意味のない音楽

4月2日 土曜日 晴れ 

 スーパーマーケットに音楽が復活した。ない方が良かった。あくまでも、僕にとっては。有線に「がんばれチャンネル」みたいなものが新設されたのかもしれないが、「がんばれsong」がじゃんじゃん流れる。どっちかと云うと不快だ。僕は聞かされたくない。胸のあたりがワサワサして、いたたまれなくなって、そそくさと店を出る。

 車の中でラジオを聞いた。パーソナリティーが「震災後、いちばんリクエストが多かった曲です」と云って、曲をかけた。申し訳ないけれど、どっちかと云うと不快だった。また胸のあたりがワサワサする。曲の終わりまで聞いて、ラジオを消した。その曲が好まれていることや、たくさんの人を励ましてきたであろうこと。それは素晴らしいことさ。そして、僕がその曲を好きになれないのも仕方がない。

 でも、こうも思うのだ。どちらかと云うと、僕と同じような嗜好のニンゲンだって少なからず存在するはずで、例えば僕がスーパーの社長だったら、カオリーニョ藤原の「人生の花」を1時間に1回はかけるだろう。その曲に込められた、圧倒的なものに心を奪われる人だって、たまには居るだろう。音楽を愛している者にとって、好きではない音楽を無理矢理聞かされることが、どれだけの拷問かってことを、分かって欲しいのだ。何よりも、未来を担う子供たちが、少なくとも「多種多様の音楽がこの世にはあること」。そして無数の選択肢があることだけは伝えて欲しいと思うのだ。
 

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意味のない音楽 への20件のコメント

  1. 宮城県に在住しており、いま、同じことを考えながら
    車を走らせていました。
    テレビも音楽も、いかにも!というような応援ソングの中には
    よりわかりやすくするためのようなスッキリした歌詞のものが
    流れているわけですが、
    疲れをいやしてくれるような曲を聴きたいとチャンネルを回しても
    がんばれソングばかりです。

    北欧の静かな音楽きいてます。
    アリス・シングス・ザ・ベターソン・ソングブック
    (デンマーク)

    余震の中で心の平穏を感じられる音楽。

    いま心から欲しいのは平穏な日々です。

  2. 先ほどコメントした
    音楽の動画は下記です。
    http://www.youtube.com/watch?v=2owRJrn2hXg

    参考まで。

  3. 双葉 より:

    チビッコがあなたの小馬鹿にするあなた曰く”意味のない音楽”を
    聴いて、その歌のおかげでどれだけ元気になったり明るくなれたり
    救われたりする姿があなたには想像できませんか?それもこの国を
    元気にしていく姿が想像できませんか?
    ”意味のない音楽”とは、あまりにも独り善がりだ。
    それでもあなたは”意味のない音楽”と言いますか?

    • かとう より:

      彼は昔からこういう人間でしたよ。彼の価値観を無批判に100%受け入れられる人間以外は本来は近寄っちゃいけない・・・・少なくとも彼の文章を読んじゃいけないです。あるいは「山口はそういう人間なんだから、何を書いてもビッグハートでスルーできる」という自信があるひとか。山口氏ももう良いお歳ですが、なお変わらずにこうしたことを本気で考えて書けるというのは、裏を返せば貴重な素質なのです。多くの人間にとって彼のこうした人間性は不快ですが、一部の熱心なファンにとってかけがえのない存在であることは事実ですし、それはそれで言祝ぐべきことなのではないかと私は考えます。大きな心で見逃してあげましょうよ。

  4. 愛犬ちゃんむー より:

    私も、このDIARYを読んで、ちょっと洋さんらしくないかなぁ…?てのが感想です。

    色々な世代や人種がいる世の中。色々な嗜好や考え方の違いや選択肢が、あって当たり前だと思うんです。こうじゃなきゃダメっていうものでもないし、何を好むか、好まざるか?それを良いとするか悪いとするかも個人の判断。自由なんじゃないかと…。

