ホテル・イグディスタンス

8月4日 火曜日 晴れ

長いこと、本屋のドアを開けることができなかった。理由は個人的なことなので割愛。どんな作家の言葉も響かなかったし、その世界に近づきたくなかった。震災とその後に起きたことに、(個人的な印象だけど)文学はほとんど力を持たなかったってこともあるかもしれない。

賞なんて、どうやって本を売るかって業界のバイアスがかかってるのは当然。それは何処の世界だって同じ。

ひょんなことで開けることが出来なかったドアを開けた。些細なことだけれど、これもまた必然なのだろう。僕は久しぶりの本屋で、昔から好きだった作家の近年の作品をいくつか買った。すこし手が震えたけどね。それは今、読むべき本だった。詰まっていた血管が開通した。ホテル・イグディスタンス。それは架空だけれど、わたしにとってはまったく架空ではない。脳が、思考が、違うベクトルで回転し始めた。すごいね。刺激を与えることは。ちょっと震える。

ホテル・イグディスタンス。たぶん、Googleで検索しても出てこない。愉快だ。Googleは万能の神ではない。わたしもまた、夢をのせて、そのホテルを築くことができる。彼らが世界と呼んでいる大きな黒い穴の上に。

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