Motorcycle Diary 第1章

11月13日 金曜日 晴れ

乗り物ってか、バイクに興味のない人は読み飛ばしてください。自分への覚書っす。

今日、アメリカから部品が届いて、残すひとつの部品(来年になるらしい)を除いて、自分がやりたかったことはほぼ完了。乗ってみて、また変更したいことが出てくるかもしれないけど。

どノーマルもいいけれど、バイクはあくまでも趣味の領域で(1200ccも排気量があるのに荷物なんてなんにも積載できないし)、実用性ほとんどなし。仮面ライダーのサイクロン号に憧れて、ブリジストン・バンビ号(チャリンコね)にダンボールでサイクロンの装飾を施していたわたくす。大人になって好きなようにカスタムできるのはほんとうに愉しかった。

始まりはみんな素人、知らないことは恥ずかしいことじゃないしね。

ところで、サイクロン号はスズキGT380、ハカイダーはカワサキ。750ライダーはホンダ。なにかひとつに手を出したら、ガレージがバイクだらけになりそうだから、ぐっとこらえてヴェスパとハーレー道を行くことにする。あらためて、影響を受けたのはデニス・ホッパーとピーター・フォンダ。中学生の頃だったさ。

 

バイクの免許はなにも持っていなかったから、普通二輪から大型二輪とふたつのステップが必要だった。真夏の炎天下もしんどかったけど、56歳にはそのプロセスそのものが堪える。それゆえ、自らのニンジンとして、教習所に通い始めた時点で、まずは車体を手に入れた。スペックなんて実感としてなにもわからないから、判断はすべて「見た目」。オーラで即決。タンクの色がネイティヴ・アメリカンの大地の色ってところにこころを持っていかれる。単純。ちなみにグレッチを買ったときもこんな感じ。理由はあとからいくらでもついてくるさ。

購入したのはディーラー。1000キロしか走ってない新古車だった。やりとりするうち、ディーラーとは相性がよくないと悟った。ま、程度のいい車体を手に入れたのだから、用は終わりだ。ちなみにクルマも同じ感じ。なんだかわたくす、ディーラーと折り合い悪し。専門的にその車体を偏愛する小さなガレージとはウマが合うこと多し。結局、愛の差なのかな。

ディーラーにお願いしたのは以下の三点。

時代ゆえ、USBのソケットをふたつ。ETC、それにウインカースイッチのエクステンション。

大型二輪の運転を愛をもって教えてくれた山形県長井市からディーラーに電話した。免許とったんで、納車プリーズ!

 

晴れて納車日。ディーラーを出て、国道を右折しなきゃいけなかったのだが、その自信さえなく、左折でたぶん二度と来ないであろうディーラーを出た。今思えば、ほんとに下手クソだったし、なによりも独特な乗車姿勢が教習車とまるで違う。初の公道デビューはなかなかスリリングだった。

 

さて。このバイク、見た目はいいが、タンクに7リットルしか入らない。下道だと航続距離100キロ。なかなかのクレイジーさ。重量は250キロ。ガス欠したら、最悪。おまけに燃料計もない。なんちゅー設計。

まずは燃料携行缶とそのホルダーを買って、自分で取り付けたが、エンジンのそばにしか付ける場所がなく、素人仕事は恐ろしいったらありゃしない。なにせ爆弾を抱えて走ってるようなもの。のちにマエストロにより危険と判断され、後部に彼の手で移設。

 

マエストロによって移設された携行缶。1リットル燃料が入ってる。

携行缶。ウインカーはダークにしてある。

 

次にスマホ・ホルダー。これは実に格好悪い。でも、老眼で地図を見ることが難しいからして、お許し願いたい。断じて、信号待ちでメールなどしない。これはネットでポチって自分で装着。

 

USB、ホルダー、ヘルメットロックなど。ミラーが下にあるのがこのバイクの特徴。

 

さて。近年のハーレーダビットソン。日本の排ガス規制に合わせてじゅうぶんに去勢されておる。ここがいちばんたいせつなカスタムなのだ。

いろんないきさつで出会った近所のハーレー屋さん。タトゥーまみれのコワモテかと思いきや、あっという間に意気投合。っていうか、彼は音楽好きでオレを知っていてくれた。ラッキー。奇遇なんだけど、アーティストのともだちの後輩だったりして。これにて完全にディーラー卒業。持ってるな、オレ。笑。

吸排気、インジェクションチューニングに関しては完全に彼に任せた。俺のリクエストは「マフラーの色は銀色にしてね!」っつー小学生みたいなお願いのみ。「あ、あと下品にうるさいのは嫌だ」みたいな。

 

マエストロ、あっという間にマフラーとエアクリーナーを選び、あんまり見かけないサンダーマックスなる強力なコンピューターを埋め込んで、インジェクションチューニングを施し、1週間ほど調整を繰り返して、ご対面!