    • ケンヂ より:

      意味のない音楽。幼稚で商業主義の臭いがプンプンする。聴き手ではなく作り手側なら特にその手の意味のない音楽の対極にあり、戦うとかでもなく相手にするのも馬鹿馬鹿しい。そんな応援ソングが多過ぎます。垂れ流されて洗脳されて、そんな意味のない音楽がガンガン流れてきたらそりゃあ不快でラジオを消します。

      初めてコメントしますが山口洋の音楽を愛するファンは「こちら側」の方がほとんどだと思っていたのでコメントを見て書かずにいられませんでした。

      不適切なコメントであれば削除ください

  5. 愛犬ちゃんむー より:

    すみません。再度読み返してみると、あくまでも洋さんの個人的な感想と、ことわって書いてありました。申し訳ありませんでしたm(__)m

    洋さんが、そう感じるのは、個人の自由ですものね。

    ただ私も、「意味のない音楽」でひとくくるのは、少し独りよがりな考えかなぁ?て正直思ったので、先程のコメントになりました。洋さんには、もう少し広い視野をもっていて欲しいという願望があったので。ごめんなさい。

  6. 萩原晋也 より:

    BBS復活してほしいですね。

    コメントが閉じ込められてるな。

    俺もこの日記は?ですね。

    そんなこともう言わずに新しい楽曲を我々に聴かせてほしいです。

    ダイアリーはその場の断片だから、いいんですけどね。

    消そうと思ったけど、あえて書きこみます。

    BBS復活してほしいですね。

    あれはだいぶ、ラフに書けますよ。

  7. c より:

    本物のミュージシャンの耳は、繊細で敏感にできている。
    ソングライターを生業とするプロの耳をもつ人なら、街中に流れるジャンジャカした音は耐えられないと思う。耳が勝手に、空中を流れる音を捉え、音程、音質やバランスやコードワークやいろんなものを分析しようと、勝手に仕事の脳と耳になってしまうのでは?聴く気がなくても、耳に入ってしまう(聴き取ってしまい)精神的に疲れると思います。
    打ち込みの型枠通りの音楽、いつも同じ音づかいでしかLIVEできないミュージシャン、音響さんにずれた音程直してもらってCDレコーディングしてる歌手。
    歌唱力はあるけど、魂の入っていない歌、音符どおりでないと演奏できない演奏家。
    そんな人たちでも、プロと呼ぶのなら
    本物のプロだけに本物の音楽を届けて欲しい。

    人それぞれ好みはちがうけれど。
    私は魂をゆさぶられる歌を聴いていたいです。

  8. だるまっこ より:

    この日記を見て、改めて洋さんのライブに行ってみたくなりました。

    よく被災者に対して、私達は何ができるだろうか??って疑問を投げかけてくる人は
    多いです。

    がんばれー!!って応援しても、そう言われたくない人だっているし、
    逆に言われたい人もいる。

    音楽も今こそ聞きたい!!って思っている人もいれば、今はそっとしておいてほしい
    と思っている人もいる。

    なんか難しくって。じゃあ、何をすればいいの??私に何ができるの??って思います。

    私はなーんにもできないって思っています。私が被災者にできることは何にもない。
    自分が何かできるって考えてること自体が間違っているなって思ってます。

    でも、私自身が一生懸命生きることはできる。あっけなく町も村も流されてしまう現実があるからこそ、一生懸命生きなきゃって思っています。

    洋さんの音楽を聞いてみたくなりました。いつか行きます!!

