8月21日 月曜日 晴れ
土曜日のイベントは強力だった。未だに身体が痺れている。でも、逃げなくて良かった。受け止めようとすることによって、世界が違って見えはじめる。
「死刑」と僕やあなたの暮らしが地続きであること。それをリアルに感じたなら、その感覚がすべての判断に於いて作用してくる。
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音楽業界にはあまり興味がない。だけど、音楽を愛しているし、アーティストとしてやりたいことがある。だから、長い時間をかけて、自分たちが表現するための独自の方法を、知らないうちに作り上げていた。そのことに僕は自分で気づいていなかった。
知っての通り、音楽を創る環境は厳しい。予算が10分の1に減って、いいものを創るため、多くのミュージシャンはよりシュアな、打率の高い方法を取り入れるようになった。そのことは否定しないし、人それぞれ。でも、僕はそれに向いていないことを経験上知っている。レコーディングスタジオはあらかじめ練り上げられたものを、流し込むだけの場所ではない。あくまでも僕にとっては。クリックは僕らの音楽を殺すだけ。ヴァン・モリソンがかつてこう云ったけれど、あそこは奇蹟を起こす場所。それゆえリスクもある。うまくいかないことなんて、しょっちゅうだ。僕だって打率は上げたい。でも、そもそも音楽とはそのようなものなのだ。生きてるんだから。毎日がバラ色ではないように。
明日のためにできることその1。演奏者としての集中力とスキルを抜群に上げる。
脱線するけど、先日森達也さんの「FAKE」を観て、作曲とは楽譜に記すことと定義している人が多くて驚いた。それはね、違う。僕は楽譜に記せない。読むこともできない。じゃ、作曲できないのか?そんなことはない。読み書きできるに越したことはないけれど、あれはタダの記号。レコーダーがなかった時代の方法論のひとつ。その人が作曲できるかどうかに、譜面なんて一切関係ない。
話を戻す。
アナーキーなやり方ゆえ、僕らはいつもギリギリのところに居て、常に軌道修正を強いられる。予算オーバーもしかり。時間もかかる。奇蹟をパッケージにするのは簡単じゃない。でも、それをパッケージにできないなら、いつだってミュージシャンなんか辞める覚悟はできている。
今まではそれで良かった。自分で責任を取りさえすればね。けれど、今回はいろんな人が関わってくれている。僕は自分が世間からどれほどかけ離れた場所を歩いているのか自覚していなかった。井の中の蛙。何度も予定を変更し、それにまつわる予算のアップを要求している自覚はほぼなかった。というか、モノを創る上では当たり前のことだと思っていた。
スポンテニアスであることを何よりもたいせつにして、音楽を作っていくと、どうしても軌道を修正したり、違うアイデアが必要になってくる。推敲と云ってもいい部分のふくらみだと僕は考えていたし、一般的な発想から、かけ離れた場所を歩くから、奏でられる音があるはずだと。
「死刑」と地続きであること。どれだけ自分が自由であるかと云うこと。自由に発言し、自由に音楽を奏で、、、、、。(ほんとうのことを云えば、そこの信号を守った時点で隷属している訳だけれど)。
その基準が一日にして変わってしまったのです。
人間はすべて食べたもので出来ていて、すべての「死」の上に「生」がある。同じように僕の「自由」は誰かの「不自由」の上にある。ならば、想像力と創造力で遥かに超えていかなきゃならない場所がある。そう思うのです。
今も唸りながら、痺れの中で、考えています。でも、僕は自由。ならば、やれることを全力でやらなければ。そんな気持ちで明日からのレコーディングに臨んでみます。
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はてさて。
すべてみなさんからのリクエストで構成される僕のソロツアー、
山口洋(HEATWAVE) solo tour 2017 autumn『YOUR SONG-2』
9月30日までリクエストを受付中!
このblogコメント欄に
1. 参加する会場名
2. お住まいの地域
3. 氏名(ニックネーム可)年齢(サバ読み可)性別
4. リクエスト曲
5. 何よりも、それを聞きたい理由(きちんと書いてくれた方が採用率上がります)
を書いてください。できるだけ最新のコメント欄に書いてください。古いものだと、見落とす可能性があります。売り切れ間近な公演もあるので、チケットはお早めにね!
ツアーの詳細はこちら。
11/11の高松公演。この日は藤井一彦とのライブのため リクエストは受付いたしません。
とアナウンスしてましたが、5曲くらい受け付けます。せっかくだしね。急げー!
『世界はもっと豊かだし、人はもっと優しい』
森達也さんの数ある著作の中で、このタイトルは
胸に刺さり、忘れられないものです。
ものを作り出す人は、端からみると時に
傲慢にみえます。そう感じます。
でも、その傲慢さの中でしか生まれないものがあるのも確か。
周りとのバランスをとるのは、大変に難しいことと思います。
でも、周りも大変なんです(笑)
でも、それでも、その人にしかできないものを
しっかり生み出してもらいたいです。
重い題材ですね。あまり日常生活には無いものを、理解するのはなかなか困難だと思います。それを受け止めて、これからの方向性が変わってしまうのでしょうか?
今日、帰りの車でヴァン・モルソンの「Warm Love」が流れてきました。いつも、自分の状況下で音楽からインスピレーションを感じています。不思議ですね。
あまり、深く考え過ぎないように。愛ある音楽で乗り越えてくださいね。
どこかで誰かが笑う時、何処かで誰かが泣いていた。
僕は僕の歌をうたおう。
時間の主人となって生きる、時間の使い方は生命の使い方。
切った木の数よりも、切り続けた斧、自分自身をいつ差し出してもいいように。
遥かな理想を諦めない
孤独だけど、
そんな歌を。
待っています。
1. 参加する会場名
Robbin’s Nest
2. お住まいの地域
弘前市(青森県)
3. 氏名(ニックネーム可)年齢(サバ読み可)性別
松山 貴紀 53歳 男
4. リクエスト曲
出発の歌
5. 何よりも、それを聞きたい理由(きちんと書いてくれた方が採用率上がります)
2011.3.11被災したわけではないが、その日から人生のベクトルが変わった。真新しい出会いの中で、必然なのかH.S.、S.N.という二人の男と出会い、そして山口洋を知りアイリッシュに興味を持った。あざなえる縄のごとしとはいうが、人間ができていないせいか苦悩や苦痛や不安や・・そんな毎日と思ってしまうけど、朝起きれば仕事終わりの夜を待望し、目覚めれば自分への勝負が始まる。毎朝毎朝着替えながら聴いていた、諦めたときに手にするものを・・・迷える心に風と出発の歌・・・「出発の歌」。息子が人生経験を積ませてもらった大切な場所でこの歌を聴きたい。