迎え火と送り火の間

8月15日 火曜日 雨

お盆って風習は嫌いじゃない。僕は無宗教だけど、あの世の人たちが還ってくるって悪くない。山口家はもう僕一人だけ。九州にも帰る時間ないし、帰る場所もないけど、せめてアナーキーなやり方でも迎え火と送り火くらい焚いてやりたい。

うちの屋上で焚いたっす。見晴らしいいから、還ってきやすかったんじゃないかなぁ。コンサートもあったし、うちのお盆は実質一日だったけど。悪くなかった。スーパーで買ったダサい花も飾った。

告白するけど、山口家に伝わる仏壇をこの家に引っ越したときに捨てたんす。オレは思ったんす。形式なんかどうでもいいって。てか、現代の住宅事情では、もはや置くのに適した場所がない。だから、仏壇かなんだか良くわかんないけど、小さくてかわいいひな壇みたいなものを買って、すべての先祖はここに居ることになってます。無宗教でも毎朝、ちーんってやるのは悪くないす。

僕には子供が居ないから、僕の代で山口家は絶滅です。随分考えたんだけど、それでいいと思うんす。僕はできるだけ曲を遺すことにする。それが僕のできるすべてです。

————————————

ずーーーーーーっとアウトプットばかり続けて、カスカスになっていた。そんなときに、NYで25年前に出会った映画監督マサが関わっている「ミリキタニの猫」の上映トーク・ゲスト。横浜、伊勢佐木町のシネマリンにて。この映画館、初めて行ったんだけど、観たい映画、たっくさんやってたんす。知らなかったよ。この界隈、この手の映画館が3つも残ってんだって。素晴らしいね。シネコンで映画を観るのとはぜんぜん違うよ!

何よりも、この映画そのものが素晴らしい。今を生きるヒントに溢れてる。金曜までやってるから是非。マサも居ます。オレのトークはうーーーーーん、でも会場の方に「そろそろ」って云われるまで何か喋ってたけど。オフィシャルサイトはこちら

それから矢井田瞳嬢の入魂のライヴを体験しに、青海まで。同じ時代を生きて、歌を書いて、バンドを組んで、いいエネルギーを循環させようとすること。目的は僕と同じです。鼓舞されます。一人だけれど、決して独りではないと。

そういうライヴを体験したら、勝手だけれど、一目散に家に帰ります。誰かと何かを喋りたくないのです。そうすることによって、体験は深くこころに刻まれます。ヤイコちゃん、バンドのみんな。ありがとう!

送り火。何かが空に還っていったような、気がします。

この展覧会もやってます。是非。

 

カテゴリー: 未分類   パーマリンク

迎え火と送り火の間 への1件のコメント

  1. 厚志 より:

    「形式なんかどうでもいい」目からウロコが落ちて、少し自由になれた気がします。ありがとうございます。

コメントをどうぞ

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

*

次のHTML タグと属性が使えます: <a href="" title=""> <abbr title=""> <acronym title=""> <b> <blockquote cite=""> <cite> <code> <del datetime=""> <em> <i> <q cite=""> <strike> <strong>