  9. jel より:

    宮城県に住んでいます。
    「震災後、いちばんリクエストが多かった曲」という曲は、嫌いな曲ではないですが、ドラマの影響のイメージもあってか「がんばってほしい」という時によく耳にします。
    私自身は「ここでもチャートか…」と思いました。
    でも、それは被災者がリクエストする曲ではないです。
    少なくとも宮城県以外の人たちがリクエストしている曲なんです。

    子供達が喜ぶ曲。
    アニメソングは各番組にコーナーを設けて「ちびっ子あつまれ~」っと呼びかけてから流しているし、ちょっと大きな子供達用のアニメソングも流れています。
    パーソナリティ陣はあんまり得意じゃないジャンルだけれども、詳しくなってきているようで、その様子を聞いて私たちも楽しめています。
    また、私たちが小さい頃のアニメソングなんかも流れていて、被災者の方々も「なつかしい」と思っているかな?そう感じます。

    私は、家に住める状態だし、ライフライン復旧して部屋に居るぶんには以前と変わらない生活のようにも感じられますが。
    震災から2日目。まだ電気が仙台市内中心部でさえ点いていない夜にアップテンポの電子音で耳障りな曲が多くJFM系で流されました。「応援ソングだ」といって。
    正直、腹が立ちました。今、東北で何が起きているか。全く理解できていないんじゃないかと。。
    きっと、まだ電気が使えない人は同じ想いの人も多いとも感じます。

    私が他の震災時に行ってきたことを思えば「全然わかっていなかったな…」と反省することが多いですし、皆さんが曲をリクエストして応援したい。何かしたい。という気持ちはとてもありがたいと感じています。
    でも、私自身少なくとも元気がほしい時に聞く曲はヒットチャートトップ10に入る曲は無いです。
    本当の意味の「音楽の力」とは?
    私は、不安が山となって襲ってきた。そんな時でも心のどこからか流れてきてまた平常心に戻してくれるようなものと思っています。
    そういう曲って、結局心にため込まれているものですよね。
    そうじゃなかった人の為に良い曲をたくさん流してほしい。

  10. ゆか より:

    現場の人の声はほんとうに貴重ですね。

    そこに綴られる文字をどう捉えるのかで、行動は分かれるのだと思います。
    想像できるのは、同じ場所に居る人全てが同じ心境でもなければ、同じ状況でもないだろうということです。

  11. QUADRAPHONICS より:

    不快 意味のない音楽・・・
    山口洋の感情がこの日記に書かれているので、何を書こうが自由だと思うのですが、
    ネガティブなことを今 書くことにひっかかります。

  12. サトウ より:

    人によって励まされる曲は違います。
    私は10人に訊いたら9人は確実に知らないと答えるミュージシャンの
    曲が好きで、励まされます。だけどそれを人に聞かせたりは
    しません。その人にはその人の、励まされる曲があるはず。

    一方で「被災地応援ソングだから」「リクエストが多いから」と
    決まった曲、人によっては意味を持たない音楽を流し続ける
    メディアがあり、それに異を唱えれば「不謹慎だ」という人がいる。
    他人に気を遣わないことが不謹慎だというなら、他人が聴きたくない
    曲を流し続けることも不謹慎だと思うのですが。

    政治や歴史ならともかく、音楽を嫌いだというのにも覚悟がいる。
    今はそんな空気が流れているような気がします。

  13. きょーこ より:

    ここのメッセージを拝見していろいろ思いました。
    まだまとまらなくて乱暴に書いてしまうことになりますが
    つまりは公共の場で、音楽にしろ節電照明点灯にしろ、自粛ムードにしろ、
    いま震災の時だけど、貴方の感じ方で、そのままでもいいんだよ、っていう
    いい意味でのユルさがないって事だと思うんです。
    あと、やっぱり確かに子どもの時からいろんな音楽を知らずにその時々の
    一番多数派のメディアからだけ音楽を聴きつづけてきたら、
    それはその子の一生の音楽観を左右することになるかもとは思うんですよね。
    大人になれば自ら自分で聴く音楽は選べます。
    ラジオのスイッチを切ったり、聞く媒体を選べばいいんですから。
    でもそれも選ぶ音楽がある、ということを知らないとできない。
    間口を広く、そこから選択することが出来にくくなってきているって事だと思います。
    それって個人的には楽しくない世の中かな、と。
    どんなのもありだけど、操作されたくはないかな。
    そんな風なことを思いました。