エンジンをかけた瞬間、ブルったね。な、なんじゃ、これは。

ハレ子さん、完全に湘南の野生の馬。音も、鼓動も、加速も、ヴァイヴスも。もはや別人。どっひゃーーーーー!!!!!!!

マエストロ。「違う乗り物ですよ」。その言葉通り、ハレ子は本来の力を取り戻す。

 

 

エアクリーナーとマフラー。

 

なんってたって、加速Gで体がもっていかれる。純正シートが滑って危なくてしゃーない。さっそくリサーチして、固めのシートを手に入れる。シートを換えただけで乗り味はまた変わる。クルマもそうだけれど、オレは固い方が好き。地面の感じが伝わる方が。さすがにシートの交換くらいはともだちとふたりで実行。

 

固いけど、乗りやすい。

 

さて、工具。このバイクはインチ工具ってやつで日本の規格とは異なる。ホームセンターの工具売り場と合羽橋がワンダーランドのオレだから、ほんとうはむっちゃ質がいいものが欲しかったが、マエストロの仕事を見ていて、すべてはお任せすることにしたんで、手に入れやすい価格のものをゲット。

それによって、ダービーカバー 、タイマーカバー、サイドスタンドのエクステンション、ウインカーのダークスモーク化、ヘルメットロックなどは自分の手でやってみる。ただし、なにかのふたを開けて、得体の知れないバネが飛び出してきたりしたら、速攻マエストロに連絡して指示を乞う。

 

 

ダービーカバーからバネ出てきたときはビビったよ。

 

2ヶ月ちょっとで2500キロくらい走ったのか。寒くなる前に今年最大の冒険、往復約900キロの旅をすることにした。

その前にマエストロにペグとシフターとスロットルを交換してもらった。RSDって会社のもの。デザインがシンプルでいい。おかげでスロットルワイヤーが切れかかってたのを発見してくれ、マエストロが交換してくれた。あのまま走ったら切れて走行不能になってたかも、、、、、。

 

この会社のものはデザインがシンプルでいい。

派手なのは苦手。

 

キャリアをつけてもらって、FISONのリュックを装着できるようになる。

 

バイクにはFILSONと最初から思ってた。笑。そんな人見たことないから。

 

最後に奈良さんの絵とお店のステッカーでチューン。これ、そうとう元気でたな。

 

ステッカー、かなり大事。

これもアがったな。

 

ハンドルはドラッグバーを買っておいたんだけど、使わなかった。マエストロと話し合って、安全性を優先した。

その旅から帰って、歴然と運転がうまくなったのを感じた。バイクとより一体になった感じ。

それからヘルメットロックとちいさな時計を自分で取り付けた。

ガレージに大型バイクがある生活。二ヶ月とちょっと。走行距離3300キロ。とってもいい。

「今だ!」ってときにいちおう近所に気を使いながら、家から出ていく。全身でひかりや風や季節を浴びる感じ。なにも考えない。エスケイプであり、自由の希求でもある。

革ジャンの意味もあらためて知った。単純に安全。機能的でもある。倉庫に4種類の革ジャンと3種類のブーツと2種類の手袋、2つのヘルメットがあって、その日の天候や気分で組み合わせる。それもまたクリエイティヴ。

とりあえず。Motorcycle Diary、第1章。コがなければ、こんなことにはなっていなかった。でももうバイクがない日々は想像できない。2020年、最大のインスピレーション。

 

ここからは第2章。誰もやっていなかったことを夢想してる。やれたら、いいな。いや、きっとやれるさ。

 

夢の乗り物だよ。

 

 

明日はどこに行こうかな。

 

 

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Motorcycle Diary 第1章 への2件のコメント

  1. radiofish22 より:

    楽しく読ませていただきました。
    素敵なバイクに成長していくのが、読んでいて羨ましい限りです。ハレ子さんではなく、カッコいい名前つける必要あり。壁紙にしたい、いい写真です。

  2. to the moon より:

    第2章がはじまるのですね。
    響き合ってる二つのビートは、どんなファンタジーを見せてくれるのでしょうか。 FILSONのバッグが装着されている姿、痺れます。
    ジェームズ・ディーンが銀色のポルシェと映っている写真を見た時のような、「その人だ!」みたいなものを見た時、見ているこちらのチカラもみなぎってきます。

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