回想ライジングサン

8月14日 月曜日 曇り

ライジングサンから帰ってきました。

人前で喋るのは苦手だけれど、書いて伝えることが苦痛だったことはあまりないのです。でも今回、僕が経験したこと、みんなが僕に期待してくれてるの、よーく分かった上で、言語化するのは難しいです。それだけ音楽にintoしていたんだと思います。

MY LIFE IS MY MESSAGEを続けているってことが前提としてあります。

このプロジェクト、もともとは福島の人たちと街の復興に取り組むことからスタートしています。昨年起きた熊本の地震を受けて、現在はFM熊本で「MY LIFE IS MY MESSAGE RADIO」をやらせてもらっています。みなさんの気持ちをスポンサーに、音楽を通じて、全国、いや世界に愛を還流させようという試みです。

ここまでご理解頂けましたか?MLIMMの詳細を知りたい方はこちらを。

ライジングサン(以下RSR)は北海道の大地に根付いた素晴らしいロックフェスです。広大なフェスの敷地の一番奥に、BOHEMIAN GARDENという少しユルめのステージがあります。フジロックのFIELD OF HEAVENみたいな。

このステージの電気は佐藤”モジャモジャ”タイジが率いるソーラーチームによって、すべて太陽光で賄われています。今年はその啓蒙のため、タイジと一緒に雨の中演奏しましたが、これはね、ほんとうに、何というか、可能性のあることなのです。誰も傷つけない!そして音がいい!そしてタイジのギターソロが長い!笑。

はてさて。

RSRはずっとMLIMMを応援してくれています。感謝マックスです。ですから、僕らもRSRでしか観ることのできないようなスペシャルな組み合わせを提案させてもらっています。

チャボさん、宮沢くん、それに僕。

全員弾き語れる人たちです。だから、それぞれのソロ・パートとセッション部分というステージをやれば、それほど負担はかかりません。しかし、何故か、今回、全編に渡って三人でステージに立つという、かなり無茶な、イメージが、それぞれの頭に、浮かんでいたのだと、僕は、想像しています。笑。

内容を決めていくのは難儀でした。リハーサルはたった一日しかないし。みんな寡黙だし。でも、将棋の駒を進めるように、会うことなく、メールで一歩づつ駒を前に進めました。チャボさんもたくさんメールを書いてくれました。たぶん、人差し指一本で。ありがとうございます!BOHEMIAN GARDENまで遠く歩いて来てくれるたくさんのオーディエンスのために、夏や北海道を感じてくれる内容にしよう、とか。チャボさんと宮沢くんのポエトリー・リーディングから始まるのはどうだろう、とか、宮沢くんが「サマーツアー」をリクエストして却下されるとか(笑)。僕の曲は殆ど宮沢くんが決めました。そういうの、とっても嬉しかったです。

閑話休題。

もう20数年前のことです。普段テレビを観ない僕が、どういう訳か歌番組を観ていた。

そこにTHE BOOMが出てきて「手紙」という曲をブチかました。ん?これはどう考えてもオレに向って歌ってるなぁ、と。公共の電波を使ってそんなことあり得る訳がないけど、間違いなく僕に向って歌ってると確信したのです。ウソみたいなホントの話。

当時僕はレコード会社をクビになり、事務所も辞めて、タダの人。「手紙」を電波で受け取って、僕から湯水のように言葉が湧いてきたのです。それが「MR. SONGWRITER」。それを持って僕は新しいレコード会社と契約し、事務所を移籍。面倒くさい僕らはそのことについて、一度も会話したことがない。でもね、たぶんお互い、今回は勇気を出して伝えてみた。20数年かけて、その2曲が円環を描いたのです。チャボさんのギターという超強力な掩護射撃のもとに。

宮沢和史は僕の「CARRY ON」を歌ってくれました。あは、こんなにいい曲だったのか!知らなかった。ライヴが終わって気づいたんだけど、どうして僕は「中央線」を歌わなかったんだろう。じゃ、次の機会に。チャボさんの「GIBSON」や「唄」をリクエストしたのも彼です。わはは。