  14. ひで より:

    地元の街を歩いてて路地を一本入ると古い家が沢山。
    その家の歴史や土地の歴史に、または家主の趣味が思いっきり入った変な形の家だとか...
    柱の傷や庭の感じとか、似てるようで全然、似てないんですよね。
    表通りにはそういう古い家を取り壊して高層マンションや便利で快適な最新式の一軒家。
    新しい家やマンションに、その街の歴史の連続性や地域性は出せないような気がします。
    別に新しい住宅が駄目だという訳でなくて、世の中には色んな種類の家があるんだよ、けっしてコンクリートと最新式の素材で出来た家ばかりが家じゃないんだよ。
    という様な事が言いたかっただけだと思います。
    言葉足らずで、意味が通じないかもしれませんが...(汗)

  15. 桃沢ワタル より:

    山口さんに同感です。
     言葉尻や具体的なことは知りませんが、山口さんの感じたであろう違和感みたいなものを私も感じます。
    (乱暴な言い方かもしれませんが)ラジオがとっても好きだったのですが、震災後にラジオがテレビ的なものになってしまったような気がします。

     つまり、ラジオはそれぞれの番組がコジンマリとパーソナルにやっていたのに、最近急に、テレビのように無難な最大公約数的なものにかわってしまったような気がします。
     今こそ私たちに必要なものは、多様性、いろんな見方、そして、それに刺激されてそれぞれの人がそれぞれに頭を働かせる事、、だとおもうのですが、、テレビのようにどのチャンネルをひねっても同じニュース、コメント、請け売りの繰り返し、、みたいに、ラジオがなってしまわないことを願います。
     話がそれてますね、すみません。

  16. Ken J. Hidaka より:

    はじめまして。大阪在住、日高賢一という者です。山口洋さん率いるHeatwaveの
    ベストアルバムと、land of musicというアルバムを聴いてきました。好きです。
    ボクも、なんでもかんでも「応援」と称して音楽が綺麗な音でサラッと流されることには多少のむずがゆさ、イライラを感じさせられている1人です。自分も、超へたくそな弾き語りで書いた被災地の方へ向けた歌を2曲動画でアップしてしまいました。はじめはやめておこうと思いましたが、届けずに部屋でひざまずいて祈ってるだけなのも違うし、かといって支援にもいってないこの役立たずな自分には歌う姿を動画で配信することぐらいせめてしたいと強く思い配信することに至りました。声を枯らして歌うことで、気持ちぐらいは伝わるのではないかと思ったのです。
    でも、山口さんがおっしゃること、凄くボクには理解できます。
    ボクも、人に不快感を感じさせないような気持ちの届け方を音楽を通してするよう心がけたいと思います。そして、被災者の皆さんに山口さんの魂の音楽を届けることで皆さんに勇気と希望を与えてくださいませ。

  17. shining132 より:

    初めて書き込みいたします。
    僕は山口さんと同じ学年ですので、彼の気持ちがわかります。
    確かに今のガンバレソング(主に’90年代半ばから某BプロダクションがCMタイアップ主導のものに端を発し、某Jアイドルプロダクションに繋がるもの)に吐き気を感じます。 別に歌が100曲中1曲流れるだけなら問題はないのですが、90%以上そういう歌が占めていることに吐き気がするのです。 三食たべるおかずすべてが生魚(特にしめさばのような油の強いもの)ばかりだったら、誰だって嫌でしょう?

    だから僕は、感受性を育んだ’70年代から’80年代半ばの音楽を聴いてます。
    悲しみや嘆きの歌、怒りのメッセージソングが当たり前に流れていましいた。
    百人いれば百人の意見と価値観があります。 歌もそうでなければいけないのです。
    メディアやメジャーレーベル、FM・有線放送などの送り手はその発想に立ち返って反省すべきなんです。

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