風の強い日

4月1日 金曜日 晴れ

4月、だね。

何かを経験して、消化したり、しきれなかったり。それが何処で行われているのか分からないけれど、やがて発酵が始まり、たまに腐ったりして、ときどき何かに触発されて、とつぜん曲は生まれてくる。そんな季節。机に座って、無理矢理ひねり出したものがいい曲だったことはない。最後の一行が書けなくて、雑巾の一滴を絞るように書くことはあるけれど。

たぶん、誰もが使うような簡素極まりない言葉で、いちばんディープな感情を描きたいんだと思う。

そんな季節がやってきたのかな。毎年書いてるけど、僕は桜が苦手だ。だんだん楽にはなってきたけれど、満開の桜を観てると、息が苦しくなる。でも、被災した人たちがそれで心が晴れることがあるのなら、ガンガン咲いてくれるといい。

ソングライターはときどき隔絶されなきゃいけなくなる。何かをまとめあげるときには。じっくり孤独と向き合う時間も必要だ。山に還ろうか、と思う。

ご飯を独りで喰うのは甚だ味気ないものだ。でも、できるだけ餌にならないようには心がける。喰うことに集中すると、あっと云う間に終了するので、たいてい、くだらない本を読みながらってことになる。今日はスキーの本。「上体を安定させ、雪面への働きかけで、コブを支配する」。ふむ。なるほど。どれだけコブに吹っ飛ばされたこと、か。どうやら、僕は魔界に足を踏み入れたみたいだね。

さぁ、音楽に戻ろう。

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風の強い日 への3件のコメント

  1. c より:

    弘前公演をapple waveで、聴くことができて本当によかった。
    日を置かずにTVの震災のためのコンサートを見たけれど、グッときたのは、ほんの数人。それも、メディアで大々的に取り上げられるビッグネームの人のは、もう全然響いてこなかった。音楽をやるってことは、その人の生き方がそのまま音楽に出てしまうんですね。若いときは、何を信じてきたのだろう。その時の時代やメディアがいいといったことを鵜呑みにして、何も考えずに自分も流されてきたような気がする。
    だから、今、山口さんの歌を聴くと時々昔の自分が情けないなあとか、恥ずかしいと思うときがある。それくらい山口さんの歌はビンビン響いてくるよ。
    泣きたくなるくらい、心の中が「ドクン、ドクン」と動いてるのがわかる。
    前に誰かも書いていたけれど、嬉しいときも、落ち込んでるときも、どんなときも色褪せない、本当に聴きたい音楽。それが、HEATWAVE. 山口 洋だと思います。
    きっと、曲を産み出す苦労は大きいのだろうけれど、それを心から待つ人。
    日々、生活の中で、聴いている人。また、自分のやるべきことをがんばろうと思わせてくれる。SPEECHLESSを聴いてから「フールとクール」が以前よりも、もっと好きな曲になってます。

  2. ざりがに より:

    私も桜が苦手です。なぜか訳もなく不安になり行き場のない焦りを感じてしまいます。あれはなんなのでしょうね。
    東京では花見に規制がかけられたとか…
    春は体に不調が出やすいのでくれぐれもご自愛くださいね。
    育児でなかなか前のようにライブにいけませんが、いつもいつも応援していますし、心の支えです。

  3. けいこ より:

    山口さんのファンになって、以前の5年分のブログを読破して初めて迎える春。

    桜がこんなに切なく見えるとは思いませんでした。

    桜の話題に気が引けたり、花を見てふと山口さんを思ったり。

    …バカなんでしょうねぇ(笑)。

    でも、木蓮・白木蓮も咲き乱れるこの季節がやっぱり好きです。

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