Recording day #064、OLD DEMO #003

10月18日  火曜日 晴れ

ツアーに出る前に何とかもう1曲完成させようとフントー中。耳が頑張れる時間がだんだん短くなってきたので、劇的に小さな音でミックスする方法を考えた。集中力は必要だけど、耳そのものは疲れない。

さて。OLD DEMO #003。ワンクール目はこれで終わり。また近いうちにやるね。ツアーから帰ってきたら。

1988年のデモ。28年前。オレ、23か24歳。圭一は21か22ってことになるな。どうしてこれが録られたのか覚えてない。たぶん、当時いろんなレコード会社から話があって、急遽録音したのかも。にしても、歌詞もついてないし。その割にはマルチトラックで録音されてるし。

多分、新機軸のサウンドを手に入れた感触があって、そのままレコーディング・スタジオになだれ込んで録音したんじゃないかなぁ。確かにベースが歪んだ音で全音符を弾いて、アコギがジャカジャカとリズムを出すトリオのバンドなんて存在しなかった。

聴いていて、いろんなこと思い出してきたぞ。まず、このギターはタカミネのライ・クーダーモデルとグレッチ。タカミネはどっかのステージで頭に来て投げ飛ばしてぶっ壊れた(はず)なんだけど、近年、どこかで誰かがその現物を持ってたな。笑。

後半のアフリカ・セクション(ぜんぜんアフリカになってないけど、やりたかったんだろうな。)はスタジオに転がってたパーカションを手当たり次第ダビングしたな。にしても下手だ。笑。こいつらグルーヴが分かってない。で、当時のガールフレンドまでコーラスで参加してるな。みんな思いっきりハズれてるぞ。

でも、オレがメーカーのディレクターだったら、迷わず契約する。何処にもないものを創ろうとする気概が感じられるよ。今なら云えるけど、このバンド、好きだな。訳もなくとんがってる。

 

じゃ、HW1988で「AFRICA(歌詞なし)」。エンジョイ!

Africa 1988

 

しっかし当時のHWは無敵だと思ってた。ともだちが遊びにきて、セッションしたとしてもいつだってこのレベルで演奏できた。一年300日は演奏してたからね。変幻自在だったよ。惜しむべくはこの手のカヴァーにしても、ちゃんと歌詞を歌っておけば後年発表できたかもしれないけど、ただセッションを愉しんでるだけで実にテキトーに歌ってるだけなんだよ。でも、バンドは凄いレベルに達してる。ロックンロールやるんだったら、オレ達を越えてからにしろ、とか。わはは。凄い思い上がり。でも確かに一回目のピークだね。

バンドってね。音の塊なんだ。それは身近に居てくれたルースターズから学んだ。あんなバンドは後にも先にも居なかった。とにかく、演奏する。それだけなんだ。理論じゃない。そうやって創られたバンドの音は塊なんだよ。この時期、ようやく俺たちは何処に出ても負けない塊になったと思った。

Night time 1989

こうやって、何十年も経過して思うことは。俺たちの音には覚悟がある。それは聞いててびっくりする。たまに悲壮だけどさ、覚悟してる。もう戻れないんだよ。退路がない。きっと、それはたいせつなことなんだと思う。

 

 

 

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Recording day #064、OLD DEMO #003 への13件のコメント

  1. かまを より:

    これは素晴しい!
    溢れんばかりの熱量を感じます。

  2. ゆき より:

    最高なグルーヴ
    素晴らしき音の塊
    真夜中にカラダが勝手に動き出しました。
    12月のHWのライブ 心待ちにしています。

  3. Koike より:

    ドキドキが止まらないっす。ロックンロールの魔法がパンパンに詰まっていて、ヤバい!超絶。悶絶。

    この後のWhite Light/White Heatも気になる・・・。

  4. 内山五月 より:

    この時代の音源、いつもすげーグルーヴですね。
    舵取りがハッキリしてるから、やりやすいんでしょうね。20代でこれって(´Д` )やんなっちゃう

  5. フラニー より:

    「Africa 1988」、音が流れてきた瞬間から、背骨が(熱く)凍りましたッ!!
    「Night time 1989」のラスト、超ゴキゲンな気分になって、
    パソコンの前で踊ってしまいました~!!!

    ロックンロールの魔法がかかっているうちに、山口さんに言いたかったことの
    ひとつを♪ たぶん学生の頃から女性に何百回と言われてるかと思うんですけど、
    「山口さん、目の中の黒目が大きいですよね(ハート)」 以上デシタ☆

  6. Ten より:

    カッコイイDEMOを続けて聴けて、
    感激です。有難うございます。(=^ェ^=)

    覚悟についての文章、深く心に刺さりました。
    山口さんは若い音楽家の方へ愛があふれているな、と思いました。

  7. シバダスト より:

    ヒートウェイヴのレコーディングって、空気まで録音されてますよね。

  8. うっちゃん より:

    二度、同じライヴはない!見逃すな!聞き逃すな!心から愉しめ!
    それは、生涯変わらずですよねー。12月も心して行きます。

  9. Masako より:

    Night time 演奏、超カッコいいです。リズム変わるところとか…。Rock’n Rollがたまらない (ハート)。型にはまらない、自由なところがいい。

    でも、今のHEATWAVEが一番です。過去のHEATWAVEは、音源でしか聴くことが出来ないし、空想の世界でしか観ることが出来ないから…。
    ライヴが一番カッコいい、イカしたバンド、HEATWAVE。ツアー愉しみにしています。

  10. 林檎 より:

    楽し~~~い♫ HEATWAVE最高!!! 
    Night timeのグルーヴ感、堪りません♡(⋈◍>◡<◍)
    昨夜から聴いていましたが、やっと落ち着いて丁度心地良い爆音で聴きました!
    本当に溢れんばかりの熱量、熱風を感じます ^^ 
    AFRICA聴きながらハイウェイを飛ばしたい!って思っちゃいました♪(*^O^*)

  11. エイジ より:

    Night time 1989 壮絶にかっこいいです!まさに音の塊を感じました。
    できるなら今のHWにギタリスト(Reiさんとか!)を加えて、ライブで体感してみたいです!

  12. 吉原 秀延 より:

    サイコー!!!
    ギターの波動でスネアが振動してる音まで聞こえちゃって、なんだか一緒にスタジオにいるみたいです!
    グルーヴ感から空間がうねってますよ。

  13. Thor より:

    20世紀に録音された聴いたことのない音が、あの頃なかったデジタルな機械のスピーカーを通して21世紀の今の空気に触れて、混ざり合って、部屋中に不思議な空気感がひろがる感じがたまりません。
    何度も繰り返し聴いてるとその感じは少しづつ薄れていって今にしっかり溶け込んでしまうんだけど..。

    改めて感じた事がひとつ。
    メンバーは違えど、今も昔もHEATWAVEはかっこいいなー!!!

    DEMOありがとうございます

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