身体と魂を張って生きていないことの証明でもある。その上での「表現」だ。 現実なのか、ヴィジョンなのか、空想なのか、夢なのか。その境界線を行き来できてこそ、その人物は創作者たり得る。知ってる人は分かると思うけど、かなりの体力を必要とする。ってか、ほんとうに必要なのは「知力」ではなく「体力」。これがなければ、現実に戻っては来れない。「いいね」じゃ、たいせつなことが良くなる可能性は低い、と僕は思う。ぽちっと押すとき、身体張ってるんだったら、話は別だけどね。

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曲を書く

8月2日 日曜日 晴れ 新しい曲を書いています。この時間がどれだけ幸福なことか、今は身にしみて分かります。日本海シリーズより、新しい曲を演奏することを始めました。ニュー・アルバムへの一歩目を記したところです。僕が時代や世界にファンクションできる一番の方法は、新しい曲を投げかけることだと思います。チャボさん、佐野さん、先達の新作への意気込みに刺激を受けています。だって、同じ時代を生きてるんだもんね。 次の北海道シリーズ。夏の北海道は最高なので、フェリーにクルマを積んで、ゆっくり行くかーと思っていたら、フェリー火災。ん?聞いたことある船の名前。調べたら、今度乗る船。Oh my god !とうぜん、欠航。帰省シーズンで振り替え便はどうにもならず、マネージャー様、連絡つかず。はい、頑張りましたよ。どうにか違うルートで確保しました。後は台風来ないでね。懇願。 次のシリーズは北海道から南下です。気軽に来てください。でも、ステージ上の本人は、毎晩これが最後のステージだと覚悟を決めてやってます。「死して屍、拾うものなし」。むろんポジティヴな意味でね。まぁ、観てくれたら、分かります。全公演の詳細はこちらを。 —————————————– 山口洋 on the road,again / rolling 50 8月13日(木) 札幌・円山夜想 8月15日(土)RISING SUN ROCK FESTIVAL 2015 in EZO 狩湾新港樽川ふ頭横野外特設ステージ、BOHEMIAN GARDENに MY LIFE IS MY MESSAGEとして、山口洋 (HEATWAVE)、山田将司 (THE BACK HORN)、和田唱 (TRICERATOPS)、仲井戸”CHABO”麗市の4人で参加します。 8月16日(日) 旭川・EARLY TIMES 8月19日(水) … 続きを読む

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「blog上地獄アワー、第二十六回。特集、夏」

8月1日 土曜日 晴れ ツアーから帰って、滝のように汗をかきながら、残務整理。夕方にようやくそれを終えて、番組を作ってます。あ、カレーも作ったよ。外食、飽きた !!!!!! 特集、夏です。夏に聞きたい音楽、あります。若い頃からビーチが似合う曲より、晩夏の夕暮れ、みたいな曲が好きだったんだよなぁ。 めずらしく自分の曲からいくね。これを書いたのは87年くらいだと思う。もうすぐ福岡を出るってときに、あの風景を残しておきたくてね。で、99年にようやくレコーディングしたんだ。じゃ、ヒートウェイヴで「夏」。 夏   よーし、じゃ精一杯がんばって、元気な夏からいくね。これ聞くと、彼女と散歩してた福岡の夏の海を思い出すんだよ。ずいぶん生意気な高校生だったけどね。このアルバムは高校2年のときにリリースされたんだ。The Rolling Stones で 「Send It To Me」。       夏って、小さな頃からこんな感じだったよ。まったくねぇ。Jackson Browne で「These Days」。デビット・リンドレーのラップ・スティールがね、たまらなく夏なんだ。哀しい夏。       この曲をかけたくて、特集を「夏」にしたんだよ。笑。ほんとうに、墓場に持っていきたいくらい好き。暗いんだけどさ、何だか胸の奥がぎゅーんとする。亡くなった親友のマサルと、この曲のことだけで、朝まで語り合ったことがあるよ。Jefferson Airplane で 「Comin’ Back To Me」。         続いて、ジェシ・デイヴィスのギターが光る名曲。Marc Benno で 「Speak Your … 続きを読む

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