ステージの上で何度もチャボさんと目があったのです。彼の云わんとせんこと、かなり理解できます。立ち位置は左からチャボさん、宮沢くん、そしてオレ。たいてい宮沢くんが歌っているときで「こいつ、やっぱりすげぇな!」。チャボさんの目はそう語っていました。そして、ごいすーなシンガーを全力でサポートするとき、チャボさんと僕は無上の歓びを感じるのです。ちょー幸福な瞬間でした。そして、客席を観やると、みんないい顔。ついでにステージ脇を観ると、たくさんのスタッフもね。

島唄 → 雨上がりの夜空に(ほんとうに雨上がりだったし)→ 満月の夕。この3曲はもはや言葉にならないなぁ。島唄。すごかったなぁ。すごい歌だし、このときの宮沢くんは何かが憑依してたす。えっと、何だろう、音楽の神じゃなくて、音楽そのものが。

ライヴが終わったあと、「そうまかえる新聞」をオーディエンスに配るため福島から来てくれた女性から、こういうメールが来ました。

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MIYAよかったけど、ステージそのものが最高でした。
3人のバランスがなんとも良いのです。
ギターなんてほんとに三者三様で見ててワクワクが止まりませんでした。
1+1+1=∞ですね。
MIYAをステージに引っ張りあげてくれたことにも感謝です。

新聞を配っていて、たくさんの人に「頑張ってください」と声かけられました。
正直、今何を頑張ることあるんだろうと思うこの頃でしたが、「生きる」事を一生懸命頑張ろう、って思いました。

たくさんの人のこころを福島に向けてくれる、MLIMMに関わってくれているみなさんに本当に感謝です。

MIYAにも新聞渡したかったな(笑)

明日からまたお仕事がんばるぞー!

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僕らがそうしなくても、宮沢くんはステージに復帰してたでしょう。チャボさんがステージで「宮沢!やっぱりステージ似合うよなぁ、釣りばっかりやってんじゃねぇ」って。爆笑。愛だよなぁ。

福島の人が「生きる」ことを頑張ろうって。僕らはそれだけでいいです。宮沢くんとチャボさんに伝えたよ!新聞、渡せなくてごめんね。

な訳で、写真はありません。載せたところで、伝わらないと思うからです。だからこそ、ライヴだしね。あの遠いボヘミアンガーデンまで田んぼみたいにぬかるんだ中を歩いてきてくれて、ありがとう!愉しんでくれたかな?みんな、いい夏にしような!

チャボさん、スタッフのみなさん、今年も感謝マックスです。そして宮沢くん!人生は短い。またやろうね。ありがとう!オレ、中央線歌う!

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MY LIFE IS MY MESSAGE 2017 / BOHEMIAN GARDEN (RISING SUN ROCK FESTIVAL)

曲のタイトルの横の表記はメインヴォーカルです。

1. ポエトリー・リーディング (宮沢和史/仲井戸麗市)
2. 手紙 (宮沢和史)
3. MR. SONGWRITER (山口洋)
4. GIBSON (仲井戸麗市/宮沢和史)
5. CARRY ON (宮沢和史)
6. 銀の花 (山口洋/宮沢和史)
7. 唄 (仲井戸麗市/宮沢和史)
8. 24時間の旅 (宮沢和史)
9. カルピス (仲井戸麗市)
10. 島唄 (宮沢和史)
11. 雨上がりの夜空に (仲井戸麗市/宮沢和史/山口洋)
12. 満月の夕 (山口洋/宮沢和史)

12にうつみようこ飛び入り参加!ようこちゃん、ありがとう!

