日別アーカイブ: 2026年1月29日

洗濯という選択

1月29日 木曜日 晴れ   たった3日間でしたが、雪山から帰ってきました。インバウンド問題はあるけど、山はなにも変わらないわけで、僕にとってはプレシャスな時間。  確かに危険だし、装備はめんどうだし、お金もかかる。それでも、澱んだこころを取り出して、強制的に洗濯機に突っ込んで丸洗いしたような、爽快感と筋肉痛があります。思うことはたくさんあるので、人体実験の結果として伝えておきます。  今となっては誰も信じてくれないけれど。幼い頃は心臓に持病があって、体育を見学しなきゃならならず、本ばかり読んでる自分が嫌いで6歳から野球を始めたなら、すっかりスポーツが好きになって、身体を動かしてないと気持ち悪いってニンゲンに育ちました。ウインタースポーツは南で育った人間にとってはハードルが高いのです。だから45歳までやったことも見たこともなかったのです。  ある人物が熱心に誘ってくれて、雪山へ。その日のうちに虜になって、3日だけ先生に習って、3年後には外国でスキーをしていたような。相変わらずの、やり始めたら止まらないタイプのアホ加減。。。  アメリカでグレイトフルデッドのスノーボードを見かけて「あれならやってもいい」と口走ったら、50歳になったときにうちの兄貴分がアメリカ中探してそのボードを持ってきてくれて、晴れてスノーボードデビュー。その日から、一回もスキーはしてません。二兎を追うのは好きじゃないので。  でも、このごろ思うんす。両方やればいいじゃんって。できるんだから。ミュージシャンを目指すから、絵を描くことも封印したんです。でも、このごろ思う。両方やればいいじゃんって。そのくらいには柔軟になったかも。  特徴は僕は一人が好きだってことです。そういう輩はほぼ見かけません。たまにいると、すぐわかる。そういうオーラが出てるから。  一人のなにが素晴らしいって、自由。無心になれるし、こころの声がちゃんと聞こえてくる。自然に洗ってもらってる感じかな。同時にとっても危険なので、気を抜いちゃいけない。スノーボードって埋まると自力で脱出するのはめっちゃ大変です。今回も調子こいて、たかが1メートルのパウダーに埋まったら、なかなか死ぬ思いです。雪ってめっちゃ怖い。頭から刺さったなら、運が悪いと数分で死にます。  バックカントリーで道に迷って、誰かがつけた跡に着いていこうものなら、かなりの確率で遭難します。それ人生と同じ。自分で考えて、行動して、責任取らないと。付和雷同は死を招きます。地形を頭に入れて、状況をよく見て、装備を持って、天候を調べ、なによりも己の実力を知っておくこと。間違って谷底に行ってしまったら、自力では2度と上がってはこれません。携帯は寒いと動かなくなることもある。  コース外に出たい気持ちはよくわかる。でも、それをやってる連中を見ていて、危ないなぁ、と。ともだちといて、テンション上がってるから、深く考えずに突入して事故を招いてる。。。  でもまぁ、そういうことも含めて。確かなインスピレーションを与えてくれます。  同じ状況は「今、この瞬間しかない」からです。、気温、雪面、風、ひかり、エトセトラ。いろんな状況が重なりあって「今」がある。二匹目のドジョウを狙っても、それはもうないんです。その最高の瞬間を求めて、信じがたい早起きをして、ジャンキーはそこに赴くのです。自然が相手だから、まったく自分でコントロールできないのもいい。夜のうちにたんまりいい雪が降って、朝からピーカン。ファーストトラックを刻むとき。至福です。孫悟空が雲に乗ってるとき、こんな気分なのかなぁ、とか。  あ、もちろん怪我のリスクも十分にあります。僕もやらかしてますからね。それでもやめられない「なにか」があるなぁ。いくつになっても、遅すぎることなんてないんです。70になって始めてもいいと思う。そういうpoint of viewを複数持っていることってたいせつだと思います。ウインタースポーツが金を持ってる人間しかできないようになってほしくない、とこころから思います。だいじょうぶ。オレ、持ってないから。使ってるだけ。  「私をスキーに連れてって」って時代は、こころから嫌悪してました。週末になると新宿あたりに、スキー場に向かうバスが並んでいて。かようにバブルは崩壊、そしてコロナの洗礼を浴びて、好きな人だけが生き残って、インバウンドがそれを支えてるって、おかしな図式。  変わらず同じ体温で、自分がそこに向き合うにはどうしたらいいのかな、と。考えているところです。冬の間、麓に安いアパートを借りるとか。貸してくれるかな。笑。そのくらいの開き直りが必要かもなぁ、と。そしたら、そこで曲を書いて、雪山に遊んでもらって、清く貧しく山と向き合えるじゃないすか。

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