こころの真空

11月19日 日曜日 曇り

新しいアルバムの完成にたくさんのコメントをありがとう。みんな待っていてくれて、嬉しいさぁ。

8ヶ月の間、アルバム制作に携わっていた。そういうことをやり終えると、こころが真空みたいな状態になる。そして、たいていの場合高熱を出して数日寝込んでリセットされる。みたいな。

どうやら今回もそのパターンだな、と思っていたが、今日はイベントがあって救われた。生きるってことはどういうことなのか、それぞれ猛者のみなさん方が多大なリスクをしょって、誰かのために生きている姿に叱咤される。そこに通っている筋は半端なものではなかった。ひかり、と言い換えてもいいと思うな。

少し年下の高田漣くんがここで演奏するのはしんどかろうと、老婆心でギターを抱えて行ったのだが、さすがの百戦錬磨、こころの重心は低く、堂々たる見事な貫禄。大したミュージシャンだよ。音楽はやっぱり無力ではなく、二人で演奏してると、空気がぐん、と動くのがわかるんだ。僕を童心に還してくれる。

ほんとうに生き辛い世の中になってきたと思う。終電で帰ったのだけれど、車内の殺伐とそれぞれの顔を照らすスマホのひかりが怖かった。

言いたいことは自責の元に言えばいいし、君と僕とは違う生き物。いろんなやつが居て当たり前だよ。多様性こそ、文化じゃん。

新しいアルバムに「僕は僕のうたを歌おう」というデビュー曲を収録した。25歳が書いた曲を53歳が歌う。色あせないものと、習熟したもの。その具合がなんとも言えぬ味わいを醸し出していた。スタジオでプレイバックを聞きながら、「生きる」ってこういうことか、と自分の曲に教えられた。わはは。

悪くない。たぶん。

ジャケットからしてイケてる蓮くんの新作。

 

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こころの真空 への4件のコメント

  1. 路子 より:

    昨夜のイベントの帰り道、
    くちずさんだ歌は「月明かりの路」でした。

    あの場所にいた一人一人が、
    しっかり生きていました。
    その熱が、じわじわと伝わり、
    大きな力をもらいました。

    山口さんに、話したいことが
    もやもや沢山あったのですが、
    なんせカレーを食べていたもので
    失礼しました(笑)

    蓮さんとのツインギター、
    いい音聴かせてもらいました!

  2. KUMIKO より:

    アルバム完成 おめでとうございます。
    洋さんお疲れ様でした。
    アルバム心のお供にします。

    昨夜のイベント
    愛があることに
    泣けました。
    音楽は無力ではないです。
    いつも有難うございます。

    健康には十分にご留意下さいね。

  3. Satoko より:

    3.11.のとき、テレビの無い生活をしていました。
    ひとりひとり読みあげられる死者、行方不明者の名前をラジオの前でじっと聞いていました。
    だから福島第1原発が爆発した映像は過去の出来事として後から見ました。
    これは良くないと思って、ケーブルテレビの営業マンがテレビどこにあるんですか?って、目の前でキョロキョロするほど小さなテレビを買いました。

    TOKYO1351の話。行き帰りに読んでいた本。
    国家というものとの関係を強烈に意識しました。
    今日帰ってきて、テレビはやっぱり片付けることに決めました。

    『Your Songs』が届くまでに、もっともっと「音」を聴く環境とこころを整えるって目標を立ててみました。

    自分のありようと誰かのありようと社会のありようと。
    まだまだだけど、音楽があって良かった。
    まだまだってことは、まだまだ進めるってことですよね。

    自分のことばっかりすみません。
    後からお疲れがどっと出ませんように。ご自愛ください。

  4. はたぼー より:

    昨日のイベント。
    一回目もそうだったけど
    内容はとても重い。
    どどーんと気持ちが重くなる。
    なのに、暗闇の中にものすごい光りを感じるのです。
    あの場にいた人達や音楽から「愛」がびんびん伝わってきて。
    素晴らしい時間でしたね。

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