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大好きなロニー・レインのこと書いたぜー。読んでね。

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回想ライジングサン への9件のコメント

  1. kaori より:

    山口さん、書いてくださってありがとうございます!
    その場には行けませんでしたが、この日記で感涙です。
    次の機会、心からお待ちしております。

  2. RSRlover より:

    本当に最高のステージでした!!!
    あの感動をうまく言葉にできませんが、お三方のギター、声、全てのバランスが心地よくも力強く、まさに1+1+1=∞ですね。

    スペシャルな素晴らしいステージを本当にありがとうございました。
    次の機会に中央線、心からお待ちしています!

  3. りおかみ より:

    正に、ライブ!!!これぞ、ライブ!!!

    チャボ先輩、かっこよ過ぎました。
    山口さんが尊敬しているの、伝わってきました。
    あんなに、ギターに必死なMIYAさん、
    初めてみました。
    山口さんのMIYAさんへの愛、伝わってきました。
    ソロではない、山口さん、久しぶりでした。
    楽しんでいる山口さん、伝わってきました。
    久々のうつみようこさんもカッコよかった。

    雨でも泥んこでも、遠くても遠くても、
    遠くても遠くても、
    あの時間、あの場所にいられたこと、
    しあわせでした。

    HEATWAVEや山口洋、THEBOOMのライブは
    軽く100本以上観に行きましたが、
    5本の指に入るほど、印象に残るライブでした。

    今もまだ、ライブの余韻に浸っています。
    次回は是非、中央線を。
    楽しみにしています。

    お疲れ様でした。
    ありがとう。

  4. Nobby より:

    もの凄く行きたかったRSR。
    でも転職して1ヶ月、休めるわけがなく…
    どんなセットリストだったのか気になり、あちこち検索。
    昨晩、セットリストを見た瞬間絶叫。
    ドキドキして寝れなくなりました。
    行った訳じゃないのに…
    会場で御覧になられた方は幸せですね…
    今度また御三方でして戴けるなら、何があっても駆けつけようと思います。

  5. ファンタグレープ より:

    すごいな… 僕はミヤと洋さんが同じステージに居るの見ただけでもう涙すると思うんですが、さらにチャボさんとようこさんまで… こんなすごい組み合わせはもう実現しないかな? ライジングサンには行けなかったんだけど、このブログを読めただけでもなんだか嬉しくて幸せな気持ちです。書いてくれてありがとうです。

  6. むーべんいいじゃん より:

    見たかったなー。

    字面追ってるだけで、最高のステージだったこと、びしびし伝わってきます。

    それだけに皆さんのステージでの表情、幸福感いっぱいに視線でやり取りしている現場を見たかった。

  7. あおむし より:

    観ることはできなかったけど、この日記だけでも熱は伝わってきました。ありがとうございます。

    THE BOOMの最後となったライブ、武道館のひとつ前、2014年12月13日フェスティバルホールでのこと。「手紙」の冒頭で「前略 山口洋殿」と宮沢さんが詠んだことを今でもはっきりと覚えています。
    山口さんがソロライブで「MR. SONGWRITER」を演ったときに、この曲が「手紙」のアンサーソングであること、宮沢さんからは返事がないこと(笑)を語っていたのを思い出し、その瞬間につながったのだと感じました。
    放送されたものを見る限り、武道館ではそのくだりは詠まれていなかったようなので、今更ですが記してみました。

  8. カワケロ より:

    あの場に居られた幸せを、こうして文章で読んで再び噛み締めてます。
    ボヘミアンのステージを観ながら
    「いま、とんでもない場面に立ち会ってる」
    って感情が湧き出てきて、鳥肌がたちました。

    あの時間を本当にありがとうございました。
    幸せです。

  9. ロニーレーンの記事を引用させていただきました。事後報告となりますが、ご了承いただけますでしょうか?ご了承が得られない場合には、すぐ削除いたします。どうぞよろしくお願いいたします。http://blog.livedoor.jp/musicandlife/archives/1067109081.html

ヒロ ムラタ への返信 コメントをキャンセル

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